物流領域のCO₂排出削減の取り組み
Hondaは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、サプライチェーンにおける物流を、CO₂排出削減の中核領域の一つと位置付け、経営として優先的に取り組んでいます。
二輪・四輪・補修部品の調達物流および製品物流は、輸送距離、輸送頻度、輸送手段の選択によってCO₂排出量が大きく左右される領域であり、個別最適の積み上げでは抜本的な削減が難しいという課題認識のもと、全社横断での取り組みを進めています。
具体的には、Hondaは物流領域における脱炭素化を、「物流効率化」と「物流手段(車両・燃料)のカーボンフリー化」の2つの柱で捉え、短期・中長期の両面から戦略的に推進しています。
物流効率化においては、輸送ルートの最適化や積載率の向上を通じて物流全体のムダを削減し、輸送量そのものを抑制することでエネルギー使用量の低減を図っています。
一方で、効率化のみでは削減に限界があるとの認識のもと、物流手段のカーボンフリー化にも踏み込み、電動車両や鉄道輸送への転換に加え、水素、アンモニア、LNG、エタノールなどの代替燃料の活用を、地域特性や技術成熟度を踏まえながら段階的に進めています。
以下では、こうした考え方に基づく具体的な取り組み事例を紹介します。
事例:電動部品(IPU)調達物流のモーダルシフト化(日本)
Honda は、本格的なEV 時代の到来を見据え、EV 関連部品の物流においても、製品特性や供給安定性を踏まえたうえで、脱炭素化と事業成立性の両立を図る取り組みを進めています。
とくに、遠距離輸送をともなう部品・製品については、輸送手段の選択がCO₂排出量に大きな影響を与えることから、環境負荷の小さい鉄道輸送への転換を重要な選択肢の一つとして位置付け、モーダルシフトを推進しています。
2024 年に国内生産を開始したEVの基幹部品である大型・重量物の電動部品(IPU)においては、安定供給や品質確保といった制約条件があるなかで、物流会社、鉄道事業者、部品サプライヤーと連携し、輸送手段を従来のトラック輸送から鉄道輸送へきり替えました。
この取り組みにより、CO₂排出量を年間約700t、約75%相当削減することを実現するとともに、EV立ちあげ期における低炭素物流の実装モデルとして、実効性のある仕組みを構築しました。
事例:燃料電池トラックの実証試験と商用化に向けた技術検証(日本/中国)
Hondaは、物流手段のカーボンフリー化に向けた中長期的な取り組みの一環として、長距離・重量物輸送においても実用可能な次世代物流手段の確立が不可欠であるとの認識のもと、燃料電池トラックの実用化に向けた技術開発および検証を進めています。
燃料電池は走行時にCO₂を排出しないという特性に加え、航続距離や積載性能の観点から、将来的に長距離輸送への適用が期待される技術である一方、インフラ整備や価格面などの課題も多く、実物流での検証が不可欠とされています。
Hondaはこうした課題を踏まえ、日本ではいすゞ自動車株式会社との共同開発により、実際の物流環境下での走行実証試験を実施しています。
また、中国では東風汽車グループと連携し、実際の物流配送ルートにおける運行実証を展開しています。
これらの取り組みを通じて、燃料電池トラックの技術的有効性や実用性を検証し、将来的な物流領域におけるCO₂排出削減の選択肢を広げるとともに、次世代物流の社会実装に向けた知見の蓄積を進めています。
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燃料電池トラックの実証車両(日本)
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燃料電池トラックの実証車両(中国)