未来を創る子どもの育成支援活動
日本
子どもアイディアコンテスト
子どもアイディアコンテストは、夢をもつこと、挑戦することの楽しさや素晴らしさ、モノづくりのおもしろさを次世代の子ども達に実感してもらいたいという想いで、2002年から開催している次世代育成プログラムです。夢を絵で描き、作品を制作する過程で、先行き不透明な時代を生き抜く子どもたちの発想力・創造力を育む機会となっています。22回目を迎えた2024年度は11,680件の応募があり、累計作品応募数は10万件にのぼります。
また、同コンテストはベトナムでも開催しており、国内外合わせると累計130万件を超える応募数となり、想像力豊かな次世代を育成する機会を広く提供し続けています。
北米
カナダ全土で若者のSTEM教育を支援
ホンダカナダ財団は、若者の夢を応援し、将来の課題解決につながる創造性やイノベーションを育むため、STEM(科学・技術・工学・数学)分野への教育支援を行っています。
特に、FIRST Robotics Canadaとの長年のパートナーシップを通じて、カナダの高校30校のロボット工学チームに基本キットを提供したことに加え、地区大会も支援しています。この取り組みにより、学生たちはロボット工学への情熱が育まれるだけではなく、リーダーシップやチームビルディング、プレッシャーがかかる場面や勝敗が決まる場面で冷静さを維持することを学び 、将来の教育やキャリアに生かすことができると考えています。
2024年には、女子高校生のSTEM分野進学支援として、コーディングコンテストへの資金援助や奨学金を提供。大学・高校へのエンジンや自動車の寄贈を通じて、実践的な学習環境を整備したほか、工学コンテストも支援しました。
歴史的黒人大学HBCUへの長年のコミットメントを前進させる取り組み「Drive the Legacy」を開始
米国のHondaグループは、「Drive the Legacy」の取り組みを通じて、歴史的黒人大学(HBCU)への支援を強化し、優秀な人材の育成と採用を目指しています。この取り組みは、教育・キャリア支援、プログラム・インフラ支援、地域社会への働きかけと啓発活動、HBCU文化を称える特別な体験という4つの柱を重点に置き展開されています。Hondaは過去30年以上にわたり、約30万人のHBCU学生にポジティブな影響を与えてきました。全米屈指の学術競技大会と音楽コンテストである「Honda Campus All-Star Challenge」や「Battle of the Bands」への支援はその継続的な取り組みの一つです。これまでに教育プログラムや施設改善のために1,400万ドル以上の助成金を提供しました。
2024年はHondaの製造・研究拠点に30名の学生を迎え、職業体験やHondaの企業文化に触れる4日間のプログラムを実施しました。また、National Urban Leagueの「BEEP(Business Executive Exchange Program)」との協働では、Hondaのリーダーが10カ所のキャンパスを訪問し、講義やパネルディスカッションや、交流イベントに参加しました。この取り組みは黒人、中南米系、ネイティブアメリカン等の次世代リーダーが、キャリアや地域社会において成功を収められるよう支援するもので、学生たちに世界有数企業の幹部からキャリアに関するアドバイスを受ける機会を提供しています。
Hondaの従業員は、HBCUの様々な助成プログラムに対してメンターとしての参加や、ゲスト講義を行うことで学生を支援しています。
中南米
ブラジルの音楽プロジェクト「Bachiana Musicalization Project」への支援
ホンダ セルヴィッソス フィナンセイロス(HSF)は、音楽を通じて社会的なインクルージョン、音楽教育、環境意識を向上させることを目的に「Bachiana Musicalization Project」を支援しています。2024年は、サンパウロで社会的に困難な状況にある90人の子どもたちへ指導と支援を行い、クラシック音楽文化に触れる機会を提供しました。
2006年、ジョアン・カルロス・マルティンス氏によってに創設されたバキアーナ財団(Bachiana Foundation)は、クラシック音楽の普及と音楽分野における新たな人材の育成を目指し、若者から大人まで幅広い世代を対象に、コンサートや講義、文化活動を実施しています。
ブラジルの社会的に不利な立場にある若者への職業訓練
ブラジルのペルナンブーコ州とサンパウロ州にあるHonda After-Sales Training Centerで、社会的に不利な立場にある18~20歳の若者を対象とした職業訓練「Honda Social Project Professional Training Course」を実施しました。
この訓練では、8か月間で合計800時間に及ぶ自動車や二輪車の整備、金融サービス、販売に関する理論的・実践的な講義や実技研修、Hodaフィロソフィーについて学ぶ場を提供しています。
2024年は合計18万282ドルに相当する職業訓練を実施し、Hondaの従業員102人がボランティア講師として参加しました。また、受講生たちには7,866ドル相当の食料バスケットが毎月提供されました。2024年は受講修了生全員が無事に就職を果たしており、過去16年間でこの職業訓練を修了した若者は380人に上ります。
欧州
イタリアで教育機関と連携して教育プログラムを提供
イタリアの二輪車生産拠点であるホンダ・イタリア・インダストリアーレ・エス・ピー・エーは、2015年からIstituti tecnologici superiori(以降、ITS)と連携し、自社のノウハウを活かした教育プログラムを学生たちに提供しています。このプログラムでは、原理、理論、方法論などの学習と、同社がこれまで培ってきた成功事例や経験を組み合わせることで、学生たちを即戦力のある人材に育成することを目的としています。当初はポストディプロマの機械電子工学コースと物流サプライチェーンコースの学生を対象とした基本プログラムのみでしたが、2021年からは機械系大学の学生を対象に、製造オペレーション、新機種開発、産業オートメーション、サステナビリティについて学ぶ上級プログラムを開始しました。
2024年は、ITSと機械系大学に通う60人の学生たちにプログラムを提供し、累計で 400 人以上の学生が受講しています。
イタリアでの工場見学受け入れ
Hondaは1971年にイタリアで事業を開始し、毎年3月から6月にかけて、学生や二輪車愛好家、二輪車文化に関心のある一般のお客様に向けて、工場見学会を実施しています。会社概要の説明に続き、生産工場では二輪車の製造工程を案内します。より専門的な要望がある場合には、参加者の関心に応じた内容で応えており、毎年約500人以上が参加しています。
アジア・大洋州
インド農村部に住む子どもたちの教育支援プログラム「Honda Ki Pathshala」
ホンダインド財団が行う「Honda Ki Pathshala」は、恵まれない農村部の生徒をサポートする教育支援プログラムです。このプログラムでは、6年生から10年生の生徒に対して、英語、数学、科学を教え、成績向上を図るとともに中退率低下を目指しています。このプログラムには、屋外ゲーム、児童リーダーシップ研修、ジェンダー意識向上や児童の権利に関する授業といった課外活動も含まれており、高学年向けにはデジタルスキルと職業スキルの向上を目指す授業が行われます。
近年は、生徒の出席率や成績を確認するための保護者と教員間での面談も行われており、個別訪問による啓発活動で地域社会とのつながり強化をはかっています。
これまでにインド全土で3,000人の生徒に教育の機会を提供しており、今後5年間で1万人以上を目指しています。
教材入手が困難な環境にある子どもたちへの教育支援活動
フィリピンにおける二輪車の生産拠点であるホンダフィリピンズ・インコーポレーテッドは、バタンガス州の小学校に通う児童140人を支援する「Brigada Eskwela(学校派遣団)」プログラムを実施しました。この取り組みは、学習用品の入手が困難な恵まれない子どもたちに、より良い学習環境を提供し、学びの喜びを育むとともに、質の高い教育の支援を目的としています。
支援内容としては、白いTシャツ(制服として使用)、リュックサック、学用品、雨がっぱなどの寄贈に加え、通勤・通学に船を利用する児童や教師のために、Honda製の船外機や救命胴衣も提供されました。特に船外機と救命胴衣は、通勤・通学に船を利用する教師や児童にとって、安全かつ効率的な移動手段の確保に貢献しています。さらに、従業員も寄付や物品の提供を通じて、積極的にこの取り組みに協力しました。
この活動は、教育と地域社会の発展に寄与したことが評価され、2024年の「Pugay Tanaw」表彰式において、教育省より「Outstanding Partners」部門で表彰されました。
中国
SCLFホンダ・ドリーム基金
Hondaと中国宋慶齢基金会が共同で設立した「SCLFホンダ・ドリーム基金 」は、経済的に恵まれない家庭の青少年に経済的支援を提供し、彼らが自らの夢を追い求めながら社会で自立し、より大きな社会的価値を創出できるように後押しすることを目的としています。この基金は、2017年9月の発足以来、7期にわたり合計48人の学生に資金援助と実践的指導を行ってきました。学生たちの夢は、技術革新・保育・地方の法律教育など多岐にわたります。
Hondaエコ マイレッジ チャレンジ中国大会
「Hondaエコ マイレッジ チャレンジ」は、2007年に中国で実施されてから今までに15回開催されており、累計参加者は1万人を超えます。この大会は、省エネや環境保護の意識を高め、ものづくりの楽しさを体験することを目的としており、参加者が自ら省エネ自動車を組み立て製造工程に先進技術を取り入れることで、創造性を高めチャレンジ精神を発揮しチームワークを養うことを奨励しています。参加者は、この大会を通じて省エネや環境保護の重要性を理解することができます。今回の大会では、電気自動車部門が初めて単独イベントとして開催されました。