交通安全の教育・普及活動

日本

日本国内向けの子ども用教材として「デジタル交通安全かるた」を開発

Hondaは、国内の小学生を対象に「児童向けの交通安全教育が、子供の行動変容に繋がっているか」の効果検証を行い、限られた交通安全教室の機会だけでは教育効果を維持することが難しく、継続的な指導が必要であるという結果を得ました。この検証結果をもとに、小学生向け教材として「Honda交通安全かるた」をベースとした「デジタル交通安全かるた」を開発しました。

この教材は、画面上にかるたの絵札を表示させ、そのカードが表す交通ルールやマナーなどの安全な交通行動について児童に考えてもらい、様々な交通場面における安全行動を視覚からも理解してもらえるように工夫しています。

また、カード1枚あたりの学習時間は約2分と短いため、朝の会や帰りの会などの短い時間で繰り返し学習することができます。また、実施時間の長さに合わせて使用するカードの枚数や組み合わせを自由に調整することができます。

実際にこの教材を活用した学校の先生からは、タブレットのみで指導を実施できる手軽さなどに加え、日常的にこの教材を使い継続的に交通安全教育を行うことで、児童の交通安全に対する意識が向上したという意見もあり、わずかな時間であっても交通安全教育を続けることが効果的であると高く評価いただきました。

日本国内向けの子ども用教材として「デジタル交通安全かるた」を開発

北米

北米のHondaグループが地域社会の交通安全を推進

Hondaは、2050年までに交通事故ゼロ社会の実現を目指すビジョンの下、北米のHondaグループは「One Team Honda」として、チャイルドシートの安全な使用法・歩行者対策・ヘルメットの着用・二輪車の安全性やながら運転の危険性等に関する啓発活動を通じて、あらゆる世代の交通安全を推進する様々な組織を支援しています。

十代の交通事故死者数が過度に多い北米の現状を踏まえ、米国のHondaグループはディスカバリーエデュケーションと連携し、25歳未満のドライバーが確かな運転技術と判断力と責任感を身に付けるための全国的な教育プログラムを開始し、2023年にはHondaの従業員と交通安全パートナーが互いに学び、アイデアを共有し、若年ドライバーの交通安全意識向上を図るための共同懇談会を初開催しました。

ホンダ カナダ財団は「プロジェクト・カレッジ」を支援し、地元の病院や社会福祉団体と連携し、恵まれない地域の親や保護者を対象に安全な補助シート等の新規購入に使えるクーポンを配布しました。またホンダユーエスエー財団は、チャイルドシート・自転車用ヘルメット・ベビーカー等、家族向けの安全用具を提供するザ・プライオリティ・センターの基本ニーズプログラムやデイトン小児病院の交通安全イニシアチブを通じて、Hondaのグローバル安全スローガン「Safety for Everyone」の促進に寄与しています。

北米のHondaグループが地域社会の交通安全を推進

中南米

ペルーでの地方政府交通安全キャンペーンの支援

ホンダ・デル・ペルー・エス・エーは地方自治体と協力し、人々の命を守るために交通標識や法律を守る重要性について、ドライバー・同乗者・歩行者の意識を高めることに重点を置く期間として設定された「交通安全教育週間」を支援しました。

地域の交通事故の削減と防止に向けた取り組みの一環として、ドライバーと歩行者がそれぞれ交通ルールを守る義務と責任を果たす重要性を訴えかけるなど様々な啓発活動を通じて、市民の交通安全意識の向上に努めています。

ペルーでの地方政府交通安全キャンペーンの支援

アルゼンチンで交通安全啓発プログラム「Pacto Vial」を実施

ホンダモトール・デ・アルヘンティーナ・エス・エーは、12~20歳の若者を対象に、公道を利用する際の責任ある行動や譲り合いの精神の重要性を訴える啓発プログラム「Road Pact (Pacto Vial) 」を実施しました。第6回目の今回は、教師や教育当局とのワークショップの開催、教科課程に反映可能な新しい教材の作成、複数の学校での遊び心のある教育・体験ステーションの設置等の活動が新たに加わりました。

プログラムの内容は、国家交通法や国連が定めた30の持続可能な開発目標 (SDGs) のうち7つ (3、4、10、11、12、15、17) に沿って綿密に作成されました。これらの内容は、専用のInstagramアカウント(@pactovial)にて発信され、活動の最新情報や有益な豆知識の提供、コンテストや賞品の告知、若者の最新トレンドに関する週一回のリール動画などが投稿されました。その中で取り上げたトピックも、事故防止・携帯電話やイヤホンを使用しながらの運転リスク・アルコールや薬物摂取後の運転禁止、そして現在特に青少年の間で特に注意が必要な身だしなみやネット上でのいじめ等、多岐にわたっています。

同プログラムは、「Declaration of Educational Interest of the Municipality of Rosario」で表彰され、その他にもカンパーナ・サラテ・ティグレ・ゴヤ・サント・トメ・コルドバの教育当局から推薦状を授与されています。

アルゼンチンで交通安全啓発プログラム「Pacto Vial」を実施

欧州

ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド・イベリア支店による2輪交通安全プログラム

ホンダモーターヨーロッパ・リミテッド・イベリア支店は、1992年に2週間の安全トレーニング・プログラムを開始し、2009年にはバルセロナから20分の場所にあるホンダ・インスティテュート・オブ・セイフティ(HIS)と名付けられた二輪車交通教育センターで通年プログラムへと規模を拡大しました。2万平米の敷地に建設された同センターには、アスファルトトラック、オフロードトラック、ブレーキテスト用のスキッドラインなどが整備されており、参加者が気軽に講習を受けられるよう必要なライディング用具とオートバイ(50ccから500ccまで約50台)が用意されています。

トレーニング・プログラムは11種類、6時間または8時間のコースで構成されており、平日は主に警察や宅配便などの専門家や企業向け、週末は一般のバイクユーザー(子供も含む)を対象としており、こうしたプログラムが年間を通じて(夏休みと冬休みを除く)毎日提供されています。

HISが設計したこれらのコースは、ディフェンシブ・トレーニングと危険防止を基本としています。そのうちの一つは2018年以来、参加者の満足度スコアで平均10点満点中9.6点を達成しており、欧州二輪車トレーニング品質ラベルの認定を受けています。


アジア・大洋州

ベトナムの子どもたちにヘルメットを寄贈

ベトナムでは経済成長にともない交通量が増加し、なかでも二輪車は通勤、通学、業務など、市民の足として使われており、とくに朝夕のピーク時には無数の二輪車が走行しています。また、近年は四輪車の保有台数も増え始めるなど、交通安全は大きな社会的課題の一つになっています。ホンダベトナムカンパニー・リミテッドは、子どもたちにヘルメット着用の意識を高めてもらうことを目的に、教育訓練省と国家交通安全委員会と協力して、2023年度に全国の小学1 年生に180万個の認証済みヘルメットを寄贈するとともに、ホンダの正規販売店では児童と保護者の交通安全に関する知識向上プログラムの一連のイベントを開催しました。

この活動は2015年から継続して行われており、これまでに累計約840万個のヘルメットを寄贈しています。このプログラムでは、ベトナムの二輪車使用者にヘルメット着用習慣を身に付けてもらい、認証済みヘルメットの着用率100%をめざしています。

ベトナムの子どもたちにヘルメットを寄贈

本田財団が第1回交通安全サミットをパシッグ市で開催

本田財団 (HFI) とパシッグ市は、パシッグ・レインフォレスト・パークで初の交通安全サミット (RSS) を共同開催しました。このサミットは、地方自治体との連携を通じて社会の保護と福祉のために、道路利用者の交通安全意識と運転能力を向上させることを目的としています。

また、このサミットは、地域の人々が交通安全に関する実践的な知識を分かりやすく楽しく学ぶ機会となりました。

本田財団が第1回交通安全サミットをパシッグ市で開催

中国

広汽ホンダが「Safety China」活動を引き続き展開

広汽本田汽車有限公司は、2023年も引き続き各界と連携し、大学生やドライバーを対象とした交通安全教育の推進や、交通安全意識と安全運転技能の向上を目的とした「Safety China」活動を展開しました。11月1日には、江蘇省蘇州市で第4回交通安全イノベーションコンテストが開催され、2023年中国自動車安全・持続可能開発会議のサブフォーラムとしての役割も果たしました。同コンテストでは、学生たちが交通安全をより確実なものにするための独創的なアイデアや実践成果を発表しました。

さらに、広汽ホンダは、自社のジョイ・セーフティ・ドライビング・センターの専門施設を活用し、定期的にドライバーの安全運転技術と意識を効果的に向上させることを目的とする安全運転キャンプを開催しており、2023年にはメディアや車両ユーザーを対象とした同活動を計9回実施しました。

広汽ホンダが「Safety China」活動を引き続き展開

広汽ホンダ、子ども向け交通安全教育プロジェクトを拡充

2023年7月14日、広汽ホンダは福建省廈門市で「夢あふれる子どもたちの旅:子どもたちの交通安全体験展」を開催しました。このイベントでは、広汽ホンダのオリジナルアニメキャラクターである交通安全アンバサダー「童心ヒーロー」と人気キャラクターの「エンペラーキャット」が初めてタッグを組み、子どもたちが楽しく交通安全を学習する場を提供しました。また、両キャラクターのコラボレーションを祝う式典では、広汽ホンダが廈門市で「夢あふれる子どもたちの旅」のセレブリティディーラー2店を正式にオープンさせ、交通安全にテーマを絞った親子対話スペースを車両オーナーに提供することも発表されました。

2015年依頼、広汽ホンダは中国汽車技術研究中心(CARTAC)・各地の交通管理局・学校。ディーラー・地域コミュニティといった様々な機関・団体と協力し、子どもたちの交通安全教育の強化を図るための公共福祉活動に取り組んでいます。2023年には「夢あふれる子どもたちの旅」の教室を山西省と河南省にも拡大し、合計100回の授業が行われました。現在、「夢あふれる子どもたちの旅」のオンライン授業に中国全土で2億人以上が参加し、オフライン活動の参加者は18万人以上が参加しました。

広汽ホンダ、子ども向け交通安全教育プロジェクトを拡充

アフリカ

ナイジェリアでの子ども向け安全啓発キャンペーン

2023年、ホンダマニュファクチュアリングナイジェリア・リミテッドでは交通安全の取り組みとして安全啓発キャンペーンを実施し、オグン州オタ市の3校の小学校から、8歳~11歳の合計90人の児童が参加しました。

講習では児童たちに安全に関する座学を行い、そのなかで「安全第一」というキャンペーンスローガンを紹介しました。次に、自転車を使用した安全な乗り方の実技講習を行い、交通社会のさまざまな危険性と必要とされる注意点を説明しました。子どもたちが安全運転の習慣を身に付け、将来は地域社会の交通安全をリードしてくれることを願っています。

ナイジェリアでの子ども向け安全啓発キャンペーン