地球環境を守る活動
日本
八王子市上川の里での里地里山保全活動
Hondaは、1999年から継続して実施している森林保全活動に加え、2020年に八王子市と活動協定を締結し、上川の里特別緑地保全地区で里地里山保全活動を行っています。地域社会と共存できる豊かな自然と希少な動植物が生息するこの場所を未来に残すために、従業員やその家族が稲作や畑作、里山の除伐、植樹などを行うほか、次世代を担う子どもたちへの環境教室を開き、生物多様性の保全に貢献する取り組みを進めており、2024年度は年間10回の活動に合計約400人が参加しました。また、独自に実施した生物多様性調査では東京都のレッドデータブックに記載されているチョウ類が3種、トンボ類が6種確認されました。なお、収穫したお米や野菜は八王子市内のフードバンクに寄贈するなど、社会課題解決の一助になることをめざし活動しています。
全国のHondaグループで展開する「Hondaビーチクリーン活動」
2006年、Hondaは “ 素足で歩ける砂浜を次世代に残したい ”という想いから、砂浜の清掃活動「Hondaビーチクリーン活動」を開始しました。この活動では、沢山のごみが漂着した砂浜を「技術の力でなんとかしてきれいにできないか?」という想いで独自開発した、砂浜の生態系を傷つけずに清掃できるビーチクリーナーを使用しています。2024年は、全国 25ヵ所(23道府県)で活動を行い、約24tのごみを回収しました。また活動を支える技術進化に向けた取り組みとして、小型電動モビリティ「Honda Mobile Power Pack 4W-Vehicle Concept」をビーチクリーナーの牽引車として試験導入し、環境負荷の低減に関する検証を行いました。
Honda従業員やOBが始めたこの活動は、現在では全国のHondaグループや地域の皆様へ協力の輪が広がり、年間参加者は7,000人を超える活動へと発展しています。これまでに実施した活動回数は454回、回収したごみ総量は約567tにのぼります。
北米
青少年への教育とエンゲージメントを通じてグローバル目標「環境負荷ゼロ」の実現に貢献
ホンダカナダ財団は、子どもたちの自然を愛する心を育て、気候変動の懸念を前向きな行動に変えることを目指す子ども向け環境教育団体「Earth Rangers」を支援しています。会員プログラムやゲームアプリ、動物の生息地とその保護について学べる教育プログラムなどに対して資金提供を行い、次世代育成教育とエンゲージメントを通じて持続可能な未来づくりに貢献しています。他にも、環境との繋がりを深め、身近な生活の中での環境に優しい行動を若者に学ばせる「FortWhyte Alive」の「Hands-on Science Days」等に協賛しています。
また米国のHondaグループは、The Nature Conservancy(TNC)と連携し、環境保全活動の支援として総額82万5,000ドルの寄付を行いました。この費用はオハイオ州で展開される「Volunteer, Youth and Community Engagement」プログラムをはじめ、全米各地での環境保全活動に必要なリソースとして活用されています。
中南米
ブラジルの環境保全プログラム「La Basura Sirve」
ブラジルの二輪車及びパワープロダクツ生産拠点であるモトホンダ・ダ・アマゾニア(HDA)は、環境方針への取り組みを強化するため2万7,744ドルを投資し、従業員がサステナビリティ推進に参加できるよう、さまざまな活動を実施しました。その中でも注目される取り組みは、インタラクティブに学習を促すアプリを活用した環境クイズや、責任ある環境行動に関する講演です。さらに、従業員がHDAの環境管理プロセスをより深く学べるよう、廃水処理場や法定保護区「Km48 Project」への見学も行われました。
そのほかにも、工場周辺で清掃活動が実施され約2.1tのごみを回収しました。この活動を通じて、環境に関する責任意識の啓発を行うとともに、従業員全員の積極的な参加を促しました。
ペルーイキトス地域での従業員による清掃活動
ホンダ・デル・ペルー・エス・エーとその子会社であるホンダ・セルバ・デル・ペルー・エス・エーは、ごみの適切な管理や自然資源の保護の保全について地域住民の意識を高めることを目的に公共のビーチや川の清掃活動を行いました。ベレン地区を流れるイタヤ川の川岸にあるサンタ・ロサ桟橋で実施されたこの活動は、68人のボランティアが参加し、環境意識を高めるための重要な一歩となっています。この活動は、環境保全の重要性の促進と、持続可能な未来のための地域住民の連携強化につながっています。
欧州
スペインでのESG委員会
スペインのHondaグループは、バルセロナのサンタ・ペルペトゥアにあるガレックス農村地域で、ESG委員会の取り組みとして、エコオリエンテーションでは周囲の環境を楽しみながら環境とサステナビリティに関する課題を解決していくオリエンテーリングレースへの参加、巣箱作りワークショップと地域への設置に取り組みました。また、シードボムと呼ばれる植物の種子を土や粘土で包み、植物を再植林する際に自然に植物を育てるための栽培技術を取り入れた粘土団子作りワークショップの開催と地域への配布を行いました。
欧州のHondaグループが各地域の清掃活動を実施
ホンダ・モーター・ヨーロッパ・リミテッド(ドイツ)とホンダバンク・ゲー・エム・ベー・ハーはフランクフルトでクリーンアップデー(清掃活動)を実施し、26人の従業員が100kg以上のゴミを回収しました。また、オッフェンバッハにあるホンダ・モーター・ヨーロッパ・リミテッド(ドイチュラント)では、18人の従業員が港やマイン川の河川敷などで清掃活動を行いました。
この取り組みは今後も継続予定で、2025年は200kg以上のゴミの回収と60人の従業員参加(または関係する現地法人全体の30%の従業員参加)を目指しています。またドイツだけではなく、スペインやスイス、ベルギー、イタリア、フランスにある各現地法人にも参加を呼びかけて、欧州のHondaグループ一体となってサステナブルな活動に取り組んでいきます。
アジア・大洋州
パキスタンの独立77周年を祝した植樹活動
パキスタンの二輪車生産・販売合弁会社であるアトラスホンダ・リミテッドは、パキスタンの独立77周年を祝して10万本の植樹を行いました。この取り組みは、HondaのCO2排出削減計画に基づき、環境意識の向上と持続可能な未来への貢献を目的に地域社会や自治体と連携して全国各地で実施されました。苗木の選定においては、地域の気候や環境に適した在来種を選ぶことで、長くその土地に根付くよう配慮しています。これにより、都市化による影響の緩和やカーボンフットプリントの削減にもつながっています。
今後も植樹イベントやワークショップを通じて地域のつながりを深めるとともに、より緑豊かで持続可能なパキスタンの実現と次世代にレガシーを残していくために、自然資源の保全や環境保護の重要性を啓発していきます。
ニュージーランドの植林基金「Hondaツリーファンド」
「Hondaツリーファンド」は、2004年に本田宗一郎の理念に賛同して設立され、これまでにニュージーランド全土で75万本以上の植樹に貢献してきました。2018年には、Hondaのニュージーランド事業30周年を記念して過去最多の3万1,436本の植樹を行い、Trees That Countと連携して地域の植樹プロジェクトやイベントも支援しています。
近年特に重点的に取り組んできた取り組みが、カンタベリー地震後に危険区域に指定された地域の再生を目指す「カイアポイ再生プロジェクト」で、2019年から2021年までに合計1万5,500本を植樹し、2haに及ぶ再生緑地は、今では遊歩道と湿地帯が整備され、低地林の生態系も回復し、地域社会にとって貴重なレクリエーションの場となっています。
この他にもアティウクリークリージョナルパークやケリーズブッシュなど、絶滅危惧種の生息地や在来樹木が自生する地域の保護にも力を入れています。Hondaツリーファンドは、今後もニュージーランドの自然景観の守り、長期的な生物多様性の保護に努めていきます。
中国
深刻な砂漠化が進む内モンゴル自治区における長期植林活動
中国のHondaグループは、人口の急増や過放牧などを要因に深刻な砂漠化が進む内モンゴル自治区で、2008年から植林活動をおこなっています。この活動では「Creating a Green Future Together」をテーマに、森林面積の増加、水や土壌の損失の抑制、地域の生態環境の改善をめざしており、2024年で17年目になります。第4期(2023年~2027年)は、5年間で約333万㎡の植林を予定しており、 2024年は約7万本の苗木を植樹しました。これまでに累計6,500万元を投資しており、植樹した苗木は約207万本、緑化面積は1,566万6,745m²を超えています。
この長期的な取り組みにより、かつては砂漠化が進んでいた土地も、現在は緑豊かな土地へと変化をとげ、地域の持続可能な開発に寄与する「緑の壁」として機能しています。
小学生による環境保護イノベーションコンテスト
中国の四輪車生産販売合弁会社である東風本田汽車有限公司は、環境保全の啓発を目的に、小中学生が環境に関する創作作品を発表するコンテストを実施しています。これまでに9回開催されたこのコンテストには、3,000人以上の子どもたちの応募があり、220人以上のボランティアも参加しました。