地球環境を守る活動
日本
八王子市上川の里での里地里山保全活動
Honda は、1999年から継続して実施している森林保全活動に加え、2020年に八王子市と活動協定を締結し、上川の里特別緑地保全地区で里地里山保全活動を行っています。
地域社会と共存できる豊かな自然と希少な動植物が生息するこの場所を未来に残すために、従業員やその家族が稲作や畑作、里山の除伐、植樹などを行うほか、次世代を担う子どもたちへの環境教室を開き、生物多様性の保全に貢献する取り組みを進めており、2023年度は年間9回の活動に合計約300人が参加しました。また、独自に実施した生物多様性調査では東京都のレッドデータブックに記載されているチョウ類が3種、トンボ類が6種確認されました。なお、収穫したお米や野菜は八王子市内のフードバンクに寄贈するなど、社会課題解決の一助になることをめざし活動しています。
ビーチクリーン活動
2006年、Hondaは “素足で歩ける砂浜を次世代に残したい”という想いから、「Hondaビーチクリーン活動」という砂浜の清掃活動をはじめました。
2023年はHondaが創立75周年を迎えた年でもあり、これまでご協力いただいた地域の皆さまへ感謝の気持ちを込めて、ゴミ拾いにスポーツ要素を取り入れた「スポGOMI」を初めて開催。通常のビーチクリーン活動と合わせて全国各地で計23回実施しました。
Honda従業員やOBで始めたこの環境保全活動は、現在では全国のHondaグループや地域の皆様へと協力の輪が広がっており、年間7,000人を超える参加者が集まる大規模な社会奉仕活動へと発展しています。これまでに全国各地の砂浜で実施した活動回数は延べ429回、総量約542tのゴミが回収されました。
北米
北米Hondaグループ各社が青少年向けの環境リーダーシップ育成プログラムを支援
北米のHondaグループ各社は、2050年までにカーボンニュートラルを実現させるために環境負荷の削減努力に邁進するというHondaのビジョンに賛同しており、若者の環境への意識と理解の向上が変革を加速させるとの共通認識のもと、この地域の青少年に環境教育を提供する団体と連携して、持続可能性、再生可能エネルギー、エネルギー効率、生態系の回復力や気候変動等を主題にした次世代環境リーダー育成プロブラムに取り組んでいます。
米国のHondaグループとホンダ ユーエスエー財団は、Hondaが事業拠点を置く10州で、長年パートナーシップを組む自然保護団体「ザ・ネイチャー・コンサーヴァンシー」が展開する、持続可能な未来を見据えた環境教育や自然保護活動に青少年の参加を促すプロジェクトを支援しています。
ホンダ カナダ財団は、「Earth Rangers National School Assembly Program」や 「Be the Change Earth Alliance Society」を支援しており、環境教育プログラムを教師と生徒に直接または地元の学校を通じて提供している。他にも、環境との繋がりを深め、実生活で取れる環境に優しい行動を若者に実践的に学ばせる「FortWhyte Alive」の「Hands-on Science Days」や「The Gaia Project」等に協賛しています。
さらに、北米のHondaグループ、文化・経済・地理的な違いや人材・技能面の格差によって疎外された地域の若者の多様な学習スタイルに対応し、彼らにより多くの成長機会を与える仮想教育環境を整えることにも注力しています。
中南米
より良い未来のための「La Basura Sirve」プログラム
「La Basura Sirve」は、カンパナ、サラテとリマの公立小学校の教師と生徒を対象に、環境保全の重要性に対する意識を高め、持続可能性について学ぶ機会を提供することで、一人ひとりの日々の行動に変化をもたらし、子どもたちにより良い未来を保証することを目的とした活動です。
これらの活動には、国連の「持続可能な開発目標 (SDGs) 」で取り上げられているテーマに焦点を当てたワークショップや楽しいイベントなどが含まれます。このプログラムは、教師と経営陣のためのトレーニング・セッションから始まり、2023年には「Garbage is Good Program」へと拡大してきました。
「Grupo AcercaRSE」は、地域社会の持続可能な発展のために共同で取り組む18の組織で構成されています。同グループは、価値の創出、官民連携の推進や持続可能な社会の実現に向けた貢献への地域住民の関わりを深めるための活動に取り組んでいます。
「Semeando Sonhos(夢の種まき)」:食用油の回収
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ(HAB)が立ち上げた「Semeando Sonhos」プロジェクトは、地元のリサイクル業者に使用済み食用油を提供する活動としてイチラピーナ工場周辺地域の廃物再利用の促進に寄与しています。
2019年にHAB社員が自宅で使い終わった食用油を会社周辺に設置された回収場所に自発的に持ち寄ることから始まったこのプロジェクトは、回収範囲をその後HABの社内食堂や市内の学校で使った食用油にも広げるようになりました。
HABは、使用済み食用油の回収機を寄贈する他、周辺地域の生徒、教師とそれぞれの家族を対象にした講義や娯楽イベントを通じて食用油の不適切な廃棄による環境への悪影響と同プロジェクトの重要性について訴求する啓発キャンペーンも実施しています。
また、使用済み食用油の回収を促し、その労に報いる表彰イベントとして開催した学校対抗コンテストには1,880人以上の生徒が参加し、最も貢献度が高かった2チームがHABの工場見学に招待されました。
この施策は、これまでに何百人もの子どもやティーンエイジャーたちに好影響を与え、2,463リットルの使用済み食用油を回収し、環境意識、環境の持続可能性ならびにHAB/従業員/地域社会の連携の向上に繋がっています。
欧州
HBG-DEの従業員、フランクフルトのイーストパークで2日間にわたってゴミ拾いボランティア活動に参加
NHCチームとHBG-DE従業員で構成する20名のボランティアグループは、2023年5月24日と6月14日の両日2時間かけて、環境負荷の軽減を目的としたHondaの社会奉仕活動の一環として、フランクフルトのイーストパークのゴミ拾いを行いました。
今回の清掃活動に参加したHBG-DE従業員の大半は、健康的な暮らしの実現、廃棄プラスチックや有害物質による汚染のない環境づくり、ならびに地下水汚染の削減に貢献するこの活動について、次回の活動にも参加する意向を示しています。HBG-DEは、ゴミ拾い用のハサミと飲料水の購入費、食堂でボランティアたちに振舞ったピザ代の合計230ユーロを提供しました。そのうち、ゴミ拾い用のハサミは次回以降の同活動にも再利用される予定です。
今回の活動で拾ったゴミの総重量は約50キログラムに達しました。その多くは、環境や人に有害な小さなゴミで、その中には約500本のたばこの吸い殻が含まれていました。たばこ1本の吸い殻で40~60Lの地下水が汚染されると言われていることを考えると、今回の活動で約25,000Lの地下水を保護することができ、非常に大きな成果を上げたと言えます。
ホンダイタリアインダストリアーレ、イタリアで溶剤回収・再生利用システムを設置
ホンダイタリアインダストリアーレでは、これまで塗装区域で使用した大量の洗浄溶剤(シンナー)と使用済み塗料を高いコストをかけて外部の工場に輸送し処理していました。そこで同社のエネルギー・環境部および塗装部は、廃棄物とコストの削減を同時に図るため、蒸留器を使った溶剤回収・再生利用プロジェクトを立ち上げることにしました。
このプロジェクトで使用する蒸留器は、簡単な工程を通じて、これまで廃棄していた脱脂用と洗浄用の使用済み溶剤を蒸留します。この工程で凝縮した溶剤は回収され、再利用できるように処理します。処理済み溶剤は蒸留工程を経た後も、その元の特性が変わらないため、何でも繰り返し再利用できます。
2023年4月に溶剤回収装置の設置作業から始まったこのプロジェクトは2024年2月に完成することを目指しており、完成した溶剤回収・再生利用システムが本格稼働すると、年間45トンの廃棄物の削減と40トンの溶剤回収が可能になると期待されています。
アジア・大洋州
Honda Khiang Khang Thai Fund、ナーン川流域の水資源開発プロジェクトの最新の成果を発表
ホンダタイ基金のHonda Khiang Khang Thai Fund(HKKT)は、タイ王室が支援するウトカパット財団と共同で進めてきた、ナーン川流域水資源開発プロジェクトの最新成果を発表しました。
7年目に入ったこのプロジェクトは、貯水能力を14万4,825m³分増やすことに成功しました。この増加分は7,643ライ(約1,223万m²)の農地に必要な農業用水量に相当します。その結果、ナーン流域の5つの地区(ナーン県およびピッサヌローク県)で暮らす2,198世帯(5,914人)が年間を通して生活用水と飲用水の確保に困らず、農業用水の備蓄までできるようになりました。これらの地域は、水資源を持続可能な状態で体系的に管理することに成功したモデルケースとなっています。
台湾での外来植物種の除去
本田台湾は、陽明山国家公園の外来植物種を除去し、在来植物と台湾の自然環境を保護するためのイベントを開催しました。同社の管理職と従業員の共同作業により、このイベント活動期間中に合計242キログラムの外来植物種が除去されました。
中国
内モンゴル自治区における長期植林活動とマングローブ生体保護プロジェクト
中国のHondaグループは、2008年から内モンゴル自治区において植林活動を継続して行い、これまで約6,500万元をかけて約1,500万m²以上の面積に200万本の植樹を行いました。同プロジェクトは過去3期15年にわたって実施されていますが、2023年に開始した第4期では、森林面積の増加、水や土壌の損失の抑制、地域環境の改善をめざし、5年間で約333万m²の植林を予定しています。また、地方、さらには華北地域の持続可能な開発に寄与していきます。
加えて広汽本田汽車有限公司は、2023年に「SEE Foundation」と協力し、マングローブ生態保護プロジェクトを開始しました。2023~2027年の最初の5年間は、海南省文昌市と広東省湛江市を中心に、1,800ムー(約120万m²)以上のマングローブを保護する予定です。
東風ホンダ、植林プロジェクト「Yue Blue Sky」を開始
3月12日、湖北省武漢市新州区の将軍山で植林プロジェクト「Yue Blue Sky」の発足式を開催しました。
このプロジェクトは、東風ホンダによって始動され、将軍山の森林をカーボンニュートラルにすることを目標にし、電動化への本格的転換を加速させることを目的としています。これは、中国の脱炭素政策として知られる「ダブルカーボン(双炭)宣言」の実現に貢献する東風ホンダ独自の質の高い戦略的活動で、2030年までにCO2排出量を減少に転じさせ、2060年までに排出量ゼロを目指しています。
発足式の後、東風ホンダのバリューチェーンにおける各サプライヤーや、関連団体を代表する160名以上の来賓が現地で500本のアブラツバキの苗木を植え、将軍山に緑の希望をもたらしました。