カーボンニュートラル・クリーンエネルギー
2050年カーボンニュートラルに向けたロードマップ
マテリアリティ達成に向けた主要施策とマイルストーン
Hondaは4つのマテリアリティ達成に向けて、優先的な実行施策として製品使用のCO₂排出削減と企業活動のCO₂排出削減に取り組み、
長期的な負荷低減施策として上流・下流のCO₂排出削減と自然に根ざした解決策に取り組んでいます。
優先的な実行施策については、主要施策に分類し、より具体的な取り組みにつながる施策に細分化して、
2031年3期目標値を設定し進捗管理を行っています。
具体的には、各事業領域の個別の製品群についてのCO₂排出や、各々の製品工場や製造設備のCO₂排出を積み上げ、
製品・工場ごとのCO₂排出削減量の把握につなげています。
長期的な負荷低減施策については、カーボンニュートラルの実現に向けてHondaとして既存の枠組みを超えた新たな事業の
取り組みが必要となる施策もあり、2050年の達成に向けてさまざまな仕込みを行っている段階です。
また、社会全体におけるカーボンニュートラルを実現するために、モビリティの電動化に加えて、多角的なアプローチでチャレンジをしています。
製品CO₂排出総量削減の計画
製品使用のCO₂排出量割合(製品別)
Hondaは優先的な実行施策の取り組みにおいて、全事業領域CO₂排出総量の削減計画を設定しています。事業ごとに計画している施策を導入したときのCO₂排出量を積み上げ、削減計画を策定し、それを束ねて全事業のCO₂排出総量の削減計画としています。CO₂排出の削減計画は、マイルストーンに掲げた実行施策とすべて連鎖しており、これら全事業領域での取り組みを推し進めることで達成していきます。
四輪事業では、2040年までに電動製品販売比率100%を目指しており、2040年における製品使用(Tank-to-Wheel)のCO₂排出はゼロ化が可能となる見込みです。
2050年のカーボンニュートラルの達成に向けては、2040年に残るCO₂排出を削減していくために、長期的な負荷低減施策として革新技術開発や事業領域拡大に向けた仕込みも行っています。
四輪製品のCO₂排出総量 削減計画
カーボンニュートラル・クリーンエネルギー
Hondaは、総合モビリティカンパニーとして、GHG排出量削減の取り組みを積極的に推進するために、全世界での企業活動のGHG排出量を算定・開示することが必要と考えています。そのために世界で最も広く利用されているGHG算定基準である「GHG プロトコル」※1に従って、Hondaに関わるサプライチェーン全体でのGHG排出量を算定し、GHG排出量をCO₂排出量に換算して2012年より開示しています。
2024年3月期のHondaのGHG排出量は、全世界トータルで2億7,000万t-CO₂eを超えています。製品使用のCO₂排出量に当たるスコープ3 カテゴリー11が約8割を占めています。また企業活動による直接排出である「スコープ1」と、エネルギー利用による間接排出である「スコープ2」、および資源の採掘などの上流工程でのCO₂排出と資源の廃棄などに関わる下流工程でのCO₂排出に当たる「スコープ3 その他のカテゴリー」の3種が残りの2割に相当します。
2050年CO₂排出量の実質ゼロの達成に向けては、影響度の大きい製品使用CO₂排出(スコープ3 カテゴリー11)と、自社企業活動の責任領域である企業活動CO₂排出(スコープ1・2)の削減をマイルストーンに設定して優先的に推進しています。
GHG排出総量の推移 スコープ1・2・3
- GHGプロトコル:The Greenhouse Gas Protocol(温室効果ガスプロトコル)の略。WBCSD(World Business Council for Sustainable Development:持続可能な開発のための世界経済人会議)とWRI(World Resources Institute:世界資源研究所)が主体となって策定。
- スコープ3・その他のカテゴリー(カテゴリー1)の算出条件を2023年3月期より、一部変更しています。
- スコープ3・カテゴリー11について、2021年3月期まではIEA SMP Modelで、2022年3月期からは、IEA Mobility Model(MoMo)で集計しています。また、2023年3月期より、一部算出条件を変更しています。