モビリティリゾートもてぎが30by30目標達成に向けた生物多様性保全の認定取得

~環境省が定める「自然共生サイト」に認定~

 本日、Hondaが所有するモビリティリゾートもてぎ(栃木県)の敷地が、環境省の定める生物多様性の保全区域「自然共生サイト」として認定されました。
 Hondaは、環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に2022年4月より参画しており、Hondaの所有する敷地が自然共生サイトとして認定されたのは今回が初めてとなります。

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 「30by30」は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する国際的な目標として、2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締結国会議(COP15)で採択されました。日本においては、30by30目標の国内達成に向けた仕組みの構築を目指し、環境省主導で「生物多様性のための30by30アライアンス」を設立し、自然共生サイトの認定を進めています。
 自然共生サイトは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定するものであり、認定区域はOECM※1として国際データベースに登録されます。

 モビリティリゾートもてぎは、自然豊かな栃木県の茂木町に位置し、長期に渡り環境保全活動や人と自然の共生を目指した次世代育成活動を行ってきました。今回、こうした取り組みの実績が評価され、モビリティリゾートもてぎの森林の415.1haが、自然共生サイトとして認定されました。

Other Effective area-based Conservation Measuresの略。民間等の取り組みにより保全が図られている地域や、保全を目的としない管理が結果として自然環境を守ることにも貢献している地域

モビリティリゾートもてぎでの生物多様性への取り組み

 モビリティリゾートもてぎは、サーキットのみならず自然体験施設や安全運転普及施設を備えるモビリティテーマパークで、1997年の開業以来、人と自然とモビリティの共生をテーマに環境と調和した企業活動を行ってきました。サーキットを取り囲む森は、全敷地およそ640haの内の約7割を占め、そこで現在確認されている生物種数は約5,800種にのぼります。この中にはゲンゴロウなどの希少種も多数含まれおり、こうした自然や生物の保全活動に取り組んでいます。
 開業前は管理が行き届いていない雑木林や田んぼであった土地を、木を切り森に光を取り込むことで環境改善を図ったり、棚田の水辺の再生を行い、無農薬での稲作を行うことで、絶滅が危惧されているハッチョウトンボの保護を行ってきたりしました。また、「環境改善は減らすことだけではなく、作ることも行う」という考えのもと、伐採などにより林内密度を減らし光や風を取り込むだけではなく、生き物たちのすみかを作るなど、多様な環境づくりも行っています。

モビリティリゾートもてぎ(空からの写真)
モビリティリゾートもてぎ(空からの写真)
モビリティリゾートもてぎで確認されたハッチョウトンボ
モビリティリゾートもてぎで確認されたハッチョウトンボ

 さらに、持続的な森づくりのために、森林調査やモニタリング調査、森づくりに関わる「人」を育む「森づくりワークショップ」の開催などを行っています。

■森林調査・モニタリング調査

 モビリティリゾートもてぎでは、毎木調査※2を行っており、エリアごとの樹木の特徴を記録しています。短期間で森を循環させるため、毎年300~800本の木を伐採しており、伐採木はキャンプで使用する薪や炭、工作素材などとして利用する一方、切り株からは新たな芽を育て、持続的な森の成長に取り組んでいます。また、環境省が実施する「モニタリングサイト1000里地調査※3」に参画しており、チョウ類・カエル類・ホタル類・鳥類・植物相・中・大型哺乳類の調査も続けています。

※2 1ha程度の調査区内に生育している樹木のうち、胸高周囲長が15cm以上の幹を対象として、胸高周囲長、種名、位置を記録する調査

※3 生物多様性の保全を目的に、環境省が全国1,000か所以上の調査サイトで行うモニタリング調査

■ハローウッズにおける「人と自然の共生」

 モビリティリゾートもてぎ内の自然体験施設「ハローウッズ」では、自然豊かな里山に囲まれた環境を生かし、自然とのふれあいを通じた「遊びと学びの場」として、次世代の育成支援活動および地域環境保全活動を行っています。
 次世代育成の一環として、2002年より実施している「ガキ大将の森キャンプ」では、小中学生に自然の中で30泊31日を過ごす機会を提供し、火おこしや昆虫学習、バイク走行などを通じて、生体リズムを整え、生き抜く力を身につけていただくことを目指しています。また、日本体育大学と共同で「子どものからだと心の健康調査」を実施しており、キャンプを中心とする自然体験活動が子どもの身体と心にもたらす効果を計っています。

生き物の隠れ家になる伐採木で作る生命の塔
生き物の隠れ家になる伐採木で作る生命の塔
ガキ大将の森キャンプの様子
ガキ大将の森キャンプの様子

Hondaの生物多様性への取り組み

 Hondaは、自社の企業活動が生物多様性に影響を及ぼす可能性があることを認識し、1960年代からその保全につながる活動に力を入れてきました。当時から工場での植林活動や工業用水の循環利用を行うとともに、1976年には各事業所において「ふるさとの森」づくり活動※4を開始しました。

 2011年には「Honda生物多様性ガイドライン」を制定し、生物多様性と企業活動の調和を図っていくことを基本的な考えと定め、世界各地でさまざまな環境保全活動に取り組んでいます。

 Hondaは豊かな自然、クリーンな海、全ての人の安全、子供たちが自由に夢を叶える未来、みんなが暮らしやすい社会など、夢のある明日の社会づくりを目指しています。今後も、豊かな暮らしを次世代につなげる活動に取り組んでいきます。

※4 国内工場や研究所などの事業所において敷地内にそれぞれの地域の植生にあった樹木を植えて育てる活動

モビリティリゾートもてぎ 自然共生サイト概要

サイト名称

モビリティリゾートもてぎ

サイト住所

栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1

サイト面積

415.1ha

統治責任者名

本田技研工業株式会社

管理責任者名

ホンダモビリティランド株式会社

連携団体

フマキラー株式会社・宇都宮大学・栃木県林業センター:イノシシ被害対策、生態・感染症調査や防除策の考案、
実験、捕獲・駆除実施
 

日本体育大学:子どものからだと心 研究調査

年間の管理期間

通年

管理開始年

1997年

参考情報

Honda環境ウェブサイト
https://global.honda/jp/environment/hoteyes/hoteyes244.html

Honda ESG Data Book 2023
https://global.honda/jp/sustainability/report/

Honda Stories:もてぎの里山で育む、森の元気と子どもの元気
~養老孟司×野井真吾×﨑野隆一郎 ハローウッズ座談会~
https://global.honda/jp/stories/056/