
運転中に前方から目を離し、視線が別のところに向けられ、そちらに気を取られている状態のことです。
脇見運転は、たとえ短い時間でも危険です。一般的には約2秒前方から目を離すと危険と言われており、仮に時速40kmで走っていたとすると、1秒間で11m進むので、2秒で22mもクルマは進んでしまいます。その間、周囲のことを把握していないわけですから、目をつぶって運転しているのと同じです。
あなたは2秒間、目をつぶって運転できますか?脇見はそれほど怖くて危険な運転行為なのです。
人の目に情報が入ってから、反応してブレーキを踏むまでには時間がかかります。この間にクルマが進む距離が空走距離です。脇見運転をすると、危険の発見が遅れるため、さらに事故の可能性が高まります。
ブレーキを踏んでからも、クルマはすぐに止まれません。ブレーキが効いて停止するまでにクルマが進む距離が制動距離です。雨や雪などで路面が滑りやすい状態だと、タイヤが滑り、制動距離が長くなります。
人の目に情報が入ってからクルマが完全に停止するまでに進む距離が停止距離です。人の目に情報が入ってからクルマが完全に停止するまでに進む距離が停止距離です。脇見運転をすると、危険に気づくのが遅れ、この距離がさらに長くなります。
気づきを遅らせる脇見運転がいかに危ないかがわかります。
クルマを運転していると、自転車やこどもが飛び出すなど、ハッとすることがあるものです。そのようなとき脇見運転をしていたら、周囲を見ずに目をつぶっているのと同じですから、ハッとすることもなく重大事故を引き起こすことになります。
注意しないと、クルマは便利で楽しい乗りものから危険な乗りものに変わります。そういう自覚が薄れているから脇見をするのです。
近年の事故統計では、法令違反別での「安全運転義務違反」が圧倒的に多い状態です。
そして、そのなかでも「脇見運転」は上昇傾向にあります。
漫然運転 : 運転中に集中力が低下し、周囲の状況を的確に把握できていない状態
安全不確認 : 運転中に安全確認を行わず、周囲の状況を認識できない、あるいは周囲の状況の発見が遅れること
運転操作不適 : 運転中に操作を誤ること
誰もが脇見運転はいけないことは知っています。脇見運転が、重大な事故につながる行為であると自覚し、道路交通以外の景色や建物を注視しない、ナビゲーションやスマートフォンを操作したくても操作しない(さわらない)、ながら運転をしないようにすることが対策です。
特にこどもの通行が多くなる14~18時、そしてゾーン30のエリア内では、さらなる注意が必要です。場合によっては、このような時間や場所を避けての運転も必要です。
「前を見ずに運転してください」と言われて
あなたは実行できますか?
「ながら運転」で脇見をすることは
それを実行しているということです。