SCENE 75早朝の交差点見通しの悪い交差点を通過しようとしています。
早朝、あなたはバイクで最寄りの駅に向かっています。
辺りはまだ暗く、交通量は少なめです。
信号がない交差点で一時停止して、
目視とカーブミラーで左右の確認をしています。
左側から来た白い車が通過してから
交差点を通過しようと思います。
この時、あなたは何に注意しますか?
交通量が少ない早朝でも油断せず、
確実に一時停止し、左右を確認する!問題の場面をよく見ると、カーブミラーに無灯火車両がかすかに見えていました。また、犬を散歩させている女性が左側を見て立ち止まっていることから車両が来ていることが予測できるため、その通過を待ってから発進する必要がありました。早朝は交通量と比例して事故も少ないと思いがちですが、2020年に市街地の交差点(信号なし)で起きた事故件数を時間帯別で見ると、8〜10時が1万942件と最も多いものの、6〜8時も7,141件起きています。早朝でも通勤や通学の人、ジョギングや散歩をする人も少なくありません。朝早いから、「車は来ないだろう」「歩行者はいないだろう」と思い込まないようにしましょう。
また、朝は車やバイクの運転者に限らず、自転車利用者や歩行者も急いでいることが多いため事故が起きやすい時間帯とも言えます。早朝でも油断せず、しっかり一時停止し、慎重に左右を確認するようにしましょう。
(資料=交通事故総合分析センター)
早朝や薄暮時は無灯火車両の存在に注意。
カーブミラーだけでなく、必ず目視も行う。早朝、日が昇り始めると辺りが少しずつ明るくなるため、ライトを点けずに走行する車両も存在します。早朝や夕方はライトを点灯している車と無灯火車両が混在していることを意識して走るようにしましょう。とくにカーブミラーでは、無灯火やスモールランプのみで走行している車は見落とす危険性が高いため、必ず目視で左右を十分確認することが大切です。
なお、道交法では、車両等は日没から日の出までの夜間は、ヘッドライト等の灯火を点けなければならないと規定されています。日没前や日の出直後も周囲が薄暗いことが多いため、自分の視界を確保するとともに、周囲に自分の存在を知らせるためにも必ずヘッドライトを点けることが大切です。バイクの場合、基本的に常時点灯するようになっていますが、四輪車でオートライト(自動点灯)機能が付いていない場合、自分の意思で点灯する必要があるため、日没前や日の出直後の点け忘れには十分注意しましょう。
見通しが悪い交差点では、目視できる位置まで
少しずつ車両を進め、相手に気づかせることも重要。目視は重要ですが、見通しの悪い交差点では、まず停止線の手前でしっかり停止することが大切です。見通しが悪いと、つい目視できる位置まで一気に車両を進めてしまいがちですが、そうすると交差道路を走る車両や自転車と接触や衝突する可能性があります。また、車を進めながら左右を確認する人もいますが、片側を目視している間に逆から車両や歩行者が来ていると、対処が遅れてしまいます。とくに道路の端(手前側)を通行しているバイクや自転車、歩行者はその危険性が高くなります。
停止線で止まったまま、身体を少し前に乗り出しながら車両や歩行者がいないかしっかり右、左、右と確認します。それから目視できる位置までゆっくり少しずつ前進して、交差道路の車両や歩行者に車両の先端を見せるようにします。そうすれば、先に相手がこちらの存在に気づき、減速等の対処により事故が回避できる可能性が高くなります。相手の走行音やクラクションに気づくことができるように、ラジオや音楽の音を抑えておくことも重要です。
交差道路を走行する車からの視点上は交差道路を走る車から見たもので、右側の路地からライトを点けたバイクが出てきています。車側には一時停止の規制がないため、優先意識からこのまま注意せずに走行しがちですが、バイクが不用意に出てくる可能性を予測しておく必要があります。バイクの運転者の顔は見えていないため、こちらをしっかり目視して確認していない可能性があるからです。バイクの運転者がこちらを見落としていることや、たとえ気づいていても急ぐあまり無理に出てくる危険性もあります。相手が出てくる可能性を考えて、速度を落として、さまざまは視点から危険を予測して運転することが大切です。
また、車側にも事故につながる大きな誘因があります。ライトを点灯せずに走行している点です。今回のような早朝や夕方の薄暮時は周囲が多少明るいため、無灯火やスモールランプのみで走行している人が少なくありませんが、それは危険です。ライトは前方を照らすだけでなく、周囲の車両や歩行者に自分の存在に気づいてもらう役目もあります。とくに見通しの悪い交差点が多い住宅街では、必ずヘッドライトを点灯し、相手側に自分の存在をしっかりアピールするようにしましょう。