SCENE 64市街地のバス通り停留所で止まったバスを追い越そうとしています。
あなたは片側1車線の道で
停留所で止まったバスを追い越そうとしています。
対向車が手前で停止してパッシングしてくれたので、
バスを追い越そうと思います。
この時、あなたは何に注意しますか?
バスの追い越しが難しい、片側1車線の道。
後続車が続いても、慌てて追い越さない!
片側1車線の道で対向車が多いと、停留所に止まったバスを追い越すのが難しく、イライラしたり、後続車からのプレッシャーを感じることが少なくありません。しかし、バスを追い越すには、対向車の有無はもちろん、対向車との距離、対向車の速度などを正確に判断することが大切で、後続車が続いているからと焦って追い越そうとするのは危険です。
また、バスを追い越そうと対向車線ばかり見てしまいがちですが、その間にバスが発進することもあります。道路交通法31条の2で、「バスが発進するため進路を変更しようと合図をした場合、後方の車両はバスの進路変更を妨げてはいけない」と決められているので、バスが右ウインカーを出したら、すみやかに追い越しを諦めることも大切です。乗降客が少ないバス停では、停止したバスがすぐに発進することもあるので、バスの動きにも十分注意しておきましょう。
バスを追い越す際は、対向車以外に
横断歩行者や路地から出る車にも注意!
停留所に止まったバスを追い越そうとすると、対向車線の状況ばかり注意しがちですが、バスから降りた乗客やバスに乗ろうとする人が道路を横断することもあるので注意が必要です。とくに降りた乗客がバスの前方から道路を横断する場合、バスの車体が死角となって横断する人が直前まで見えないので危険です。バスの側方を通過し、バスの前方に出る際には徐行することが大切です。
さらに注意したいのが、今回のような路地から右左折してくる車の存在です。バスを追い越す際は対向車線ばかり注意し、左右にある路地の存在、さらにそこから右左折してくる車のことまで注意が及ばないものです。一方、右左折してくる車のドライバーも、バスを追い越すため反対車線を逆走してくる車のことは想像しづらいので、お互い注意しないまま進行して、事故に至ってしまいます。
問題の場面で右前方の路地から水色の車が出てきていることを見落とさず、その車の動きに注意するようにしましょう。
対向車がパッシングしても、慎重に追い越す。
後続車の二重追い越しにも注意!
今回、対向車が停止してパッシングしました。対向車がパッシングしてくれると「譲ってくれた」と思って安心して追い越してしまいがちですが、今回のように右側の路地から車が出ようとしている場合、対向車はその車に対してパッシングした可能性もあります。対向車のパッシングが自分に対してなのか、路地から出てきた車に対してなのかをよく考えて、慎重に追い越す必要があります。
今回のようにすでに追い越しを始めたあとで、路地から車が出てきた場合、早めにクラクションで相手に注意を促すようにします。
また、後続車がバスを追い越す際に、自分の車とバスをいっしょに追い越してくることもあるので、ルームミラーやサイドミラーで後方の車両の動きも注意することが大切です。
路地から出てくる車からの視点
上の絵は路地から左折して出ようとしているドライバーから見たものです。右側から来た車がパッシングしているので道を譲ってくれたと思いがちですが、今回の状況では注意が必要です。左側には停留所があり、バスが停止しています。バスの後ろを走っている車がバスを追い越そうとしている可能性があり、右側の車はその車にパッシングした可能性があるからです。目と目を合わせて相手の意思を確認する“アイコンタクト”を取り、自分に対してパッシングして道を譲ってくれたのか、しっかり確かめることが大切です。
なお、左折して道に出る場合、車両が来る右側ばかり注意しがちですが、左側から歩行者や自転車が来ることもあるので、左右をしっかり目視してから出るようにしましょう。