アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト支援
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INTRODUCTION

おかえり!高専ロボコンが
聖地「両国国技館」へ2年ぶりに帰ってきた!

通称“高専ロボコン”、正式名称「アイデア対決・全国高等専門学校 ロボットコンテスト」は、学生に”発想することの大切さ” ”ものづくりの素晴らしさ”を共有してもらう場として1988年に始まった伝統ある競技大会。全国大会は両国国技館で行われ、テレビ中継もされる高専生の晴れ舞台。2021年は地方予選こそオンライン開催であったが、新型コロナウイルス感染状況も落ち着いてきたため、全国大会は念願のリアル開催となった。

Hondaは、次世代を担うエンジニアたちのモノづくりへの情熱とチャレンジを全力で応援し、2002年から高専ロボコンに協賛。大会では従業員が特別賞審査員を務め、独創的な工夫や知恵が光るチームに「Honda賞」を贈呈している。

11月28日、各地区での激戦を勝ち上がってきた強豪チームが、2年越しに両国国技館に集結。日本のものづくりの未来を担う高専生たちの作品が会場を沸かせた!

競技課題は「超絶機巧(すごロボ)」
大きな感動を巻き起こせ!

高専ロボコンは、例年「競技課題」と「テーマ」が与えられることが特徴。しかし、昨年同様コロナ禍で開催される今年は、テーマはあえて自由、競技課題のみが与えられる形式に。2021年の競技課題は「超絶機巧(すごロボ)」。「『すごい!技のロボット』を制作して、感動を巻き起してほしい」という大会からのオーダーに対し、 何を「すごい」と捉えるか。テーマを考えるところから高専生達の挑戦は始まった。

なんでもありだからこそ難しい「すご技」

「すごい!」と思ってもらえるパフォーマンスをどうやって魅せるのか。こだわりの技術か、視点か、新しい技か。8m四方のフィールドの中で行われる、1チームセッティング込み2分30秒の1本勝負。小道具OK、ロボットは3台までという自由度が高いルールに、繰り広げられるパフォーマンスは多種多様!

ロボットもメンバーの一員
表現の幅が広がったパフォーマンス!

「ゴミの回収」をテーマに社会課題に焦点を当てたチームや、「箸を割る」動作から着想を得たエンターテイメント性の高いチームまで、高専生ならではの自由な発想に満ちた作品が目白押し。

ロボットと一緒にパフォーマンスを行うチームが多かった本大会は、高専生も観客も熱かった。練習環境と異なる状況で「想定通りにロボットは動くのか」というプレッシャーに耐えながら、「成果を100%出し切る!」と奮闘する高専生。加えて観客の「成功してくれ!」と祈る気持ちが混ざり合い、会場は大いに盛り上がった。

AWARD

Honda賞受賞! 鈴鹿工業高専
完全自動制御と発射精度が自慢の2台のロボット

ロボット名:プロジェクトS

回収ポット(右奥)、発射ロボット(右下)の2台。
12台のレーザーセンサーでペットボトルを検出し、2本のアームがなめらかに回収。
安定感が高い機体。1秒間に2万回のモーター制御を行い、装填から射出までを行う。
回収ポット(右奥)、発射ロボット(右下)の2台。
12台のレーザーセンサーでペットボトルを検出し、2本のアームがなめらかに回収。
安定感が高い機体。1秒間に2万回のモーター制御を行い、装填から射出までを行う。
回収ポット(右奥)、発射ロボット(右下)の2台。
12台のレーザーセンサーでペットボトルを検出し、2本のアームがなめらかに回収。
安定感が高い機体。1秒間に2万回のモーター制御を行い、装填から射出までを行う。
回収ポット(右奥)、発射ロボット(右下)の2台。
12台のレーザーセンサーでペットボトルを検出し、2本のアームがなめらかに回収。
安定感が高い機体。1秒間に2万回のモーター制御を行い、装填から射出までを行う。
ペットボトルをごみ箱に捨てる2台のロボットを制作した鈴鹿工業高専「プロジェクトS」。

1台は約6m離れた場所にあるごみ箱へペットボトルを投げ入れる発射ロボット。発射精度の誤差は1%以下という正確さで、本番でもロボットにセットされたペットボトルを次々とペットボトル専用の「口が狭いごみ箱」に投入!

もう1台は地面に落ちているペットボトルをレーザーセンサーで探索し、見つけたら拾い上げてごみ箱へ捨てにいく回収ロボット。

本番では一度拾い上げるのに失敗してしまったが、回収ロボットはペットボトルの回収を諦めずに続け、ふたたび地面を探して落ちているペットボトルを発見。今度はしっかりと2本のアームで挟み込み、ごみ箱へ!ロボットが完全自動制御だったためのファインプレー。

ワイヤレスリモコンで操作する手動ロボットも多かった中、プロジェクトSは完全自動制御ロボットを2台同時に制作。その緻密な計画性や、一見派手ではないがペットボトルをしっかり処理してリサイクルにつなげる、現代的で重要なテーマだったことも見逃せないポイントだった。
チームリーダー 富永啓介さん
「すごいロボット」とは何かを考えたとき、人間にはできない技を行うロボットにしようと決めました。ペットボトルを遠くから百発百中で投げ入れるのは人間では不可能ですよね。こだわったのは、人が一切介入しない全自動制御と、ペットボトルを発射するためのモーターの制御技術で、実は前日のテストランでは6割ほどしか成功しなかったので、出番が来るまでドキドキでした。本番では会場の視線とリアルならではの熱気を感じ、とても緊張した一日となりました。前日からの調整の結果、本番で成功しHonda賞もいただけて、すごく嬉しいです!

命中率を100%に近づけ、
自動運転ロボットを2台完成させた技術力

特別賞審査員

HGRX先進技術研究所
フロンティアロボティクス研究ドメイン統括
エグセクティブチーフエンジニア
吉池 孝英 さん

ロボットは、同じことを続けて成功させようとすると、ハードウェアの設計や制御するソフトウェアもしっかり調整しなくてはいけません。遠い距離なのに連続してペットボトル投入を成功させた鈴鹿高専は、その積み重ねがしっかりできていました。

加えて発射ロボットが稼働を続ける中で、回収ロボットがペットボトルを一生懸命に拾っていた。最初から上手くいかなくても、諦めないで運転を続けて、最後には完璧にこなしていたので、その高い技術力を評価しました。
優勝&ロボコン大賞受賞!
小山工業高専
アクセル姉さん大成功、一発勝負で満点獲得!

ロボット名:クアッドアクセラー

最高得点を挙げたチームに与えられる「優勝」と、審査員によって選ばれる「ロボコン大賞」をダブル受賞した、小山工業高専の「クアッドアクセラー」。2020年の大会でも最高得点を獲得し「超優秀賞」を受賞した強豪校。

そんな小山工業高専は今回、ジャイロ効果※を使ったフィギュアスケートロボット「アクセル姉さん」で4回転半のアクセルジャンプに挑戦。1本足で自立するだけでも難しいのに、腕の動きもつけ、スピンもし、果敢にジャンプに挑むアクセル姉さん。最後の大技「アクセルジャンプ」はぶっつけ本番。会場中が息を飲む中、ジャンプ台から回転しながら跳び、きれいに着地でフィニッシュ!

完璧な演技と成功したジャンプで、出場順最後に最高得点の100点満点を獲得。一気に優勝を掴んだ!

※ジャイロ効果
高速で回転しているコマが安定しているように、高速で回転する物体がその姿勢を保ち続けようとする現象。

チームリーダー 清水由彦さん
もともと「地球ゴマという、ジャイロで動くコマをモーターで動かして巨大化させたら面白いんじゃないか?」という発想から、フィギュアスケートにみたてたロボットになりました。一本足で立たせるまで苦労しました。

ジャンプが成功したら盛りあがってもらえるという自信はあったのですが、正直、最後のジャンプが成功する確率は5割くらいだと思っていたので、成功したときは本当に嬉しかったです。

UNIQUE ROBOT

独創性爆発! 個性派ロボット紹介

両国国技館がペンギンショーの舞台
に!?
大分工業高専「The Great
Penguins Show」
息のあったにぎやかなパフォーマンスで会場を沸かせたペンギンの中身は「倒立振子」という、2輪だけで自動でバランスを取って走る仕組み。伏せているところから立ち上がり、斜度30度の急斜面を上る高度な制御がポイント。デザイン賞を受賞。
馬に乗って矢を放つ動き、
その再現力の高さが評価!
香川高専(高松キャンパス)
「8236(やぶさめ)」
四足歩行の馬形ロボットが静止したら、人形ロボットが矢をつがえ、操縦者である人間の動きに合わせて弓を引いて矢を放ち、的を射貫く。人とロボットの連携がとれた素晴らしいパフォーマンスに拍手喝采!文句無しの技術賞を獲得。
斬新すぎるアイデアで、
会場中の視線を独り占め!
石川工業高専 「箸割観音」
割り箸を割るという日常的な作業を、あえて立派なロボットで表現した作品。後光を摸した7本の腕に、それぞれ割り箸を持つロボットから箸割観音ロボットに箸が渡され、観音様がきれいに割る仕組み。本番は失敗してしまったが、本番後に再挑戦。観音様が厳かに箸を割ると、観客から大きな拍手が。ユニークすぎる発想でデザイン倒れ賞を受賞。
ロボコントリビア2021
明暗差が大きい両国国技館、
カメラとの相性は…?
本番で予定通りロボットが動くかどうかが勝敗の別れ目。床のわずかな段差、会場の電波状況などで練習どおりにいかないこともある。今回、特に目についたのが「カメラ」。カメラを使った画像解析を利用したチームが多かったが、思ったように動いてくれないケースも。

どうやら理由は両国国技館の照明。フィールドと観客席などの明暗差が非常に大きな照明環境だったため、画像処理の難易度が高かったようだ。高度なロボットの制御はそれほどデリケートでシビアなのですね。

MESSAGE

大会参加者へのメッセージ

高専ロボコンが、高専生たちの夢を後押しし、
成長を促す場所であってほしい

高専生が自分たちの発想で提案、具現化し、パフォーマンスする意義のあるチャレンジだったと思います。面白かったのは、人とロボットが一緒のパフォーマンスをするチームがいくつかあったことですね。一回きりの本番で人の注目を浴びながら動かすことは、非常に難しい。慣れない環境では、操作や心理的ハードルが上がります。そこを乗り越えてきた高専生は、一段と成長したのではないでしょうか。

高専生たちのひたむきな姿を見ていると、Hondaが「夢の力を次世代に伝えていきたい」という想いで、協賛する目的に貢献できているのかなと感じます。逆に我々としても高専生のアピール方法から、技術の細かいところのみならず技術は何のためにあるのかをしっかり考えなければならないなと感じました。

ロボット設計において、ひとりでできることは限られています。信頼できる仲間と協力し、時に意見をぶつけ合いながら、高みを目指して欲しいですね。

特別賞審査員HGRX先進技術研究所
フロンティアロボティクス研究ドメイン統括
エグセクティブチーフエンジニア
吉池 孝英 さん(写真右)

RESULT

大会の結果

ロボコン大賞・優勝
小山工業高専
Honda賞
鈴鹿工業高専
準優勝
呉工業高専
アイデア賞
香川高専(詫間キャンパス)
技術賞
香川高専(高松キャンパス)
デザイン賞
大分工業高専
アイデア倒れ賞
石川工業高専

若きエンジニアたちに寄り添い、
一緒に夢を追い続けたい

オンライン開催やリアル開催といった場所による環境の変化、自由度が高い競技課題。
トラブルへの咄嗟の対応力や、競技課題に対して何を「すごい!」技に設定するかの発想力が
求められた、2021年の高専ロボコン。

競技課題に対し、意見がぶつかったこともあっただろう。
それでも高専生たちは、チームで一丸となってアイデアを出し合い、
壁を乗り越え、ロボットを完成させた。

失敗を恐れず、目標に向かって挑戦していく姿勢。
まだ見ぬ新しい発想を、自らの手で形にしたいという想い。

Hondaは、これからも高専ロボコンを通じて、
夢を追い続ける未来のエンジニアを応援してまいります。