アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト支援
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第34回アイデア対決・全国高等専門学校第34回アイデア対決・全国高等専門学校コンテスト鈴鹿工業高専Honda賞受賞! 第34回アイデア対決・全国高等専門学校第34回アイデア対決・全国高等専門学校コンテスト鈴鹿工業高専Honda賞受賞!

高専ロボコン全国優勝を目指して駆け抜けた、若きエンジニアたちの挑戦を追う! 高専ロボコン全国優勝を目指して駆け抜けた、若きエンジニアたちの挑戦を追う!

2021年11月、
両国国技館で開催された高専ロボコン
2021全国大会。
競技課題は「超絶機巧(すごロボ)」。
魅力的なロボットが次々と登場する中、
Honda賞を受賞したのが、
鈴鹿工業高等専門学校(以下、鈴鹿工業高
専)Aチームの「プロジェクトS」だ。

2台の傑作ロボット誕生の
舞台裏と
彼らのロボコンに懸ける
情熱に迫った!

高専ロボコンとは? About us

全国の高専生たちが競技課題に沿ってロボットを製作し、そのアイデアと技術を競う、アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)。
Hondaは次世代を担うエンジニアたちのモノづくりへの情熱とチャレンジを全力で応援し、2002年から特別協賛。

“人間にできない技を可能にする”これが「プロジェクトS」だ! “人間にできない技を可能にする”これが「プロジェクトS」だ! ROBOT

ペットボトルを連続発射!ゴミ箱に入れる「射出機」 落ちているペットボトルをレーザーセンサーで検出!「回収機」 ペットボトルを連続発射!ゴミ箱に入れる「射出機」 落ちているペットボトルをレーザーセンサーで検出!「回収機」

2台の全自動制御ロボット
による精密な発射技術と
美しくなめらかな拾い上げる
動作で、ペットボトルを
次々とゴミ箱へ投入!

ココがスゴい 1 誤差1%以下の
正確な発射精度!

これまでのロボット製作でもモーターで物を飛ばすことを得意としてきた鈴鹿高専。今回も「射出機」は、1秒間に約2万回の制御が可能なモーターで射出棒をのばし、離れた位置にある直径わずか11cmのゴミ箱の穴めがけてペットボトルを発射する。軸をスムーズに回転させるベアリングや独自のアルミパーツを利用して射出棒を軽量化。正確な連続発射を実現した!

ココがスゴい 2 どんなペットボトルも
逃さず検出!

12台のレーザーセンサーと独自の検出アルゴリズムでペットボトルを確実に見つけ、拾い上げる「回収機」。足回りに使用する歯車を極限まで軽くし、高い機動力を実現。
正確に、そして滑らかに、ペットボトルをゴミ箱まで運ぶ!

ココがスゴい 3 ロボットだけじゃない!
「細部のこだわり」

ペットボトルの重さや飛ばし方にも、随所にこだわりが。キャップの裏には落下の衝撃でも外れにくい小さな重りを設置。発射時の不安定さは、ボトルの底部分から発射させるスタイルにすることで解消。試行錯誤の末、解決策にたどり着いた!

“すごロボ”を目指し、
開発に明け暮れた
鈴鹿高専Aチームの
裏側とは?
INTERVIEW

メインの活動エリア。簡単な加工だけではなく、回路製作やロボットの組み立て、フィールドでの実験までを実施。 メインの活動エリア。簡単な加工だけではなく、回路製作やロボットの組み立て、フィールドでの実験までを実施。
メインの活動エリア。簡単な加工だけではなく、回路製作やロボットの組み立て、フィールドでの実験までを実施。

伝統技術×チーム力!コロナ禍だからこそ、コミュニケーションを心掛けた 伝統技術×チーム力!コロナ禍だからこそ、コミュニケーションを心掛けた

リーダーの 富永さん
リーダーの
富永さん

「4月の大会テーマ発表後、2日間でアイデアを出し、その後も開発グループ分けや担当決めもスピーディーに行いました」と語るのはリーダーの富永さん。

ロボットには「自動制御」の搭載を決めたが、実はこれは鈴鹿高専の伝統だ。「約8年前に、ある生徒が『自動制御に注力したい』と技術を蓄積してくれたんです。今では我が校を象徴する技術になっています」と顧問の打田正樹先生。伝統の技術を継承した2台で全国大会優勝を目指すことに決めた。

担当決め、ロボットの試作とスムーズに進むかに見えたが、新たな課題、トラブル……。困難にぶつかる度に、メンバーで知恵を出し合い、粘り強く突破口を模索した。

コロナ禍の活動制限で全員集合が難しい中、結束力低下を防ぐために特に富永さんが心がけたのは、「メンバーと頻繁に連絡をとること」。彼の誠実なコミュニケーションは、メンバーからの信頼を集め、チームの絆を固いものにした。射出機は7月下旬に原型完成、回収機は9月に形が確定。まずは地方大会へ向けて、チームは一丸となり調整を重ねていった。

コロナ禍での安全管理に取り組んだ 岩瀬さん
コロナ禍での安全管理に取り組んだ
岩瀬さん

できるできないの見極め、 徹底した安全管理を行い、 掴んだ全国大会進出 できるできないの見極め、 徹底した安全管理を行い、 掴んだ全国大会進出

安定した発射に求められる、射出機体
自体の高い剛性と強度。それを実現す
るために長時間におよぶ実験を繰り返
し、ブラッシュアップを図り続けた。

ときに機体をイチから作り直し、納得のいくものを追求し続ける。ストイックな製作過程で油田崚市さんが心掛けていたのは、「できることとできないことを見極める」という先輩からのアドバイス。大会までの時間は限られている。製作を確実に進めるために、この意識はエンジニアにとって必須のものだ。

そして、同じく重視したのは現場での安全管理。安全管理担当の岩瀬真大さんは「作業中の怪我の防止はもちろん、不織布マスク着用、作業中の密を回避するなどのコロナ対策にも徹底して取り組みました」と話す。あらゆる面で万全を期して挑んだオンラインでの地方大会では、練習の成果を存分に発揮。見事、全国大会への切符を手に入れた!

2021全国大会を振り返って 2021全国大会を振り返って Review

最後まであきらめない!
その想いが最高の
パフォーマンスを引き出した

テストラン時にペットボトルの選抜をもう一度行うなど、直前まで慎重に調整をして挑んだ本番。大きなミスもなく、ロボットの魅力を存分にアピールするパフォーマンスを披露!「直前までトラブルがあり、会場中の視線を感じて緊張しましたが、ロボットが正しく動作し、スムーズにパフォーマンスできて安心しました」と語る富永さん。磨かれた技術力と美しい動作が印象に残る2台のロボットは、審査員の評価も高く、見事Honda賞を受賞! それは本番までの数か月、ほとんどの日々を製作に費やし、最後の最後まで成功を目指して進み続けた鈴鹿高専Aチームの努力が実った瞬間だった。

“挑戦し続けるマインド”で、次こそ目指すのは全国大会優勝! “挑戦し続けるマインド”で、次こそ目指すのは全国大会優勝!

ロボコンが、
夢中になる楽しさを教えてくれた

2021年の全国大会参加経験がメンバーにもたらしたものは、技術力や能力のアップだけではない。ロボットの完成度をいかに高めるかに没頭した放課後。課題に向かい仲間同士で考え、実験を繰り返し、少しずつ、でも着実に一歩を進めてきた。その過程で彼らが学んだのは、仲間とともに全力で作りたいものを作る楽しさ、そして困難に挑戦し続けるマインドだ。

「開発中は辛いと思うときがほとんど。それでも続けてこられたのは『あきらめたくない』という想いがあったからです」と話す富永さん。一つの挑戦を終えた今、この言葉がメンバー一人ひとりの心に力強く響く。

冷めない情熱を胸に、
変わらず切磋琢磨する毎日

2021年度の大会が終わったばかりだが、チームは既に自分たちでルールを決めて取り組む校内ロボコンに向けて、持ち前の発想力や技術力に磨きをかける日々を過ごしている。「次こそ全国大会での優勝が目標です」と富永さんは意気込む。

良いものを作ろうとすればするほど、モノづくりのむずかしさに直面する高専ロボコン。大切なのは“常識にとらわれない多角的な視点”だ。「さまざまな発想から、解決の糸口が見つかります。そのためには、物事をいろんな視点で見ることが重要。それを継続した先に、素晴らしいロボット開発、そしてやりがいが生まれるのだと思います」と富永さんは語る。

ロボコン経験から得た学びを胸に、全国大会優勝に向けて、夢を追う若者たちの多忙な日々は続きそうだ!

ロボコンを経験して抱く、
それぞれの夢・目標
Future dream

より多くの人の役に立つものを作りたい!

より多くの人の役に立つものを作りたい!

将来もずっと、モノづくりに携わっていきたいと思っています。多くの人にとって身近に使ってもらえて、役立つもの。それを念頭に、安全第一の心掛けと「あきらめない」精神で、世の中に貢献するものを作っていきたいです。
  • リーダー 射出ロボット制御担当
  • 電子情報工学科 3年 富永 啓介さん
好きなことを実現できる環境でのロボット作り

好きなことを実現できる環境でのロボット作り

ロボコンの活動を今まで続けてこられたのは、「好きなことを思う存分表現できる環境」だったから。将来もその延長で、自分の好きなことを自由にできる場所で、VRを使ったロボットなどを作りたいです。
  • 加工・製作・全体デザイン・
    パフォーマンス担当
  • 電子情報工学科 3年 松田安佳音さん
憧れのSFの世界をいつか現実にするのが夢

憧れのSFの世界をいつか現実にするのが夢

課題を克服する楽しさ、挑戦するワクワク感、人とのつながりなど、数えられないほどの魅力を持つロボコンを通して、たくさん学びを得てきました。この経験を元に、憧れのSFの世界をいつか自分の手で現実のものにしたいです。
  • 回収ロボット制御担当
  • 機械工学科 3年 川田貴優さん
何事にも責任感を持って取り組みたい

何事にも責任感を持って取り組みたい

チームの副部長を担う中で芽生えた責任感を大事にして、自分の仕事に尽力できたらベストだと思っています。ロボットは人の役に立つ存在であってほしいので、誰かの役に立てるロボットをいつか作りたいです。
  • 副部長 
    安全管理・シナリオ製作・射出機製作担当
  • 電子情報工学科 3年 岩瀬真大さん

技術を磨き続けて、ロボット開発がしたい!

来年度の高専ロボコンにも参加して、機体設計の技術を磨いていきます!そしてロボコンで得た、主体的に動いて試行錯誤しながらモノを作り上げる経験を活かし、将来はロボット開発の仕事に携わりたいです。
  • 回収ロボット回収部分 設計・製作担当
  • 機械工学科 3年 鈴木丈一郎さん
学び続けて、いろんな場所で頑張っていきたい

学び続けて、いろんな場所で頑張っていきたい

ロボコンを通してたくさんの技術や知識を学ぶだけでなく、先輩達やリーダーの実行力を間近で見てきました。自分も彼らの後に続けるよう、技術や知識を磨き、ロボコン以外の場所でも活躍できる力を身につけていきたいです。
  • 全体回路設計・製作担当
  • 電子情報工学科 3年 福谷友翔さん
夢は未来の飛行機やロケットの設計開発

夢は未来の飛行機やロケットの設計開発

僕がロボコンを好きな理由は、モノづくりが好きということと、自分の力で課題を解決する経験ができるから。その経験を重ね、航空宇宙工学分野で飛行機やロケットの設計開発の仕事をすることが夢です。
  • 発射ロボット全体設計・製作担当
  • 機械工学科 2年 油田崚市さん
ロボコン経験を活かし、ゆくゆくはお金持ちになる!

ロボコン経験を活かし、ゆくゆくはお金持ちになる!

新しいものを作り出すプロセスの中で、「モノづくりとは何か」を学ぶことができました。タスクを背負う責任、プランがうまく行かないときの対処法といった学びを活かし、最終的にはお金持ちになりたいです!
  • 回収ロボット足回り設計・製作担当
  • 機械工学科 2年 日々野浩生さん

これからも鈴鹿高専の
アイデンティティを
発揮し続けてほしい

顧問:打田正樹先生
顧問:打田正樹先生
やりたいことがある人であればあるほど、能力やスキルを伸ばせる。それがロボコンの魅力です。今いるメンバーのようにモノづくりへの情熱を持ち、一緒に目標に向かっていけるマインドを多くの生徒たちと共有したいですね。自動制御という技術を受け継ぎ、鈴鹿高専のアイデンティティを確立して、新たなロボット開発につながるサポートをし続けていきたいと思います。
顧問:打田正樹先生
顧問:打田正樹先生

モノづくりを心から楽しむ、若きチームの未来に期待! モノづくりを心から楽しむ、若きチームの未来に期待!

思うようにロボットが
動かないなんて当たり前。
自分で答えを探し続けなければ
ならない道のりは
苛立ちや悔しさの連続で、
あまりにも険しい。

それでも、何度でも挑戦して
壁を乗り越えようと思えたのは、
「あきらめたくない」というモノづくりへの情熱
まだ見ぬロボットを作り上げる楽しさ、
そして、同じ方向を目指す、
チームの皆がいたから。
仲間と自分の力を信じ抜いた先にある
未来の光は
彼らの未来を
ずっと明るく照らし続けるだろう。

Hondaは、これからも夢を追い続ける
未来のエンジニアたちを応援してまいります。