BEV企画統括部 製品データマネジメント改革部 BOM改革課
本田技研工業株式会社 入社
四輪事業本部 ものづくりセンター管理統括部 開発管理推進部 仕様管理課
四輪事業本部 四輪開発センター ICE完成車開発統括部 開発管理推進部 仕様管理課※ICE:内燃機関(Internal Combustion Engine)
電動事業開発本部 BEV開発センター BEV企画統括部 製品データマネジメント改革部 BOM改革課 ※BEV:電気自動車(Battery Electric Vehicle)、BOM:部品表(Bill Of Materials)
私は韓国出身で、時計の修理など機械をいじるのが好きな子どもでした。幼い頃からモノに触れることに親しみがあったので、クルマという大きくて複雑なモノを修理する整備士という職業に魅力を感じました。調べていくうちに、女性が少ない業界だということを知り、逆に思い切って飛び込んでみたいという好奇心もありました。家族に相談すると、仕事で日本に行くことの多かった父が、日本では整備士を目指せる教育機関が整っていることを教えてくれて、知人の勧めもあり、ホンダ学園に進学しました。
はじめは整備士の資格取得を目指し、2年制の自動車整備科に入りましたが、もっと専門的にクルマを学びたい気持ちが強くなり、開発について学べる4年制の学科に転科しました。自動車研究開発コースは、Hondaで開発職のキャリアをもつ先生が直接教えてくれるので、モノづくりを体系的に学ぶことができ、充実した学生生活を送ることができました。
ホンダ学園は女性や留学生を積極的に受け入れていて、チャレンジ精神を大切にする校風があります。先生から「Hondaはやる気があれば性別や国籍に関係なくチャンスがあるよ」と聞いていたので、卒業したらHondaに就職したいと考えていました。ホンダ学園はHondaの系列である専門学校ですが、入社するには学校での成績が求められます。幅広く興味を持って勉学に励んでいたことが功を奏し、無事Hondaに入社することができました。
現在の主な業務は、図面と部品表の品質管理を担当しています。図面をつくる部門と、図面を使ってクルマを生産する部門の間に入る業務です。設計者の考えが詰まった図面は、現場がその意思を汲み、製品を世に送り出すものです。クルマづくりにおいて重要なものだけに、覚えることもたくさんある中、社内の人から感謝されたときは嬉しく、やりがいを感じます。
韓国は、何事もスピーディに進め「早く、早く」といった文化です。一方、私の部門は、図面ルールの管理を担い、多くの部門の確認を経て、ルールを発行する必要があります。はじめは、時間の流れに戸惑いましたが、今は、そのプロセスを納得し、受け入れています。
私は、外国人として働いているという感覚はなく、皆さんと馴染んでいる実感があります。皆さんとても親切で、日本語のニュアンスがわからなくても、「わかる?」と声をかけてくれ、訂正もしてくれます。そのため、言語の壁を意識せず、自然と業務に向き合えています。
Hondaで働くうえで一番のモチベーションは、自分がやりたいと手を挙げれば、自由にやらせてもらえる環境があることです。私はホンダ学園でエコラン部に所属していたこともあり、モータースポーツが大好きです。あるとき、社内で学生フォーミュラに業務で関われる公募があり、モータースポーツは普段担当している業務と直接の関わりはありませんが、上司に熱意を伝え、参加することができました。
学生フォーミュラは、頂点を目指して懸命に頑張る学生たちからエネルギーをもらえるとともに、今後、仕事でモータースポーツに関わるチャンスに備え、技術的なスキルを高めるべく、他社のエンジニアの方たちとも積極的に交流し、仲間の輪を広げています。
また、学生フォーミュラ大会は、外国からも学生が参加していました。かつて私がそうだったように、言語が通じない異国の地で大会を準備している学生の苦労をよく知っていたので、必要としている情報はないか、何か助けが必要ではないかと、気にかけながら取り組んでいました。
1リッターのガソリンで何km走行できるかに挑戦する競技「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」を目指す部活動。競技に参加するチームは、Honda4ストロークエンジンをベースにオリジナルマシンをつくり、独創的なアイデアと技術を競う。
学生フォーミュラ日本大会を指し、学生で組織されたチームが、1年間でフォーミュラスタイルのレーシングマシンを設計・製作し、その性能と企画力、技術力などを総合的に競う。Hondaはパワーユニットの提供ほか、OBボランティアによる技術指導などで支援を続けている。
Hondaに入社したからには、持ち前のチャレンジ精神で、今とは違う領域へ飛び込んでみたい願望もあります。クルマの開発など、学園で学んだことを活かせる領域への関心はずっと尽きません。また、いつかグローバルに活躍できるチャンスに備え、英語も勉強中です。“まず自分のために働け”。創業者の名言を胸に、これからも自分からどんどん手を挙げて、色んなことチャレンジし、限界を超えたいです。
休日は同僚とキャンプに行ったりして、自然のアクティビティが多い栃木の生活を楽しんでいます。アメリカから駐在している同僚たちとは一緒にゴルフをすることもあれば、キムチを作ったり、美容アイテムを試したり、韓国の文化を私が紹介することもあります。文化が異なっていても、共通の趣味でつながることができ、お互いの文化について情報交換することで会話が広がり、刺激の多い毎日を過ごしています。
※取材内容、および登場する従業員の所属は取材当時のものです。