人事統括部 人事部 タレントマネジメント課
ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダ 入社、 人事部に配属
ホンダ・サウスアメリカ・リミターダ 人事部
本田技研工業株式会社 コーポレート管理本部 人事統括部 人事部 タレントマネジメント課 人事領域グローバルテーマ、グローバルリーダーシッププログラム(GLP)担当
私は自動車メーカーや自動車部品サプライヤーを経て、人事領域でのさまざまな業務を経験しました。その後、Hondaの四輪ビジネスに関わるチャンスを得て、今に至ります。
Hondaはブラジルでも広く知られていますが、私にとって真っ先に思い浮かぶのはF1で、私が生まれた年にブラジルで優勝を果たしたアイルトン・セナは昔から大ファンです。同じ時期に発表された真っ赤なNSXも象徴的でした。Honda は、数々の困難においても、挑戦し続ける魅力的な会社だと当時から感じていました。
Hondaは互いに個人の違いを認め、個々の価値観を大切にする「人間尊重」の文化があります。私が日本に赴任してからも、職場の仲間が温かく迎え、どんな状況でもサポートしてくれる環境に満足しています。職場のメンバーは日本をはじめ、インド、アメリカ、ブラジルと多様な国から集まっています。また、文化の違いがあっても、互いを認め合い、自分の意見を自由に表現でき、Hondaファミリーの一員と感じる瞬間でもあります。
Hondaの基本理念は、「人間尊重」と「三つの喜び」から成り、自立・平等・信頼を「人間尊重」の理念の柱としている。
Hondaは、グローバル人材マネジメント体制のもと、世界各地域の人事部門と連携しながら、中長期的な観点でグローバル人材戦略を進めています。私は日本に駐在し、グローバルオフィスに所属しながら、南米のローカルオフィスを代表し、このプロジェクトに取り組んでいます。モビリティ業界において変革期を迎える中、各地域から選ばれた人事部門のメンバーと、地域のニーズを尊重しながら、より多様な視点でグローバル人事施策のあり方を議論し、全社の活動がより強力なものになるように努めています。
将来、約1万人のソフトウェアにおける専門家が必要になるといわれる中、こういった人材の育成と同時に、社内においては、トップマネジメントを含め、ルーツをはじめとしたダイバーシティを加速させ、グローバル企業として進化を遂げることが求められます。グローバル規模で取り組む人事施策は、大きなチャレンジですが、多様なメンバーで構成されるチームだからこそ成し遂げられると思います。
入社して6年、さまざまな困難に直面してきましたが、特に印象に残っているのが、ブラジルで経験した新工場移転プロジェクトです。人員を削減し現地で新たに雇用するか、従業員をそのまま新工場に異動させるか。難しい決断に迫られていました。
そんな中、ある幹部が会議でこう発言したのです。
“Hondaはこれまで、数々の困難を人の力で乗り越えてきた。長きにわたり共に働いてきた従業員は大切な資産です。こういった仲間が新しい工場で働くチャンスを得られないなら、最先端の工場に何の意味があるのか。機械は交換できても人は交換できない。人こそが今日、そして会社の未来をつくるんじゃないですか”
この言葉が心に深く刺さり、自分の役割を再認識しました。さっそく私たちは工場で働く従業員と家族にインタビューを行い、従業員やその家族が適応するための支援策を検討しました。新しい工場がつくられた街には大きな学校がなかったため、子どもたちの教育も考慮する必要があり、関連機関との交渉も行いました。また、週末にはツアーを組み、工場周辺の街へ従業員とその家族を連れ、病院、ショッピングセンターなど生活に必要な場所も一緒にみてまわりました。地域の住みやすさを伝え、最適な決断を下せるようにしました。「最も重要な資産である『人』を常に第一に考える」。このときの経験は、今でも自分の教訓になっています。
自分の将来と向きあうとき、家族に何を残してあげられるのか、社会にどのような貢献ができるのかを考えています。人事部の一員として、従業員の可能性を最大限に引き出し、組織において格差や不平等を減らし、従業員のみならず、家族、さらには取り巻くコミュニティにも良い影響を与えたい。この先、もっと素晴らしい未来があると私は強く信じています。
普段から仕事とプライベートとのバランスを意識し、休みの日はなるべく家族で過ごし、様々な思い出を作るようにしています。仕事に対しては、夢を実現する場所であり、自分にとって「第二の我が家」として、目的と情熱を持って取り組んでいます。こう考えることで、人生という旅をより楽しむことができます。
※取材内容、および登場する従業員の所属は取材当時のものです。