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日本中の空に、近道をつくれ──HondaJetシェアサービスで飛行機を身近に

“自由な移動の喜び”を空にも広げるため、2024年6月に開始された新たなモビリティサービス「HondaJetシェアサービス」。飛行機を身近な乗り物にするべく事業開発に取り組むふたりが、市場を生み出すやりがい、未知のことに挑戦する楽しさを語ります。

藤本 幸子Sachiko Fujimoto

コーポレート戦略本部 コーポレート事業開発統括部 新事業開発部 ソリューションデザインドメイン

2007年Hondaに新卒入社。購買部門で四輪・二輪・パワープロダクツを担当した後、パワープロダクツの海外営業、toB向け国内営業や商品企画を経験。2021年チャレンジ公募制度を活用してMaaS領域に異動。現在はHondaJetシェアサービスの事業開発を担当している。

井口 友里Youri Iguchi

コーポレート戦略本部 コーポレート事業開発統括部 新事業開発部 ソリューションデザインドメイン

2009年Hondaに新卒入社。パワープロダクツの国内営業部門で営業管理を担当した後、Honda Cars大阪に出向。産休・育休を経て、パワープロダクツ領域でイベントなどを担当。2020年に新事業開発領域に異動し、2024年からHondaJetシェアサービスを担当している。

空飛ぶCIVICをめざして、誰もが利用できるサービスを作る

HondaJetの事業開発に携わってきた友谷浩之と

陸・海・空すべてで移動の喜びを提供したいという創業当初からの夢に向け、1986年に開発をスタートした小型ビジネスジェット「HondaJet」。2015年に量産体制を整え、2018年に日本での販売を開始しました。

このHondaJetを、より多くのお客様に利用いただけるよう2024年6月に開始したサービスが、「HondaJetシェアサービス」です。

藤本

「このサービスは、いわゆるチャーターサービスで、お好きな時間にお客様が希望される空港から空港まで、HondaJetで移動が可能です。

飛行機は非常に高額な製品ですので、購入となるとごく一部の方に限られてしまいます。しかし、HondaJetは“空飛ぶCIVIC”をという想いで開発されています。CIVICは世界各地の人びとのベーシックカーとなるという想いで名付けられていますが、その名前と開発に込められた想いの通り、HondaJetもたくさんの人に利用していただける身近な乗り物にしていきたい。そのためには、利用方法も含めた新たなサービスが必要だと考え、この事業が生まれました」

より多くの人に、移動の喜びを──そこには、藤本自身、そして事業の発起人である社員の想いが込められています。

藤本

「私はこの事業の2代目のリーダーで、初代リーダーからバトンを受け継いでいます。初代リーダーも私も地方で育ち、地方における移動の不便さを経験しています。

地方には、飛行機の直行便がないエリアも多くあります。地方へのアクセスがもっと便利になれば、人が、経済が動き、地方の活性化につながる。そういった想いももって企画を推進してきました。

とくに直行便がない地方と地方をダイレクトに移動できれば、既存の交通手段では長時間移動のため、移動そのものを諦めていた方に新たな移動の可能性を提供することもできますし、ビジネスパーソンの効率的な移動にもつながります。よって、このサービスのコンセプトは“日本中の空に、近道をつくれ”です」

現在は藤本がプロジェクトリーダーを務め、関連するグループ会社とチームを組みながら、井口とふたりで事業を推進しています。

井口

「私は主に予算管理などを担っているのですが、これまで関わっていない飛行機という領域、かつ今までにない事業なので、計画と実態の差を埋めていくためにやらなくてはいけないことがたくさんあります。でも、それが新事業に携わるおもしろさなのだと感じています。

これからの事業だからこそ、お客様の声から気づきを得て新たなアイデアが生まれるのも楽しいですね」

藤本

「チャーターサービス自体、日本ではまだ小さな市場です。アメリカ・欧州にも同様のビジネスがありますが、ビジネス環境が異なりますのでそのモデルをそのまま日本に持ってくることはできません。ですので、今は手探りしながら市場を作っているところです。

わからないことにチャレンジできることが新事業の醍醐味ですし、競合他社とも有機的なつながりを持ちながら、ライバルというより切磋琢磨する同志として一緒に市場を作っている感覚がおもしろいです」

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「Hondaってすごい!」海外で感じた“Hondaの強さ”が入社のきっかけ

藤本は2007年、井口は2009年に新卒でHondaに入社しました。奇遇にもふたりとも、Hondaに興味を持ったきっかけは海外への留学経験でした。

井口

「ベトナムへ留学していたことがあるのですが、Hondaのバイクはたくさん使われていて身近な存在でした。しかも、都市部だけでなく山奥でもHondaのバイクの部品があって、『絶対にHondaは直る』と言われている。『すごい会社だな』と思いました。

就職活動をするなかで、創業者である本田 宗一郎と藤沢 武夫の書籍を読んだことでさらに興味を持ち、入社を決めました」

藤本

「私も海外に留学していた時に、日本製品の素晴らしさに気がついた経験があります。壊れないし、日本で当たり前に受けていたサービスが、実は世界から見ると非常にレベルの高いものだと身をもって知りました。

また、実家がガソリンスタンドを経営しておりクルマが身近な存在だったこともあり、クルマメーカーの中でも、現地生産・現地販売を積極的に行うグローバルなHondaに興味を持ちました。そして井口さんと同じく、私も本田 宗一郎の書籍を読み、おもしろそうな会社だなと思ったことがHondaを選んだ理由です」

井口は入社後、耕うん機や発電機といったパワープロダクツの国内営業の部署で、営業管理の仕事からキャリアをスタート。その後、販売店であるHonda Cars大阪に出向。最前線でお客様と接する機会を得たことで、あらためてHondaの力を知ったと話します。

井口

「Hondaのことが好きで、私よりHonda車に詳しいお客様がたくさんいらっしゃることを目の当たりにしました。長い間Honda車を乗り継いでくださっている方も多く、感謝の気持ちを感じる機会も多かったです」

その後、産休・育休を経て再びパワープロダクツの国内営業へ。イベントの取りまとめなどを担当した後、組織変更に伴い新事業を推進する部署へ異動。パワープロダクツに関する新事業で全体の予算管理などを担当することに。

井口

「関わるプロダクトの領域は同じだったのですが、既存事業と新規事業では予算の規模がまったく異なります。予算に関わる部署とのやりとりも増えましたし、部門全体がどう動いているのかの理解や、計画と実績の差はどのくらい出ているのかの説明を求められ、初めてのことばかりでとても大変でした。でも、会社全体のお金の流れや考え方を客観的に見られるようになったことは、大きな成長だったと思います。

その後、HondaJetの事業に関わることになりました。飛行機事業に携われる機会はなかなかありませんから、うれしかったですね」

ゼロから生み出せることが事業開発の魅力。移動の喜びを提供するために知恵を絞る

藤本は入社後、購買部門で四輪・二輪・パワープロダクツ領域を担当。その後、エンジンやパワープロダクツの海外営業、国内での法人営業など営業職を軸にキャリアを積んできました。新興国に生活の糧となるプロダクトを届けることができる仕事にやりがいを持ちながらも、2021年にチャレンジ公募制度を活用してMaaS(Mobility as a Service)領域の部署に異動します。

きっかけは、自身が育った地域で感じた課題にありました。

藤本

「地元に帰省するたびに、交通網が縮小されていることを感じます。私の祖母は、病院や買い物に行きたい時は誰かに頼まなければいけません。申し訳なさそうに送迎をお願いする祖母との会話のなかで、『移動の自由は人間の尊厳に直結する』と思うようになりました。

『移動を諦めるのではなく、誰もが行きたいところに行ける』、そんな世の中に少しでも近づけたい。Hondaというモビリティを扱う会社にいるのであれば、その社会実現に向けたサービスづくりにチャレンジしてみたい。そう思って社内公募に応募しました」

異動した当初は、別の角度での事業企画を練っていた藤本ですが、HondaJetシェアサービスの立ち上げに関わることに。空を使った移動手段に携わることになっても、原点の想いは変わりません。

藤本

「自由に移動できる人を増やすために、どんな知恵を出せるのか。そこに挑戦できることが一番おもしろいですね。

また、私はバトンを引き継いでいますので、ゼロイチ全てを経験しているわけではありませんが、やはりその過程を味わえるのは事業開発の魅力だと思います。もちろん営業をしていた時も、市場のニーズをすくい上げ開発部門に届けることで、新しい製品を作り上げることはしていましたが、この部署は技術職ではない文系出身者でもゼロから事業を生み出すことができる。それが醍醐味だと思います」

苦労して作り上げてきた事業だからこそ、はじめてお客様にサービスを提供した際は、とても感慨深かったとふたりは話します。

井口

「ファーストフライトは、ふたりで千歳空港までお迎えに行ったのですが、お客様が降りてきた瞬間に、『最高だったよ!』と言ってくださって。その反応が本当にうれしかったですね」

藤本

「『素晴らしい体験をありがとう』とパイロットに花束をご用意してくださったお客様もいましたよね。そういった場面を見ると苦労が報われますし、サービスができてきたことを実感します」

進むも撤退するも自分の意志。強い意志でHondaJetを身近な存在にする

手探りでも知らないことに挑戦することが楽しいと笑うふたり。しかし、新事業は成功が約束されているわけではありません。企画して事業化していく過程では、担当者の意志がとても重要だと話します。

藤本

「進むも撤退するも、意志決定ができなければいけません。新事業は誰も正解を知りませんから、たとえうまくいかなくても追加で施策を試していけば延命もできてしまいます。だからこそ、自分なりのゴールを描けていることが大事。『あなたはどう考えているのか?』が常に求められます。

逆に言えば、やりたいという意志があれば挑戦させてもらえるのがHonda。ボトムアップで物事が動いていく環境があると感じます」

自分の意志が重要であることは働き方においても同じ。子育てをしながら時短勤務をする井口は、こう続けます。

井口

「時間に制限があるなかで成果をしっかり出したいという場合も、今は少し仕事をセーブしてサポーティブな業務に入りたいという場合も、表明した自分の意志を尊重してもらえます。もちろん部署によって状況は異なりますが、社員の意志を尊重することにおいては平等だと感じています」

自らの意志を持ってキャリアを積んできたふたりは、HondaJetシェアサービスの拡大に向けて奔走中。現在は法人向けの限定的なサービスとなっているため、さらにお客様を増やしていきたいと意気込みます。

井口

「クルマやバイクが多くの人の移動手段になっているように、HondaJetも身近な存在になるようなサービスをめざしていきたいですね。

私自身は、子育てとの両立で自分のキャリアについて長期的に考える余裕はまだありません。目の前にある仕事を丁寧に積み上げていくことを大切にしたいと思っています」

藤本

「今後は一般のお客様にも裾野を広げていきたいですし、ご高齢の方や身体が不自由な方にも安心して使っていただけるサービスにしていきたいです。

この事業をしていても、Hondaのことが大好きというファンの方たちの熱い想いをダイレクトに感じることが頻繁にあります。ゆくゆくはHondaブランドを愛してくださる方同士がつながる土壌も作っていけたらおもしろいですね。

個人的には、ゼロの状態から事業を作る経験を一度はしてみたいと思っていますが、ゼロにこだわらず、0.3からでも0.5からであっても得意なところで最大のアウトプットを出し、お客様に“新しい価値”を届ける仕事をしていきたいと思っています」

一人でも多くの人に移動の喜びを提供する──自身の経験や想いを原動力に、日本中の空に近道を作ります。

※ 記載内容は2024年8月時点のものです

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