Innovation 2023/01/30
1人でも多くのお客様に喜びを──アメリカでデジタルサービスの戦略企画に挑む、彼の信念
現在第二創業期を迎えているHondaでは、これまで存在しなかった新しい事業が生まれています。自動車業界以外で長く経験を積んできたメンバーが活躍する事例も多く、2021年に転職してきた竹内もそのひとりです。彼がなぜHondaに入社し、何を成し遂げるために働いているのか語ります。
竹内 拓海Takumi Takeuchi
事業開発本部事業開発統括部 EV・リカーリング事業開発部 EV戦略ドメイン
製造業のマーケティングやビジネスコンサルティングの経験を積み、2021年9月にHondaへ転職。コネクテッド領域の技術戦略に携わった後、現在の所属となりデジタルサービスの戦略立案を担当。
インカー・アウトカーのデジタルサービスをつくる
竹内が所属するEV・リカーリング事業開発部では、従来とは異なるビジネスモデルの構築や戦略の立案を行っています。
竹内 「今までの自動車業界はクルマを販売して収益を上げるビジネスモデルでしたが、今後は電動化が進みクルマ自体が変わるとともに、クルマでデジタルサービスを使える環境になっていきます。そこで、車両側ではなく車両以外のデジタルサービスをつくる必要があります。その戦略方向性を検討するのが、私の仕事です。
たとえば、OTAを利用しクルマのソフトウェアのアップデートによって新しい機能が使えたり、ソフトウェアの不具合を即時に修正できたりする技術があります。この技術を利用して、お客様が満足できる新しい機能とは何か、それを継続的にどのように提供するべきかなどを検討しています」
Hondaに入社してわずか1年で重要な業務に携わっている竹内ですが、Honda入社前は全く別の業界で働いていました。
竹内 「1社目は大手精密機器メーカーで、商品企画や市場導入など、マーケティング領域が主な業務でした。イギリスに駐在し、欧州・中東・アフリカエリアのマーケティングを担当していました。
2社目はコンサルティングファームで、ビジネスコンサルティング業務をしていました。事業戦略の提案や新規ビジネスの立ち上げ支援をしたんです。メーカーでの商品企画やコンサルティングファームにおける事業戦略提案の経験を活かすべくHondaに入社しました」
異業種で経験を積んだ竹内がHondaに転職を決めたのは、1社目で経験した製造業に再び携わりたいという想いと、エンドユーザーと直接向き合える環境に身を置きたいという希望を同時に叶えられると考えたからです。
竹内 「最近はデジタルサービスのように直接手に触れることのない領域に携わっていますが、製造業ではユーザーはモノを手に取るところから始まります。モノを手に取ったお客様が喜んでくださる姿を見られることが、製造業の大きな魅力だと思っています。そのように顧客視点でビジネスができる業界で働きたく、もう一度製造業を選択しました。
製造業のなかでも自動車業界は大変革期で、Hondaも第二創業期として新たな挑戦を発表しているところです。これから大きく変化する業界でスキルを発揮したいと考え転職を決めました」
これまでの経験を活かし、北米でのデジタルサービス企画開発を担う
竹内は、日本にいる現在も主にアメリカのメンバーと仕事を進めています。北米市場向けのデジタルサービスの企画開発業務に携わり、日本側の連携も必要になることから今も継続的にアメリカメンバーとの懸け橋として企画推進を行っています。
竹内 「既にプレスリリースで公表されているように、アメリカでは2024年にEVを販売することになっています。車両の開発に合わせて、デジタルサービスの開発も急ピッチで進める必要があります。
私はその企画業務をするのですが、特に技術領域においてはアメリカの拠点だけでは実現が難しいこともあるため、日本側のメンバーと協業することが必要です。アメリカに出張し、日本と連携するための枠組みやプロジェクト体制を検討してきました。前職駐在時代のグローバルで仕事を進めてきた経験をHondaでも活かすことができたと考えます」
多くの事業・開発部門が関与することため、日本側とアメリカ側の連携が業務推進の上で最も難しいポイントだと竹内は考えています。
お客様視点に立つのはHondaの強みでもあり、自身がずっと大切にしてきたことでもある
これまで他の会社で長く経験を積んできた竹内は、Hondaの強みは全社員がお客様視点に立って商品・サービスを考えていることだと感じています。
竹内 「Honda社員は全員がお客様視点でモノやサービスを考えるマインドを持っていると、メンバーと会話をしていて感じます。皆が同じ方向を向いているからこそ、仕事はやりやすくて楽しいですね。
私はこれまでのキャリアにおいて、お客様視点をとても大切にしてきました。メーカーにいた頃はエンドユーザー、コンサルティングファームではクライアントがお客様でしたが、いずれの場合もお客様の課題を解決することが重要です。お客様に喜んでいただきその対価としてお金をいただくのがビジネスなので、Hondaのお客様視点を大切にする姿勢には共感できますね」
一方、新規事業領域だからこその難しさも感じています。
竹内 「これまでHondaが注力してきたハードを売って利益を得る事業は組織やスキームも整っていますが、デジタルサービス事業は仕事の細かな進め方について確立されていない部分もあります。だからこそ自分自身で事業や組織を跨いで連携できる進め方を提案できればと思っています」
現地で知る本当のユーザーニーズをお客様の喜びへつなげる
Hondaに転職してから2022年1月現在で1年4カ月ほど経ち、竹内は改めて製造業における大事なことを実感しました。
竹内 「入社後は自動車業界を理解し専門性を高めなければいけないと考え、専門領域に関する多くのレポートを読みました。しかし、レポートでは表現しきれない本当のユーザーニーズの答えは現場にしかないと気づいたんです。
日本で生活しているとEVはまだ何十年も先の話のような気がしますが、アメリカではEVの普及率が日本よりも高いんですよね。たとえば、充電中は待ち時間が発生し、アメリカではクルマの中で時間をつぶしている光景をよく目にしました。そのような方々が喜ぶサービスを提供することができれば、絶対に価値がありますよね。
実際、他社では充電の待ち時間で映画鑑賞やゲームをできるサービスも考えています。そのような新しい発想は、現場に行かなければ生まれないと感じました」
これまで複数の会社で経験を積んできた竹内ですが、働くモチベーションは一貫しています。
竹内 「私にとって働くということは、世界中の1人でも多くの人に喜んでいただけるような何かをやり遂げることだと思っています。そのためHondaでは、世界各国でHondaに乗ってよかったと思っていただけるようなクルマ・サービスをつくるために働きたいです。
2023年2月からはアメリカ駐在を予定しており、現場で北米向けのデジタルサービス戦略企画業務に携わる予定です。転職してすぐ、グローバルで経験を積むことができる機会を与えてくれるHondaに転職してよかったと感じています」
竹内のチャレンジは続きます。
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