もっと詳しく/技術解説【運転席用iSRSエアバッグシステム<連続容量変化タイプ>】
小柄でステアリング近くに座るドライバーは、「早く」ステアリングにぶつかってしまうので、エアバッグを「早く」膨らむことが必要です。
しかし、「早く」膨らませることで衝撃を与えないよう「やさしく」膨らませる必要があります。
さらに、ステアリングから遠くに座るドライバーの保護のためには「長く」膨らんでいる必要があります。
より「早く」「やさしい」エアバッグシステムとするためにエアバッグに「うず巻き状の縫製」を施すことを発見。うず巻き状の縫製が内側から外側に向かって切れながら膨らむ世界初のi-SRSエアバッグシステム<連続容量変化タイプ>を2008年に開発しました。
i-SRSエアバッグシステム<連続容量変化タイプ>は、エアバッグ本体に「うず巻き状の縫製」と「排気制御弁」を設けることで〈連続〉的に〈容量〉を〈変化〉させます。
i-SRSエアバッグシステム〈連続容量変化タイプ〉の試作エアバッグ縫製風景
うず巻き縫製の形状、糸の材質などの研究のために
ときに研究者自身がミシンを使ってアイデアをその場で形にしてテストを実施。
研究者の情熱により、前例のない技術が実現に至りました。
うず巻き状の縫製で膨らみが制限されるため、はじめに、少ない容量で素「早く」保護面を形成します。
また、縫い目がエアバッグの飛び出しも抑制するため、人への衝撃を低減し「やさしく」膨らみます。
ガスの圧力により、うず巻き状の縫製の糸を内側から外側に向かって切りながら、
一定の圧力で「やさしく」〈連続〉的に〈容量〉を拡大します。
従来エアバッグは、ガスを排出しながら膨らみます。
i-SRSエアバッグシステム<連続容量変化タイプ>は、排気制御弁を設けており、膨らみ終わるまでガスを排気させないため、エアバッグ内部の圧力が一定に保たれ、保護性能を「長く」持続します。
加えて、ガスの膨張圧力を低く抑えることが可能となり、「やさしく」膨らませることに寄与しています。