2015年10月31日から11月1日に、「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2016」のスタートとなる
オリエンテーションが岩手県盛岡市で開催されました。
1回目の宮城県に引き続き、2回目となる今年のプログラムは岩手県の高校生がアメリカに渡り、
世界共通言語である“音楽”を通じて日米の友好を深めるとともに、感謝の意を伝えていきます。
会場にはプログラムに参加する地元の高校生と関係者らが集まり、概要や日程などが説明されました。
また前回参加した宮城県の学生から経験談の発表があり、皆興味深く聞いていました。
参加する高校生は2日間に渡り、楽器を練習。
また、今回のプログラムで掲げられた「復興における課題」をテーマにしたグループディスカッションをおこない交流を深めました。
初の顔合わせ後の練習とあって、はじめは皆緊張している様子。まずは、講師であるダニエル・ホーさんが課題曲の楽譜を生徒に配布します。そして、スタジオに流れる楽曲に耳を傾けながら必死に楽譜を見ていた生徒たちに対し、「何よりも楽しむことが目的ですよ」と、ホーさんはにこやかに語りかけ、会場を和ませていました。
その後、打楽器、ピアニカ、金管楽器などのパート別の練習がスタート。音楽が得意な学生は、すぐにメロディーを奏でていきます。一方、慣れない楽器に悪戦苦闘する学生も。懸命に取り組む生徒に対し、ホーさんからそれぞれのレベルに合わせたアドバイスがありました。
そうして最後に、皆で音を合わせる一斉練習を行うと、最初はバラツキのあった音が次第にしっかりとした音に!何回か繰り返すうちに、段々とテンポの良い楽曲に成長していました。終了後、練習でありながら皆が拍手で互いを讃え合うほどの盛り上がりとなりました。
講師のダニエル・ホーさんは「曲に合わせてみて、どう感じましたか?」「ここで転調ですね」などと生徒たちの反応を見ながら指導していました。
はじめて持った楽器に学生たちの出す音は控えめ。2日間の練習で自身のパートをしっかり覚えていきます。
時間が経つにつれ、徐々にコツをつかんだ様子。リズムに合わせて、皆の息も次第に合っていき、楽しそうな雰囲気に。
昨年から音楽講師を務めていますが、このプログラムは私の仕事の中でも非常に意義深いものだと思っています。音楽は人を幸せにするためにあります。面識のない者同士が音楽を通して互いに理解を深め、100万人が見守るローズパレードでマーチすることで、20人の生徒とHondaのチームはファミリーのような深い絆で結ばれ、協調性というハーモニーを紡いでいくのです。
震災直後、私は被災地の状況を見て衝撃を受け、自分なりに何かできないものかと考えていました。現在も復興支援が必要であることは世界中でもっと知られるべきです。そうした意味でも有意義な活動ですし、私自身、携われることをうれしく思います。
このプログラムで20人の生徒たちが、何かを感じ、多くを学び取ることが重要です。そして、それが何にも代えがたい大切な思い出となるはずです。
グループディスカッションでは、アメリカでの文化交流にあたり、現在の復興における課題をテーマに話し合いが行われました。
まずは数名のグループに分かれ、事前に各自で調べておいたものを発表し合いました。「ここは英文の資料しかなく大変だった」「自分の考えだけでなく、家族や友達にも意見を聞いた」という声も。このテーマはプログラムの本題。高校生たちの故郷である被災地の未来に関わる重要なテーマであるため、じっくり話し合いが行われました。
その後、互いに調べたこと、考えたことをグループごとにまとめ、各代表者が皆の前で発表しました。その中で「音楽を通して心のケアをする」「地域の人との繋がりを持つ」など、出来ることを積極的に探し、自ら行動することが大切との意見が多くありました。真剣な表情の学生たちによって議論が重ねられた結果、アメリカの学生らに伝えたいことがより明確になりました。
今回参加したきっかけや、参加への意気込みなどをインタビューしました。
千葉 章太 さん
Chiba Shota
豊田 紗綾 さん
Toyoda Saaya
上山 和花 さん
Kamiyama Tomoka