三沢市は青森県の南東部に位置し、米軍三沢基地をはじめ、青森県立三沢航空科学館などの施設がある“大空のまち”として有名です。一方、陸では、ごぼうの生産量が日本一であり、ほかにもナガイモやにんにくなどの農産物も人気。海では、イカやほっき貝など、太平洋から水揚げされる水産物などにも恵まれた豊かな地域です。
大勢の生徒が見守る中、舞台袖からASIMOが登場すると、静かだった会場がにわかに熱気を帯び始めました。ASIMOは、自分が誕生するまでの過程を司会者との“かけあい”で説明。研究開発の歴史などを交え、失敗してもあきらめずにチャレンジし続けることの大切さなどが生徒たちに伝えられました。また、先生にもご協力をいただき、人間は身体の中心にある“重心”を動かし、バランスをとって歩いていることの検証も行いました。一方、ASIMOは、背中のコンピューターで重心を常に計算しながら動いているのだとか。ASIMOは現在も進化を続けていて、人と同じペースで歩けるように、歩く速度を調整する開発が進められていることなどの説明もあり、みんな興味深そうに聞き入っていました。
佐々木勇一校長先生 Hondaの創業者である本田宗一郎さんの“技術は人の役に立つために”という考えに感銘を受けました 「私は、Hondaの創業者である本田宗一郎さんの“技術は人の役に立つために”という考えに感銘を受けた一人です。ASIMOは、人間の役に立つことを目的に開発されていることを知り、この授業は創業者の考えが生かされたHondaらしいプログラムだと思いました。現在は、ASIMOの技術を応用した調査用ロボットが、福島第二原子力発電所でも活用されています。進化した技術が実用化されていることなども、生徒は理解していたと思います。また、この地域ではお年寄りの交通手段が少ないことが問題になっています。Hondaには自動運転の発展とともに、ASIMOを高齢者の移動手段の役に立つように進化させてほしいと思います。今日、この授業を受けた生徒がASIMOの技術開発に感化され、失敗を恐れず果敢にチャレンジする立派な大人に成長してくれることを願っています」
安田徹先生 10年が経過した今、ASIMOがどのように進化しているのか楽しみ 「私は10年前にもASIMOを見たことがあります。当時は二足歩行することだけでも大きな話題でしたので、あれから10年が経過した今、どのように進化しているのか楽しみでした。今日、目の前でASIMOが走ったり、手話をしたり、サッカーボールを蹴ったりする姿を見て、ただただ驚いています。マスメディアであまり取り上げられませんでしたが、この辺りは、東日本大震災で海沿いの地域が被災。現在もその地域には多くのお年寄りが生活しています。私としてはASIMOの技術を生かして、社会福祉にも取り組んでほしいと思います。介護ロボットとして地域の老人に寄り添い、彼らの生活の手助けをしてくれることを願っています」
ユニカブに乗って登場した 橘祥太先生 メイド・イン・ジャパンの先端技術を見ることができました 「この『ASIMO特別授業』は、生徒がメイド・イン・ジャパンの先端技術を見ることができる、大変良い機会だと思いました。ユニカブは慣れると簡単な乗り物ですが、最初はコントロールすることが少し難しかったです。私のように技術を体験する機会が全生徒にあるとさらに良いですね」
ASIMOのシュートを受けた 蛯名大先生 ASIMOとPK合戦をしたい! 「私はASIMOが蹴ったサッカーボールを受ける役をさせていただきました。人間がボールをキックする時は、後ろに下がって勢いをつけてから蹴りますよね。ですが、ASIMOはボールを蹴る時、いっさい助走をしないんです! だから、蹴ってくるタイミングが全く分かりませんでした。さらに、身体の軸が全く動かない!毎日、体幹を鍛えているのでしょうか(笑) 右利きか左利きか、キックはつま先か、足の甲か、インサイドか…『おっ、右足のトーキックで来たな!』って感じでした。次回はぜひ、PK合戦したいですね」
“人間の身体の動き”について深く考えました 「15年間もの間、ASIMOの研究開発を続けているなんてスゴイと思いました。そして、その間も動物や人間の身体の観察を熱心にしていたことには驚きました。私は今日の話しを聞いて、普段は気にしていなかった“人間の身体の動き”について深く考えました。未来はASIMOと一緒に生活をする日が来ると思いますので、今からその日を楽しみにしています」
夢や目標を持って努力し続けてほしい 「スタッフは、社内公募で集められているんですよ。私が社内公募に応募した理由は、いろんなことにチャレンジして、見方の幅を広げてみては?と上司からアドバイスがあったからです。ですが、まさか採用されるとは! 責任重大です(笑) 私は中学生の頃、Hondaのオートバイのレースを見て強い刺激を受けました。チーム一丸となって“目標”に向かい努力をする姿がカッコ良く、いつか自分もそういう舞台で仕事をしてみたい! と夢を持ちました。その夢を実現するために、自動車の専門学校に通学して自動車整備士の国家資格を取得。Hondaに入社後はサークル活動で、憧れの“鈴鹿8時間耐久ロードレース”という国際レースのメカニックとして取り組むことができました。このように自分がやりたい! と思ったことをあきらめずに想い続けると、必ずその夢は実現します。だから、皆さんには夢や目標を持って努力をし続けてほしいと思います」