二輪車の取り組み

二輪車においては、環境負荷低減の観点から軽量化による材料使用量の削減、再生材の適用やリサイクル性に配慮した構造設計などの取り組みを行ってきました。

原材料の採掘における土地改変や材料製造時に発生するCO₂排出量を削減することができる鉄・アルミなどの再生材のほか、化石資源の採掘削減につながるバイオ由来の材料や樹脂再生材などを適用した新たな取り組みを行っています。

四輪バンパーリサイクル材の二輪車への適用(Circular Design、Circular Value Chain)

これまで、販売店から回収したHonda車の廃棄バンパーを原料としたリサイクル材を、四輪車のアンダーカバーなどに適用してきました。

新たに設計最適化を行うことで、これまで二輪車への適用が難しかった四輪のバンパーリサイクル材を、2024年に販売したNCシリーズのラゲッジボックスなどに適用しました。

これはHondaの特徴でもある販売製品の多様性や回収スキームを活かした取り組みです。

適用機種:「NC750X」、「フォルツァ750」、「X-ADV」

プレコンシューマーリサイクル材の製品適用(Circular Design)

FORZA 750

樹脂リサイクル材の適用拡大の一つとして、ポリプロピレン製のプレコンシューマーリサイクル材※1を2024年に販売したNCシリーズの外装部品に適用しました。

プレコンシューマーリサイクル材は、素材の性状が分かっていることからバージン材と同等の物性調整が可能であるとともに、規制化学物質の混入リスクを回避することができます。

引き続き、他モデルへもプレコンシューマーリサイクル材を適用していきます。

  1. 自動車や家電などの製造や成形過程において発生する、端材由来のリサイクル材。

バイオエンジニアリングプラスチックの製品適用(Circular Design)

バイオエンジニアリングプラスチック“DURABIOTM”※2の適用拡大の取り組みとして、二輪車として初めて、2024 年に販売したNCシリーズの外装着色部品に適用しました。

意匠性の高い、着色したDURABIOTMを適用することで塗装が不要となり、CO₂排出削減に寄与しています。

また、2024年3月発売の「CRF1100L Africa Twin」の透明フロントスクリーンに世界で初めて※3採用したDURABIOを、2024年9月に欧州発売のX-ADVを皮切りに、NC750X や「XL750 RANSALP」にも適用拡大し、今後、他モデルへも適用する予定です。

  1. DURABIOTMは三菱ケミカル株式会社の登録商標です。
  2. Honda調べ(2023年10月時点)。

アルミ再生材の適用(Circular Design)

スクーターやカブなどの小型モデルに、市中スクラップを原料としたHPDC※4 製法の小径ホイールをベトナム、タイ、ブラジル、中国で適用してきました。

一方、技術課題などの観点から、これまで適用が難しかった大径ホイールも2024年以降に販売した日本生産の大型モデルに適用を始めました。

今回の大型モデルへの適用によって、大型から小型までの全製品群で再生材を使用したホイールが適用されることになりました。

引き続き、アルミ再生材ホイールの適用をグローバル機種に順次拡大予定です。

  1. HPDC:High Pressure DieCasting(高圧鋳造法)の略。

レポート