Sustainable impacts 2022/07/04
世界中のお客様の代弁者として、不具合の素早い解決に貢献する若手社員たち
Hondaを選んでくださったお客様に満足していただくためには、高品質な製品を提供するだけでなく、不具合があったとき迅速に対応することも大切です。Hondaには、グローバル市場の品質改善活動を加速させお客様の満足度向上に貢献しているメンバーがいます。日々業務に尽力している鈴木と遠藤が、仕事のやりがいや今後の目標を語ります。
鈴木 あきはAkiha Suzuki
カスタマーファースト統括部 テクニカルサービス部 プライオリティ推進課
2018年Hondaに入社して以来、現在の所属でアジア大洋州・南米地域の品質改善活動の加速を担う。入社前はHondaテクニカルカレッジで技術を習得。
遠藤 亮Ryo Endo
カスタマーファースト統括部 テクニカルサービス部 プライオリティ推進課
2019年Hondaに入社して以来、現在の所属で北中米地域の品質改善活動の加速を担う。学生時代に所属していた体育会自動車部でスポーツカーの虜になり、自動車業界への就職を志す。
すべてのお客様に安心・安全を届けるために不具合を素早く確実に解決する
Hondaでは、高品質な製品やサービスをお客様に提供できるよう、社員全員が日々努力を積み重ねています。
しかし、お客様が不具合を感じてしまうケースはゼロではありません。お客様が体感した不具合を1日でも早く改善できるように動いているのが、カスタマーファースト統括部のテクニカルサービス部プライオリティ推進課に所属するメンバーです。
2018年入社の鈴木と2019年入社の遠藤は、Hondaの門を叩いてからプライオリティ推進課で経験を積んできました。
「四輪のグローバル市場で起こる重要市場品質問題の早期解決のために、部門間や地域間のサポートやコーディネートをするのが当課の主な業務です。私は北中米地域を、鈴木はアジア大洋州・南米地域を担当しています。
Hondaの製品は世界中のお客様に使用していただいておりますので、お客様からの困りごとが全世界のディーラーや現地法人から上がってきます。それらの情報を整理し、なぜ壊れてしまったのかを解析し、素早く確実な対策をお客様へ届けることで、少しでも早くお客様に安心を届けたい。そのために、社内のさまざまなエキスパートの協力を得ながら推進していくのが私たちの役割です」
「できるだけ多くの不具合に対応するためには、効率的に仕事を進めなければなりません。解決にあたっては、開発部門に不具合を報告したり代替の部品を手配したりとさまざまなステップを踏み、解析部門や設計部門の方、また工場やサプライヤの方など関係各所をコーディネートしながらお客様へ対策部品をいち早くお届けできるように進めています」
プライオリティ推進課ではグローバル市場の不具合解決を推進していますが、地域によって不具合の特徴は異なります。
「地域によって、クルマの使われ方が大きく異なるんですよね。もちろんクルマを開発する上では、さまざまな環境や使われ方を想定して開発が行われているのですが、時に我々が考えもつかないような使われ方をされていることがあり、想定外の不具合が発生してしまうことがあります。
日本ではこのように使われているから海外でも……というような、枠にはまった考え方をしないこと、また先入観を持ち過ぎないことを心掛けています」
「私が担当しているアジアのお客様は、音に対する感覚が日本人と大きく異なります。日本側のメンバーでは気づかないような音であってもアジアのお客様は不快に感じてしまうケースがあります」
経験豊富で芯を持った社員の姿に惹かれ、入社を決意したふたり
鈴木がHondaに入社したきっかけは、高校生の頃にHondaテクニカルカレッジの1日体験入学に参加したことでした。
「汎用エンジンの組みばらしを体験し、鉄が集まって機械が動くことに感動したんです。そして一度きりの人生なら楽しいと思えることをしたいと思い、Hondaテクニカルカレッジに入学しました。
先生方はHondaの社員として豊富な経験を積んできた方ばかりで、F1に携わった経験やクルマの開発の秘話などを聞いているうちに、私もHondaでいろいろなことを経験し、人に夢を持ってもらえるような仕事がしたいと思うように。そうして卒業後はHondaに入社しました」
また、遠藤は大学時代クルマの魅力にのめり込んだことがきっかけでHondaへの入社を決めました。
「大学の体育会自動車部が『ドライブ好きな人大歓迎』とPRしていたので入ってみたら、イメージと異なりスポーツカーを整備して競技に出る部活でした。それまではドライブが好きな程度でクルマにそこまで興味はなかったのですが、そこではじめてHonda車に乗って、今まで乗ってきたクルマの概念が覆るような加速やハンドリングを知り、完全に虜になってしまったんです。それで、自動車業界に就職しようと決めました。
数あるメーカーのなかでもHondaを選んだのは、Hondaの社員の雰囲気に惹かれたからです。就活中に他のメーカーの懇親会へ参加した際には、企業としての統一性は感じられるのですが、社員一人ひとりの想いや個性はあまり前面に出ていない印象を受けました。
一方、Hondaの社員は一人ひとりの発言がユニークで、全員がしっかりと芯を持っていたんです。統一感こそは感じられませんでしたが、皆が熱い想いや夢を持ち、自分の意見を臆することなく堂々と話している様子を見て、この場所なら自分の個性を隠すことなく、活かして働くことができる環境があると感じ、Hondaへの入社を決意しました」
晴れてHondaに入社したふたりでしたが、鈴木は配属直後に悩んでいた時期がありました。
「入社前のHondaテクニカルカレッジのときに、私は6カ月間オーストラリアの販売店でメカニックとして就労研修をしていました。そのときに海外のお客様も日本のお客様と同様にクルマを大事にされていることを実感しました。そんなお客様のことを想いながらも、不具合の原因がなかなかわからず対策までに時間が掛かってしまうケースに、歯がゆさを感じることもあったんです」
歯がゆさを感じながらも、モチベーションを持って働けるように
鈴木が仕事にやりがいを感じられるようになったのは、仕事に慣れるにつれて感謝の言葉をもらえるようになったからです。
「仕事を重ねるうちに、こんなときは駐在員の方に頼ったほうがいい、これは早く現場に共有しないといけないなどのノウハウがわかるようになり、最終的に駐在員や現場の方から『早く対策をしてくれてありがとう』という言葉をもらえるようになりました。そんな時に自分の役割を果たすことができてよかったと感じます。
Hondaは熱い方ばかりで、皆がお客様第一で動いています。そんな周りを見ていると、自分のモチベーションにもつながると感じますね」
プライオリティ推進課では海外のスタッフや各領域のエキスパートといった、さまざまな関連部門の方の協力を得ながら仕事を進めているので、皆のベクトルを一つに合わせるためのモチベーション管理がとても大切です。
「お客様は数ある選択肢の中からHonda製品を選んで買っていただいているので、“品質は良くて当たり前”という意識があります。そのため、ある意味、当たり前を守るための業務を日々こなしているため、モチベーションを保ちにくい部分があります。
プライオリティ推進課は、グローバルで事業展開する企業らしく、世界中のスタッフ、各領域のエキスパートやお取引様など、さまざまな方たちと一緒に仕事をさせていただく機会があります。日々業務を行っていくなかで、多くの人とつながりを持つことができ、幅広い知識や経験を積めることがやりがいにつながっています」
また、個性を大切にするHondaならではの環境も、若手社員の成長を後押ししてくれます。
「Hondaには変わり者が多いとよく言われますが、それはHondaが一人ひとりの個性を認めてくれて皆が芯を持って働けるからです。当課でも皆が芯を持ちながら仕事をしていますし、年齢や役職にかかわらず人にきちんと発言できる環境も整っています。
興味があることを明確に持っている人なら、男女関係なくイキイキと働ける会社だと思いますね」
コロナ禍での工夫を活かしつつ、今後は現地に行って不具合解決を進めたい
モチベーションを保ち、やりがいを感じながら働いていても、大変なことはあります。遠藤は2019年の入社直後から新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークをすることになり、苦労しました。
「入社後すぐにリモートワークをすることになりました。コロナ禍であっても世界中の方がHondaのクルマを使ってくださっているので、残念ながら不具合が発生してしまうことがあります。
オンラインで実物を見せてもらったり、現地のメンバーに電話してお客様のクルマの使い方を聞いたりして、リモートワークのなかで少しでも現地に寄り添ってコーディネートするようにしていました」
コロナ禍でも工夫しながら仕事を進めたことによって、改善点も見えてきました。
「今までは現物を日本に送るために非常に時間が掛かることにありましたが、オンラインなら調整がつけば翌日にでも現物を見ることができます。現地に行かなくても対応できることと行かなければ対応できないことが見えてきたので、リモートと実際の現地への訪問を上手く併用して仕組み化していければいいなと思いますね。
各地域のサービスを担当している我々は、その地域のお客様の代弁者のような役割があります。そのためプライオリティ推進課には、さまざまな国の駐在経験者や出張経験が豊富な先輩たちがいます。私は、コロナ禍の影響で未だ海外に行けていないので、今後は各地域に飛んで現地のことを知ったうえで、自分の発言に説得力を持たせて代弁してあげたいと考えています」
Hondaに入社して数年、品質改善活動に励んでいる鈴木と遠藤。それぞれが今後の目標を掲げながら、目の前の仕事に向き合っています。
「プライオリティ推進課は、社内でもお客様に近い場所だと思います。また、海外で市場の状況を見ることも叶いやすいです。そのため、海外に興味がある人も含めて、お客様の近くで働きたい人には向いている仕事だと思います。
私も配属先を決める面談で『お客様に近いところで働きたい』という希望を伝えたからこそ、今ここで仕事をしています。Hondaは個人の夢を大事にしてくれて、その結果私は今ここにいるので、今後は現地に行って三現主義*を大切にしながら仕事がしたいと思います。
いろいろな領域での仕事の経験を積み、将来は一緒に仕事をする海外のスタッフのHondaファンを増やしていけるように実力をつけていきたいと思います」
*現場、現実、現物を重視する姿勢
「各地域のお客様の代弁者として活動するために、まずは現地に行って地域の特性やお客様のクルマの使い方を身をもって体験したいと思います。
現場現物を見て、実際にどのようにお客様がHondaのクルマを使っていただいているのかを上流にフィードバックすることにより、より品質の高い商品をお客様へ提供できるのではないかと考えています。
自動車業界では100年に一度の大変革を迎え、知能化や電動化が進み、クルマの機構や使われ方は大きく変化しています。そのような変化が大きい時代であるからこそ、プライオリティ推進課で学んだ先入観を持たず、枠にとらわれない考え方を実践し、想定外をなくすことが大切です。お客様の期待を超える品質の商品をお届けするプロセスを構築していきたいですね」
入社後の歯がゆさやコロナ禍の制限などさまざまな壁を乗り越えながら成長しているプライオリティ推進課の若手社員たち。
お客様の満足度向上につながる品質改善活動の推進加速に誇りと責任を感じつつ、これからも真摯に仕事に向き合っていきます。