DREAMS 私を動かすもの

藤川拓也


F1™を支える世界一の
「パワーユニット」開発

藤川拓也

株式会社ホンダ・レーシング 四輪レース部 開発室
※ESS *1の開発を担当
*1 Energy Storage System
電気エネルギーを蓄えるバッテリーセルのほか、インバーター、DC-DCコンバーター、バッテリー制御システム(BMS)など、関連するユニットをひとつにパックした状態を指す。


藤川さん、あなたの夢は?

私は世界一のパワーユニットを開発して、F1™のワールドチャンピオンを獲ることが夢です。


夢を追いかける原動力は?

小さい時からとにかく車が大好きで、中でも、こういう速さを極限まで追求したF1™は僕の中で常に憧れの存在でした。小さい時から夢中になれるものに出合えたのって、すごく貴重なことだと思ったので、せっかくやるなら一生かけてでも携わりたい、自己実現のために目標を達成したいっていうところが夢の原動力になってます。


夢を追い求める中で苦労したことは?

一日でも早く自動車開発に携わりたいという思いがあったので、高校を卒業してすぐHondaに入社しました。ただやっぱり、即戦力になるような高い専門性があって技術開発の場に飛び込んだわけではないので、エンジニアとしてはゼロからのスタートでした。
最初の頃は、もう右も左もわからない、何がわからないのかもわからないみたいな暗中模索の日々が続いたんですが、やっぱり自分の好きなことで妥協したくない、諦めたくないという気持ちでした。
経験を積み重ねても、心が折れそうな課題によくぶつかります。できない理由を並べて楽な道を進むこともできますが、それって求められてることじゃないし、どうやったらできるのかを基軸に考えて取り組むようにしていますね。わからないことは、とことん自分が納得いくまで調べ尽くして、隅々までいろんな観点で分析し、周りの人にも納得してもらえるような結論を出すことで困難を乗り越えてきたかなと思っています。


次はどんな挑戦をしますか?

電動領域のエンジニアとして、2026年からHondaが再参戦するレースで使用されるパワーユニットの開発に携わっています。競争力の高いパワーユニットを開発して、チャンピオン獲得に貢献することをまず近い目標にしてます。
長期的な目標としては、モータースポーツも持続可能なものにしていくことです。2026年からF1™のレギュレーション(技術規則)でカーボンニュートラルの燃料を100%使用にしたり、モーターの出力を全体の半分まで上げて電動化比率を上げたりすることが規定されました。今まではF1™用の技術ってF1™でしか使えないことが正直あったのですが、F1™をはじめとするモータースポーツの目指す方向性が世の中のトレンドともリンクしているので、F1開発の中で培った高い技術をお客様の身近な商品に転用して世の中に役立てたいというところが、大きな目標になっています。

#ThePowerOfDreams#HowWeMoveYou