インテリジェント・ナイトビジョンシステムとは
まずはじめに、インテリジェント・ナイトビジョンシステムとは何かをご紹介しましょう。
インテリジェント・ナイトビジョンシステムとは、夜間走行時、見えにくい前方の歩行者を映像で表示し「音と強調枠表示」でドライバーに気づかせるHonda独自のシステムです。
Hondaは、クルマ社会の「共存安全」思想に基づき、見えにくい歩行者の存在をドライバーに知らせることで歩行者事故を未然に防ぐための技術開発に独自に取り組んでいます。
特殊なカメラで暗闇の様子をとらえる
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、特殊なカメラ(遠赤外線カメラ)を用いて人間の目では見えにくい暗闇の様子をとらえます。
音と強調枠表示を用いる理由
見えにくい歩行者の姿をただ映像で映し出すだけでは、常にその映像に注意を傾けていなければならず、前方をよく見ながら運転することができません。
そこで、インテリジェント・ナイトビジョンシステムでは映像に映し出す歩行者を「音と強調枠」で知らせる機能を持たせました。
映像に注意を傾けていなくても歩行者がいると瞬時にわかるため映像を見るのは必要なときだけですみ、前方をよく見て運転することができます。
たとえば、広い草むらの中にいるバッタも、もし音と強調枠表示があれば、じっくり画像を見つめていなくても一瞬で見つけ出せるのと同じです。
歩行者検知の様子
それでは、インテリジェント・ナイトビジョンシステムが暗闇の中で、歩行者の姿をとらえ「音と強調枠表示」でドライバーに知らせる様子を映像でご覧ください。
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、前方の様子を映像にするだけではなく、歩行者の存在をドライバーにしっかり気づかせ、歩行者事故を未然に防ぐHonda独自の予防安全技術です。
歩行者の検知範囲
さまざまな検証から、インテリジェント・ナイトビジョンシステムによる歩行者検知範囲は路上の歩行者は車両の幅 プラス左右各1.5mずつ車両の進路に向かって横断中の歩行者は前方約12度の範囲に設定。
歩行者を見分けるしくみ
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、Honda独自の画像処理により、特殊なカメラ(遠赤外線カメラ)を用いてとらえた遠赤外線映像のなかの様々な対象物から歩行者を選び出してドライバーに知らせます。
映像に白く映し出されるもの(温度の高い対象物)の大きさや形、対称性などから、歩行者ではないものを除外し、残ったものの中で、頭や肩を有するものを歩行者と判断しています。
歩行者以外の様々な対象物
- 自動車
- 看板など
- 樹木など
- 歩行者
ステレオ式の遠赤外線カメラ
インテリジェント・ナイトビジョンシステムは、 左右にカメラを配置するステレオ式を採用。
右カメラと左カメラに映った対象物の位置のズレ(=視差)
を利用して対象物までの距離を計算。
より正確で効果的な歩行者検知を行います。
右/左カメラの映像に生じる視差と対象物までの距離の関係
インテリジェント・ナイトビジョンシステムの制御の流れ
- 明るさの検知
- ナイトビジョン
システムが起動 - ステレオカメラで
対象物をとらえる - 画像処理
- ヘッドアップ
ディスプレイに表示
独自の工夫を施したヘッドアップディスプレイ
インテリジェント・ナイトビジョンシステムでは、
走行中の視認性を高めるため、
運転中の視線の移動も少なく、見やすい位置に
ドライバーの視界を妨げないコンパクトな
ヘッドアップディスプレイを配置。
映像の表示には凹面鏡を用いることで、実際のディスプレイの
位置よりも遠くに焦点を結べるようにし、
視点移動量が少なくなるように工夫を施しています。
ドライバーの運転支援機能のため、各機能の能力(認識能力・制御能力)には限界があります。各機能の能力を過信せず、つねに周囲の状況に気をつけ、安全運転をお願いします。車両をご使用になる前に必ず取扱説明書をお読みください。各システムは、いずれも道路状況、天候状況、車両状態等によっては、作動しない場合や十分に性能を発揮できない場合があります。
車種や発売時期によって本ページの説明とお客様所有の車両の機能が異なる場合があります。 実際の機能は取扱説明書をご確認ください。
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