目指したのは「疲れにくく」、「快適」なシート
なぜ、座り続けると疲れるのでしょうか。
「運転すると疲れる」という問題に、Hondaはこれまでも
軽量化や振動特性などの観点から疲れにくいシートを世に送り出してきました。
今回開発したボディースタビライジングシートは、そうしたシート自体の研究に加えて、
シートに座る「ヒトの研究」を実施、疲れにくい着座姿勢と支え方を突き止めました。
座った瞬間に収まりが良く、走行中に体が安定することで、運転操作がしやすいから疲れにくい。
キーポイントは
骨盤を安定させること
ヒトと疲れの関係を徹底的に研究したことで完成した、疲れにくく、快適なシートです。
骨盤をしっかり支える
新フレーム構造
「骨盤の安定」のポイントは、
骨盤が後ろに倒れないように、また左右にぐらぐらしないようにしっかり支えること。
骨盤を適切な角度に保つ新フレームを採用しました。
シートを進化させた
3つのアプローチ
01 座りやすさ
ボディースタビライジングシートは、しっかりとした構造としなやかなクッションを組み合わせ、適度にたわみつつ底づきしない、体のおさまりの良さにつながる状態を作り出しています。
新採用のサスペンションマットと厚みを持たせたウレタンパッドで、
より座りやすく、安定した座り心地を実現。
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一般的なシート
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ボディースタビライジングシート
側面からもしっかり支え、骨盤のズレを防ぐ構造
ボディースタビライジングシート (後ろからみた着座イメージ)
02 運転しやすさ
ボディースタビライジングシートに座ると骨盤が安定し路面の凹凸やコーナー進入時の上体の動きが安定するので、ステアリングやペダル操作をしやすくなります。
例えばコーナーへの進入でクルマの揺れにつられて上体がぶれると、ステアリングと体の位置関係が変わってしまい、操作がしにくくなります。
ボディースタビライジングシートは運転しやすい姿勢を保ちやすい構造となっています。
コーナー進入時の運転姿勢(イメージ)
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骨盤支持が不足している
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骨盤支持が安定している
ボディースタビライジングシートは、コーナー進入時などにも状態を安定させ、運転しやすい。
03 疲れにくさ
ボディースタビライジングシートが疲れにくいのは、骨盤が後傾しないようにしっかり支えるからです。疲れの原因のひとつは、ひざが曲がって背中が丸まりシートから浮いてしまうこと。
長時間運転しても、骨盤が後転せず、腰や背中が快適な姿勢のまま運転できるようにフレーム構造を見直しました。
ボディースタビライジングシートの新構造で骨盤の後転を抑え、長時間でも疲れにくい運転姿勢が可能です。
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一般的なシート
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ボディースタビライジングシート
コラム
骨盤の後転とは?
後ろに向かって傾くこと。傾きすぎると背骨が曲がり、背中がシートから浮いてしまう。
その姿勢で前を見ようとすると、首を上に持ち上げなければならず、首や肩が凝る原因になる。
Hondaのこだわり
「さまざまな姿勢、
体型にフィットするように」
「骨盤の安定」を導いたヒトの研究
軽量化や振動特性など、シートそれ自体の研究から「ヒトの研究」に着眼点を切り替えたのが、疲れにくいシートを生むためのブレイクスルーでした。疲れやすい、疲れにくいといった主観的な評価だけではなく、血流量や筋硬度、骨格の動きといった客観的なデータを用い、疲れに繫がる身体負担を解明しました。膨大なテストを行った結果、骨盤をしっかり支えて安定させることが、様々な疲労の軽減につながることがわかったのです。
疲れやすさの傾向
身体的特徴と疲れに繋がる負担の関係
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①下肢だるさ
太ももの長さが短い人や足を開いて座る人はシートによって膝裏が圧迫されやすく下肢のだるさが起こりやすい
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②座骨の痛み
体が硬く前屈しにくい人はお尻が前にズレやすいため座骨に剪断力がはたらいて痛みが起こりやすい
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③第5腰椎の痛み
力を抜いて座った時に腰が丸まりやすい人は腰椎と仙骨の境目の痛みが起こりやすい
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④腰骨盤の鈍痛感
力を抜いて座った時に腰が丸まりやすい人は腰や骨盤に体圧が集中しやすく圧力による痛みが起こりやすい
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⑤首肩のハリ
力を抜いて座った時に背中の丸まりが大きい人は首肩の筋肉のハリが起こりやすい
ボディースタビライジングシート 開発担当
本田技術研究所
中島啓
「ヒトを研究してわかったのは、色々な姿勢の人がいることでした。
体が固い人もいれば、柔らかい人もいました。そして疲れも人によって様々です。
ボディースタビライジングシートは、運転する人のさまざまな体の特徴であることを踏まえ、
カバーする範囲を広げているのも特徴です」
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