災害時、もしもの知識が、私たちを救う。

災害時、もしもの知識が、私たちを救う。

地震、津波、大雪のような災害が発生した時もし、自動車に乗っていたらどうすればいいのか。どんな時も安心して自動車に乗るために災害の知識を身につけましょう。

このような時、
自動車に乗っていたら
どうしたらいいの?

災害に備えて、準備をしよう

自動車の乗車中に災害に遭遇した時のために、
自動車のトランクや車内に
防災用品を備えておくと安心です。
下にあるチェックリストを参考に、
災害時に役立つ防災用品を確認しましょう。

※用品は保存状態によって劣化する場合がありますので、
必ず定期的な点検をしましょう。
※いずれも直射日光のあたる場所には置かないでください。

防災グッズリスト

  • 保存食
    保存食
    車内にも最低限の食料を備蓄。
  • 保存水
    保存水
    車内にも最低限の飲料水を備蓄。
  • カイロ
    カイロ
    寒さを和らげ、体温の低下を防ぐ。
  • マスク
    マスク
    感染症対策、また冬の乾燥対策。
  • 軍手
    軍手
    作業をする際、手を保護。
  • 携帯トイレ
    携帯トイレ
    長時間車内から出られない際の簡易トイレ。
  • ティッシュペーパー
    ティッシュペーパー
    トイレとセットで準備。
  • 緊急用ホイッスル
    緊急用ホイッスル
    緊急時に鳴らし、周囲に助けを求める。
  • 防寒ポンチョ
    防寒ポンチョ
    防寒対策、レインウェア、着替えの目隠し。
  • 簡易ライト
    簡易ライト
    非常灯や危険箇所のマーカーに。
  • 伝言カード
    伝言カード
    車を離れる場合に連絡先などを記入し見える場所に置いておく。
  • 毛布
    毛布
    エンジンをかけていない車内の防寒対策。
  • 緊急脱出用ハンマー
    緊急脱出用ハンマー
    車内に閉じ込められた際、脱出に使用。
  • 手回し発電機
    手回し発電機
    携帯電話の充電などに使用。

Hondaでは、いざという時のため車内に備えておくと
便利な以下商品も取り扱っています。

・緊急脱出ツールレスキューマン®Ⅲ > ・防災安心セット > 監修:東北大学災害科学国際研究所 奥村 誠教授

災害時の車中泊の過ごし方

災害時の避難方法としても注目される車中泊。
災害時に車中泊を余儀なくされた場合、安全・安心・快適に車中泊するには、どうすればいいのでしょうか。
災害時の選択肢として車中泊を取り入れるための知識を学びましょう。

車中泊を安全・安心に行うために

車中泊は行い方を間違えると危険を伴ってしまうことがあります。
気をつけるポイントを学び、安全に車中泊を行いましょう。

1.エンジンを停止させ、マフラーの周りに注意を!

車の排気ガスが車内に侵入(逆流)することで一酸化炭素中毒が引き起こされる可能性があります。
そのため車中泊をするときにはできればエンジンを停止しておくと安心です。
 また、一酸化炭素中毒を誘発しないためには、駐車する場所や車のマフラー周囲の環境に注意が必要です。マフラー周囲に壁・堀・草むらなどの遮蔽物や可燃物がない場所を選ぶこと、 冬時期においては、マフラー周囲に雪が積もらないような状態にしておくことが大切です。

2.なるべく足を延ばした寝姿勢を確保しましょう。

車内で長い時間座った姿勢を保ち続けることは「エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)」を招きます。エコノミークラス症候群は車中での避難生活にて体調を崩し、時には死に至る一番の要因となっています。このエコノミークラス症候群を避けるためには、座姿勢で寝るのを避け、足を延ばした寝姿勢を確保すること、意識的に車外で過ごす時間を増やすことが大切です。


快適に車中泊を過ごすために

災害時だからこそ、なるべくストレスを溜めない工夫が大切です。
事前の準備で、少しでも安心して快適に過ごせる環境を整えましょう。

プライベート空間の確保

窓に目隠しをすることは、プライバシーを確保できるだけでなく、防犯面においても非常に重要です。
車内が外から見えないというだけで、リラックス度は大きく変わりプライバシーの確保は心の余裕に繋がります。

快適に車中泊を過ごすために
  • 人通りが少ないところに車を停める

    原則として人通りや車両交通量が多い道などでの駐車は避けておきたいもの。他者への迷惑を避ける、プライバシーを確保する上で駐車に適した場所(空地・避難所・駐車場)を事前に調べておきましょう。

  • 季節に応じた素材で車の窓を覆う

    車中での避難生活をする時に外から車内が見えない(見にくい)ように窓を覆っておきたいものです。夏であれば日差しや熱を反射してくれる銀色のレジャーシート。冬であれば断熱性の高い毛布など季節に応じた素材を使用することがポイント。

  • 耳栓、アイマスクの準備

    車中泊時の課題の一つが良質な睡眠をいかにして確保するかということ。ガラス窓で覆われている車は光(太陽光、街灯など)の影響や音の影響を受けやすい環境となります。そこで有効なのが耳栓・アイマスクといったアイテムです。

車内をできるだけ水平に

車内を水平に保つことは車内を快適に過ごすために必要です。
また、車内は凹凸があるため、そのまま寝ると、体に負担がかかってしまいます。

車内をできるだけ水平に
  • 駐車する場所は水平かどうか

    非常時において人の感覚(五感)は敏感となりやすいものです。車が傾斜していると、その微妙な傾きを体が感知。体への負担(体の筋肉緊張)や睡眠障害を引き起こす大きな要因となります。なるべく平らな場所を選んで駐車するように心がけましょう。

  • 水平な寝姿勢を保つために、
    厚みのあるマットレスの活用

    車中避難生活にて、特に気を配っておきたいのが適切な寝姿勢の確保です。座席部などには凹凸が存在します。そのままの状態では適切な寝姿勢を確保することができません。水平な寝姿勢を保つために、厚みのあるマットレスの活用が効果的です。

  • 就寝時、足元のスペースを埋め、
    足と身体をできるだけ同じ高さに

    フルフラットシート(座席を倒して平らな状態を確保できる機能)が採用されていない車種も一部あります。そのような機能を有していない車の場合はタオル・クッションなどを利用して少しでも平らな寝姿勢を確保するように心がけましょう。快適性を保つだけでなく、エコノミー症候群の防止など安全・健康維持に役立ちます。

季節ごとの準備をしよう

車中泊を行うのに適している季節は気温の影響で春と秋になります。
夏と冬は外気と比較して車内は気温・湿度が体調を害する危険な状態に。
季節に応じた車中泊用の準備を整えておきましょう。

季節ごとの準備をしよう
  • 夏の対策

    夏の車内は熱中症(熱射病・日射病)に要注意です。熱中症を防ぐためには「車内の温度を下げること(通風)」「湿度を下げること(換気)」「強い日射を防ぐこと(遮光)」の3つの対策が必要不可欠に。車中泊用の対策アイテムを準備しておきましょう。また適度に発汗を促すことも熱中症防止のポイントに。発汗に伴い水分だけでなく塩分が失われますので「梅干し・塩昆布」などを用意・摂取することも健康維持に繋がります。

  • 冬の対策

    冬は低温による悪影響(低温障害)に注意が必要になります。特に冬の夜間はガラス面からの冷気を防ぐことが大切に。断熱性の高い毛布を用意・活用しましょう。また車内で火を使用することは厳禁。使い捨てカイロ(足元用)と寝具(羽毛)での対策が効果的です。また体内を温めることも重要視しておきたい要素。体を冷やす食品(陰性食品)を避け、体を温めてくれる食品(陽性食品)を意識的に摂るようにするのも効果的です。

●監修者
BAUMPLANNING一級建築士事務所
一級建築士 榑林 宏之(くればやし ひろゆき)
*地震防災研究家(自然災害・防災関連情報発信)