開催日:10月29日(土)
Hondaは、2018年から「富士山の森づくり」100年のプロジェクトに参加しています。
今回は本年2度目となる活動として、自然災害や獣害から木々を守る害獣対策ネットの補修作業を行いました。自然について学びながら、仲間や家族といつもとは異なるコミュニケーションをとり、森を守る活動の輪が広がった当日の様子をご紹介します。
富士山2合目あたり、ここは元々針葉樹(シラベ)の人工林。木材を生産するために、人の手で苗を植えて、育てた森でした。しかし、 2002年に蛾の幼虫が大発生し、シラベの人工林100haが枯れてしまったのです。そこで、このような被害が森全体に拡大するのを防ぎ、環境の変化に強くするため、この場所を多様性の高い針葉樹と広葉樹の混じった森「針広混交林」に誘導することを目指し、「富士山の森づくり」活動が始まりました。
しかし、目指す姿になるには100年の月日が必要です。15年前から始まった活動はまだ、道半ば。鹿に食べられてしまったり、台風で倒れてしまったり、倒木が邪魔をしていたり……。若い木が成長するまでにはいろいろな出来事が起こります。そのようななか、森が荒廃しないよう、木々が自律的に成長できるようになるまで、手をかけてサポートする必要があるのです。
活動地の富士山には、予定よりも遅れて到着。そのため開会式は行わずに、早速活動場所に移動します。
紅葉やすすきなど、参加者は秋の森を楽しみながら進んでいきます。
数日前に雪が降ったという森の中は、積もった雪も溶け、活動には最高のコンディション!
初参加のご夫婦は、想像していたよりも山の中、かつ倒れた木々をたくさん目にして「こんなところで作業していたとは!」と驚きの声を上げていました。
活動場所に到着すると、数人ごとのチームに分かれ、作業をスタート。今回は、風や野生動物などによって倒れたり壊れたりした害獣対策用のネットを補修します。家族のチームや初めて出会った従業員同士のチーム、以前からの仲間同士など、チームメンバーもさまざま。協力し合って、作業に取り組みます。慣れない参加者も、不明点を自ら指導員に聞くことでコツを掴み、どんどん作業スピードをアップ。目の前の木々と向き合い、真剣に補修作業を行っていました。最後には、予定していたエリアのほとんどを補修完了!自然の中で一汗かいて、明るい表情で現場を後にしました。
活動前は倒れたり傾いたりしていた木々でしたが、網や竹で支えられ、再びまっすぐ成長していける状態に。ネットがあることで鹿など、木々を食べる動物からも守られます。木々が整然と並び、森の中もすっきりとした姿に生まれ変わりました。
初めて「富士山の森づくり」に参加した人の多くがまず驚くのは、こういった地道な作業によって森が支えられているという事実です。これまで社会貢献活動に参加したことがなかったというご夫婦は、「今回の活動を通じて、木を守っている人がいるからこそ豊かな自然が守られているということに改めて気づきました」と新鮮な驚きに出会えた様子。「地球全土にこういった活動を広めていかないと!」と、次回もまた参加する意欲を覗かせていました。また「富士山に惹かれて参加した」という方は「最初に見たときは何のための網なのかがわかりませんでしたが、説明を聞いたことで網が必要な理由がわかりました」と、害獣対策の大切さを学べたと話していました。
「富士山の森づくり」には、社会貢献活動で知り合った仲間と共に、数年前にも参加しました。その仲間と一緒に、当時植えた苗木が成長している姿を目にすることができ、とても嬉しく思っています。社会貢献活動は、同じ目的で集まった仲間とワイワイ活動できることが魅力。これからも仲間と共に、活動に参加していきたいと思います。
右から、熊谷さん、加藤さん
子どもたちが自然に触れられる良い機会だと思い参加しました。普段は何気なく通り抜けている森林にも、こういった人の手による地道な活動があったことを知ることができてよかったです。子どもたちも、体験を通して自然の大切さを体感できたと思うので、活動後も今日体験したことを思い出してもらえたらいいなと思います。
山岡さんご家族
これまで他の活動には参加したことはあったのですが「富士山の森づくり」には初参加です。実際取り組んでみて、1つやるにもこんなに時間がかかるとは思いませんでしたが、きれいに網が立てられるとうれしいですね。ボランティアとして社会貢献活動に参加できるだけでなく、家族みんなで何かに取り組むことは滅多にないので、みんなでひとつのことに取り組めたことも嬉しかったです。
太田さんご家族
今回は従業員のみならず、ご家族やお子様にも参加頂けて良かったと思っています。渋滞で到着が遅れるハプニングがありましたが、プログラムとして設定していた範囲の修復をほぼ終えることができました。
みなさんの活動時の集中力には驚きました。今後も、従業員にもっと社会貢献活動に興味を持って頂き、従業員のご家族も含め、より多くの方に参加者頂けるよう活動を継続していきます。
総務部部長 稲村さん
自然は放っておけば、
勝手に理想の姿になるわけではありません。
今回の参加者は、自然に近い理想の森を作るために、
多くの手間暇がかけられていることを感じ取ってくれたようです。
また活動を通して、普段出会わない人たちと
想いを一つにして活動することの楽しさややりがいを感じたという人も。
活動中のコミュニケーションが、森林保全活動について
考えをより深める機会となっていました。
常に数十年先を想うHonda。
これからも森林保全活動を継続することで、豊かな未来を守り続けます。