本田技研工業(株)は、国際車として高い評価を得ているシビック・バラードシリーズに、世 界最高峰の自動車レースであるF-1レースで培かったホンダ独自のエンジン技術を基に開発し た小型高性能DOHC・16バルブエンジン(1590cc)搭載の「ホンダシビック・Si」 と「ホンダバラードスポーツCR-X・Si」をタイプ追加し、シビックはホンダ店から、バラ ードはベルノ店から11月1日より発売する。
このDOHCエンジンには、市販乗用車で世界初の4バルブ内側支点スイングアーム方式のシリンダーヘッドを採用。これは、カムシャフトをバルブの内側に配置し、ピボットを支点にしたスイングアームがバルブを作動させるもので、これにより吸気バルブで10.3mm、排気バルブで9.0mmの(※)ハイリフトを達成。吸排気効率を大幅に向上させ高回転・高出力化を実現させるとともにシリンダーヘッドのコンパクト化を実現。また、カム形状に沿って内部を肉抜きした、世界初の異形中空カムシャフトや小型軽量の4連アルミシリンダーブロックを採用するなど数々の軽量化を計り、高性能と小型軽量化を両立。さらに、火炎伝播と燃焼効率にすぐれたペントルーフ形燃焼室やセンタープラグ方式の採用、吸排気の脈動効果にすぐれた等長インテークマニホールドや4-2-1-2のエキゾーストシステムの採用などが相まって、135PS/6,500rpmの最高出力と15.5kg-m/5,000rpmの最大トルクを実現させるとともに、14.8km/l(10モード走行燃料消費率 運輸省審査値・5速マニュアル車)のすぐれた燃料経済性を同時に達成。
サスペンションは、フロントに操縦性・回頭性にすぐれたトーションバー・ストラット式サスペンションを、リアには路面追縦性にすぐれたトレーリングリンク式ビームサスペンションを採用。また、新設計の等長ドライブシャフトを採用し、DOHCのパワーを均一に前輪に伝え、発進時やコーナーリング時の安定性をさらに高め、スポーティな走りを可能としている。
スタイルは、DOHCの力強い走りを印象づけ、空力的にもすぐれたデザインのパワーバルジ付ボンネットやボディカラーと同色のカラードバンパー(シビック・Si)など高性能にふさわしいデザインとしている。
これにより、シビック・バラードシリーズは、58年9月のフルモデルチェンジで明快な個性としたシリーズをさらに充実させ、より走りをもとめるお客様の要望にも答えられるものとなった。
- ※バルブの開口面積を広くとることにより、多量の混合気を吸入し高出力化を可能とするものである。
その他の主な特長
- ○エンジンオイルの温度上昇を抑え、ハードな走行でのエンジンの信頼性をいっそう向上させる水冷多板式オイルクーラーを装備。
- ○DOHCのパワーをダイレクトに伝達し、パワフルな加速と小気味よいレスポンスを発揮するロックアップ機構付ホンダマチック3速フルオートを採用。
- ○DOHCのハイポテンシャルを最大限に発揮させる185/60R14のスチールラジアルタイヤを装備。
- ○フロントブレーキは、高速走行時や連続したブレーキング時などに、放熱効果や耐フェード性にすぐれたベンチレーテッド・ディスクブレーキとセミメタルブレーキパッドを採用。
- ○ハードな走りでも、すぐれたホールド性が得られる、サイドサポートアジャスター付ドライバーズシートを装備。
- ○高速走行時、後輪にダウンフォースを与え接地性を高めるリアスポイラーを装備(CR-X・Si)。
販売計画(国内・月間予定)
シビックシリーズ 12,500台(うちSiタイプ 2,000台)
バラードシリーズ 1,500台(うちSiタイプ 900台)
価格表
(単位:千円)
車種 | クラス | タイプ | 東京 | 名古屋 | 大阪 | 福岡 | 仙台 | 札幌 |
シビック | 1600 | Si | 1376 | 1378 | 1382 | 1397 | 1392 | 1410 |
バラードスポーツCR-X | 1600 | Si | 1503 | 1505 | 1509 | 1524 | 1519 | 1537 |
注
1.価格表はマニュアルミッション車。
2.ロックアップ機構付ホンダマチック3速フルオートは、5万円高。CR-X・Siはサンルーフ仕様に設定)
3.4ウエイスモークドガラスサンルーフは、4万円高。(シビックSi)
4.電動アウタースライドサンルーフは、8万円高。(CR-XSi)
※5.ブロンズガラス+アルミホイールは、6万円高。(シビックSi)
※6.パワーステアリング-ブロンズガラス+アルミホイールは、10万円高。(シビックSi)
7.フェンダーミラー仕様車は、上記価格表より△5千円。(※ドアーミラー車にセットオプションで設定)
主要諸元表
車名・型式 | シビック・Si ホンダ・E-AT | バラード・Si ホンダ・E-AS | ||||
トランスミッション | 5速マニュアル | ● | ● | |||
ロックアップ機構付 ホンダマチック 3速フルオート (オーバードライブレシオ) |
● | ● | ||||
寸法・重量 | 全長(m) | 3.810 | 3.675 | |||
全幅(m) | 1.630 | 1.625 | ||||
全高(m) | 1.340 | 1.290 | ||||
ホイールベース(m) | 2.380 | 2.200 | ||||
トレッド(m) | 前 | 1.400 | ||||
後 | 1.415 | |||||
最低地上高(m) | 0.150 | |||||
車両重量(kg) | 890 | 900 | 860 | - | ||
サンルーフ装着車 | 900 | 910 | 870 | 880 | ||
パワーステアリング装着車 | 900 | 910 | - | - | ||
サンルーフ パワーステアリング装着車 |
910 | 920 | - | - | ||
乗車定員(名) | 5 | 4 | ||||
客室内寸法 | 長さ(m) | 1.790 | 1.510 | |||
幅(m) | 1.370 | 1.340 | ||||
高さ(m) | 1.100 | 1.075 | ||||
エンジン | エンジン型式 | ZC | ||||
エンジン 種類 | 水冷直列4気筒横置(無鉛ガソリン使用) | |||||
燃焼室形式 | ルーフ形 | |||||
弁機構 | DOHCベルト駆動 吸気2排気2 | |||||
総排気量(cm3) | 1.590 | |||||
内径×行程(mm) | 75.0×90.0 | |||||
圧縮比 | 9.3 | |||||
燃料供給装置形式 | 電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI) | |||||
燃料ポンプ形式 | 電動式 | |||||
燃料タンク容量(l) | 45 | 41 | ||||
潤滑油容量(l) | 4 | 4.0 | ||||
潤滑方式 | 圧送式 | |||||
点火装置形式 | フル・トランジスタ式 | トランジスタ式 | ||||
性能 | 最高出力(PS/rpm) | 135/6,500 | ||||
性能 最大トルク(kg-m/rpm) | 15.5/5,000 | |||||
性能 燃料消費率(km/l) 10モード走行 (運輸省審査値) |
14.8〔14.4〕 | 11.6〔11.6〕 | 14.8 | 11.6 | ||
性能 燃料消費率(km/l) 60km/h定地走行 (運輸省届出値) |
23.5〔22.5〕 | 22.0〔21.5〕 | 24.5 | 23.0 | ||
性能 最小回転半径(m) | 4.5(車体4.9) | 4.3(車体4.7) | ||||
性能 制動停止距離(m) 初速50km/h時 |
14.0 | |||||
動力伝達装置 | クラッチ形式 | 乾式単板 ダイヤフラム |
トルクコンバータ 3要素1段2相形 |
乾式単板 ダイヤフラム |
トルクコンバータ 3要素1段2相形 |
|
変速機形式 | 常時噛合式 | |||||
変速機操作方式 | フロアチェンジ式 | |||||
変速比 | 1速 | 3.181 | 2.550 | 3.181 | 2.550 | |
2速 | 1.944 | 1.560 | 1.944 | 1.560 | ||
3速 | 1.304 | 0.911 | 1.304 | 0.911 | ||
4速 | 0.965 | - | 0.965 | - | ||
5速 | 0.812 | - | 0.812 | - | ||
後退 | 3.000 | 1.954 | 3.000 | 1.954 | ||
減速比 | 3.866 | 3.588 | 3.866 | 3.588 | ||
カジ取り形式 | ラック&ピニオン式 (パワーステアリング装着車はパワー仕様) |
ラック&ピニオン式 | ||||
タイヤ(前/後) | 185/60R14 82H | |||||
主ブレーキの 種類形式 |
制動倍力装置 | 油圧真空倍力式 | 油圧真空倍力装置 | |||
前 | ベンチレーテッドディスク | |||||
後 | リーディングトレーリング (デュアルPCV.ライニングオートアジャスト機構付) |
|||||
作動系統及び制動車輪 | 2系統式 前右1輪 後左1輪 前左1輪 後右1輪 | |||||
制動力制御装置形式 | プロポーショニング装置 | |||||
懸架方式 | 前 | ストラット式 | ||||
後 | 車軸式 | |||||
スタビライザー形式(前/後) | トーションバー式 |
●〔 〕内はパワーステアリング装着車の数値です。
●燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの数値です。実際の走行時には、この条件(気象、道路、車両、運転、整備などの状況)が異なってきますので、それに応じて燃料消費率が異なります。
●道路運送車両法による新型車届出書数値
お客様からのお問い合わせは、 「お客様相談センター 0120-112010(いいふれあいを)」へお願い致します。