Hondaの10年後をつくる仕事をやりとげたい“ワガママ”なブランドプランナーが描く未来

Hondaの10年後をつくる仕事をやりとげたい
“ワガママ”なブランドプランナーが描く未来

とう 懌楠いなん / Tao Yinan

四輪事業戦略統括部 事業戦略部 プロダクトブランド戦略課

CAREER
  • 2017年

    本田技研工業株式会社 入社

  • 2018年

    中国本部 中国業務部 四輪営業課 現地拠点担当

  • 2019年

    四輪事業本部 業務推進部 輸出企画課 輸出業務担当

  • 2020年

    四輪事業本部 営業統括部 第一営業部 欧州課 生販・荷繰り担当 ※その後「第二営業部 欧州・アフリカ中東課」に組織変更

  • 2023年

    電動事業開発本部 四輪事業戦略統括部 事業戦略部 マーケティング企画課 ブランド施策担当 ※その後「プロダクトブランド戦略課」に組織変更

中国を出て、外の世界をみたい

私は中国の上海出身で、大学と大学院で工業デザインを学びました。日本に興味をもったのは、第二外国語で日本語を履修していたのもありますが、卒論を書くときに日本の文献を参考にすることが多く、内容をきちんと理解して読みたいと思ったのがきっかけです。そのとき、外国語を習得することで世界が広がるのを実感し、イタリアへ1年留学もしました。

海外志向はもともと強く、ずっと中国を出たいと思っていました。このまま上海で暮らすと考えたとき、自分の20年後の姿を簡単に想像できてしまい、物足りなさを感じました。あえて異なる環境に身を置き、刺激を受けて成長したい。予測不能な未来に可能性を感じ、海外での就職を目指しました。

ワガママな人がたくさんいるから大丈夫

欧米で働く選択肢もありましたが、イタリア留学で、欧州のゆったりとした雰囲気に少し戸惑いを感じました。とにかく速く成長したい自分にはアジアのスピード感が合っている。そう思って、工業デザインが強いイメージのあった日本での就職を考えました。就活ではたくさんの企業をみましたが、ものづくりに誇りをもっているHondaだったら、大学で学んだことが活かせそうと思い、応募しました。

今でも覚えているのが、採用面接で「人生の狭さと退屈さを感じます。ずっと、地元の上海に留まれば、40歳の自分が想像できてしまい、それは嫌なんです」と伝えたところ、面接官に「陶さんはワガママですね」と言われたことです。良い意味なのか悪い意味なのか戸惑いましたが、続けて「大丈夫、Hondaにはワガママな人がたくさんいますから」と声をかけてくれました。ありのままの自分を受け入れてくれる企業がこの世界にあって、そこに出会えたことが素直に嬉しかったです。実は両親に黙って北京まで面接を受けに行きましたが、採用が決まったとき、両親は私以上に喜んでくれて、「やりたいようにやりなさい」と送り出してくれました。

入社2年目で入社式の司会に大抜擢。新入社員1350人を前に堂々と司会進行を務めた。入社2年目で入社式の司会に大抜擢。新入社員1350人を前に堂々と司会進行を務めた。

新グローバルEV「Honda 0シリーズ」の担当に

入社後は海外営業部門に配属されて、中国を皮切りに欧州やアフリカなど、さまざまな地域の営業を担当しました。行ったことのない国や地域の文化に触れられるのが楽しく、国や文化を越えてサポートできる仕事は達成感がありました。2023年からは、「Honda 0シリーズ」に携わり、ブランディング構築や発信施策を担当しています。

Hondaでは、「2Wayコミュニケーション」と言って、定期的に上司と1on1で話す機会があります。これまでを振り返り、成果や今後について話し合うのですが、中国・欧州での国担当の経験を踏まえ、会社の事業を俯瞰してみることができるマーケティング領域への異動の意向を伝えた結果、異動が実現し、今に至ります。海外営業を5年ほど経験したおかげで、グローバルな視点をもって、海外ユーザーの気持ちを理解できる点が、自分の強みだと思います。

keyword2Wayコミュニケーション

Hondaの評価制度は本人による実績申告と、上司からのフィードバックを幹とした2Wayコミュニケーションをベースにしている。双方の考え・想いをすり合わせ、相互信頼関係の構築を図りながら、自律的なキャリア形成の支援を行う。

中国EVの存在感と手ごたえ

今年の4月に開催された北京モーターショーでは、EV市場における各社の競争の激しさと、中国の存在感を肌で感じました。EV大国と呼ばれる中国は、自分のルーツでもあり、無視できない存在です。中国のEVブランドは、製品やサービスがどのような価値をもたらすかを上手く伝えていて、参考にしたいところがたくさんありました。

もちろんHondaも負けていません。新興のEVブランドにはない、信頼と安定感がHondaにはあります。「Honda 0シリーズ」を通じて、Hondaの挑戦する姿を、中国だけでなく世界中に示すことができたのは本当に良かったと思います。

中国EVの存在感と手ごたえ

オープンマインドな社風に救われた

入社してからずっと感じているのが、会社の皆さんがオープンマインドであることです。日々の会話に欠かせない言語について、入社当初は日本語が上手に話せず、尊敬語や謙譲語の使い方を間違えることが多くありました。そういった状況の中、周りの皆さんは注意するのではなく、優しく「これはこう言った方がいいですよ」といった形で教えてくれ、日々のこまめなアドバイスはとても助かりました。おかげで、日本語はだいぶ上達しました。

また、意思疎通にあたり、中国は思ったことをストレートに伝える文化であるのに対し、日本は空気を読む、周りにあわせることが重視されます。自分の意見を遠慮すべきか、自分はいったいどうあるべきなのか、アイデンティティに悩んだ時期もありました。しかし、Hondaには「ワイガヤ」「山ごもり」の文化があり、自分の意見をはっきり伝えることが歓迎される社風があります。普段の業務でも、個々の困りごとや要望も重視してくれることから、遠慮せずに、まわりとちがう意見を言ってもいいんだ、これまでの私のアイデンティティのままでいいんだと気づき、気持ちがラクになりました。

keywordワイガヤ

「夢」や「仕事のあるべき姿」などについて、年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論するHonda独自の文化。

keyword山ごもり

通常の業務と異なる空間にこもり、創造力を働かせ、議論に集中することで、テーマのアウトプットを目指すHonda独自の文化。日帰りに加え、保養施設に宿泊するケースもある。

常にチャレンジしながら、可能性を広げたい

Hondaの転換期を象徴する「Honda 0シリーズ」に携わることは、5年後、10年後を見据えた責任の重い仕事です。私の小さな決断の一つひとつが、将来的にお客様が抱くブランドイメージを左右しかねない。責任を強く感じる一方、大きなモチベーションにもなっています。

上海を離れて、常に新しいことに挑戦しながら成長したいという想いは、着実に叶えられています。将来的には、海外のお客様とより近い距離でコミュニケーションを取る現場最前線での業務もチャレンジしてみたいです。幅広い業務に携わり、多くの人たちとの関わりを深めながら、これからも自分の可能性を広げていきたい。それがいまの私の目標です。

常にチャレンジしながら、可能性を広げたい

わたしのワーク・ライフ・バランス

趣味はランニングです。コロナ禍をきっかけに始め、すっかりハマり、出張のときも、ウェアとシューズは持参します。毎週水曜日はトレーニングの日と決め、必ず定時で上がります。チームも私の趣味を理解してくれ、水曜夜はミーティングなどの予定を入れないよう配慮してくれてありがたいです。

※取材内容、および登場する従業員の所属は取材当時のものです。

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