ウィリアムズ
フランク・ダーニー氏へのインタビュー

2025年2月にウィリアムズ・ヘリテージ・ガレージにて

私はフランク・ダーニーです。1978年から1988年まで、そして2000年代初頭にもウィリアムズに在籍していました。

先日、ウィリアムズのヘリテージ・カー・ビルド・マネージャーのジム・バーカーから電話をもらい、「ちょっと遊びに来られないか?」と誘われ、ファクトリーにうかがいました。現在ウィリアムズでは、グッドウッドに向けてFW11を組み立て中です。この一台は日本のHondaから運ばれてきたもので、1987年以来、これほど多くのFW11が一堂に会しているのを見たのは初めてです!

ご存知のとおり、私がいた当時はチームが非常に小規模でした。私はこれらFW11のエアロダイナミクスのすべてを手がけました。当時はあの広々とした風洞に、私とモデル製作者のふたりしかいませんでした。テストもすべて私が担当していて、冷却や流量といった観点から、エンジンの搭載作業も行いました。そして、すべてのレースに赴き、レースエンジニアとしてマシンを担当していました。いま思えば、なかなか面白い話ですよね。いまならそうした役割を約300人が分担して担っているのでしょうが、当時はひとりかふたりでこなしていたのです。

(当時のF1と現在の違いについては)全く見当がつきません。引退してから15年も経つので、いまの状況はよく分かりません。当時、私はテスト作業をかなり楽しんでいましたし、今ではちょっとそうではなさそうですね。その代わりシミュレーションがはるかに多く行われるようになっており、それは素晴らしいことだと思います。ただ、個人的にぜひ知りたいことがあります。レースカーの挙動には絶対に欠かせないふたつの要素があるのですが、シミュレーターでそれらをどのようにモデル化しているのか、私には分かりません。私が現役だった頃は、間違いなく不可能でした。ですから、F1マシンのハンドリング、グリップ、そしてラップタイムに影響を与える最も重要なふたつのパラメーター――それらがシミュレーターでどのようにモデル化されているのか、ぜひ知りたいですね。というのも、15年前にはそれは不可能だったからです。少なくとも、ある程度の精度で再現することはできませんでした。

今日、ウィリアムズを訪れて、最初に思ったのは「昔の仲間たちに会えて嬉しい!」ということでした。ここで働いている皆さん全員のことです。長年一緒に仕事をしてきた人たちです。本当に、彼らに会えて懐かしくて嬉しいですね。当時は斬新だったアイデアの記憶が蘇りますが、もちろん今ではもう決して新しいものではありません。

当時のF1の世界では、マシンに関するデータなど何ひとつありませんでした。ですから、マシンにどのような手を加えるかという私の判断は、ドライバーの感想を私がどう解釈するかにかかっていたのです。

そして、メカニックたちへの作業リストが出されると、私は彼らがマシンに手を加えている間、何か質問があったり、作業方法を確認したい場合に備えてそばで待機していました。だって、私はマシンのことを隅から隅まで知り尽くしていたからです。チームにはふたりのエンジニアがいました。チェックアップを行ったり、規定に適合しているか確認したりしている間、あちこち歩き回って他チームのマシンを覗き見たり、顔見知りのエンジニアと話をしたりしていました。しかし今では、誰かと話すこと自体が許されていないみたいですね。

ウィリアムズに在籍していた10年間、私たちは多くのレースや選手権で勝利を収めていましたから、本当に良い思い出がたくさんあります。素晴らしい時代でした。

私はテストのほとんどを担当していたので、すべてのドライバーと仕事をしました。なかでもアラン・ジョーンズは素晴らしいドライバーでした。チームを率いたり、何かを解釈しようとしたりといった考えが、彼には全くなかったからです。彼はただコースに出て、クルマのどこが問題なのかを教えてくれた後、「ステーキを食べに行くよ」と言うだけでした。そう言って、彼は帰って行きました。彼は自分が技術的なことをあまり理解していないと自覚していたので、干渉することがありませんでした。しかし、一般的に人々がドライバーに期待することのひとつは、なんらかの形でチームのリーダーとなること、あるいはマシンに対して技術的な貢献をすることだと思います。でも、ほとんどのドライバーは、自分が「レーサー」だと思い込んだ14歳頃を境に、それ以上の学びに全く関心を払わなくなってしまいます。

ですから、マシンがどのように機能するかを理解するために必要な物理学の基礎知識は、彼らには皆無です。私はドライバーに何かを理解することを決して期待していません。ただ、本当に速く走ってくれればいい。そして、本当に速いドライバーがいれば、それだけで十分なのです。それ以上のことを彼らに求める必要はありません。そうすれば何かを変更した時、その効果がストップウォッチに如実に表れるからです。

私のお気に入りのマシンは実はFW08です。当時は100馬力以上も出力の高いマシンと戦わなければならず、過酷で困難な状況でした。でも、このマシンを初めて走らせてその速さを目の当たりにした時、かなり飛躍できると確信しました。風洞モデルがFW07よりもはるかに優れていたんです。それは本当にワクワクする体験でした。ただ、他チームに比べて思っていた以上に速かったのには、正直少し驚かされました。

FW11はしばらく見ていませんね。でも、私はそういうことを覚えているタイプの人間ではありません。正直なところ、当時、私は常に未来を見据えていました。過去に何が起きたとしても、それを修正することはできません。私が興味があったのは、これから何が起こるかということでした。

チームにとってこれは大きなプロジェクトです。クルマから取り外したすべての部品を点検し、その出所を確認し、ひび割れや腐食がないかを確認し、その時代にふさわしいものであるかを確認しなければならないからです。そして、クルマが再組み立てされた際には、適切な部品で正しく組み合わされ、信頼性が高く安全であることを確認するという、大掛かりな作業が待っています。でも、彼らはきっとやり遂げてくれるでしょう!