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2008年05月22日 ニュースリリース

Honda、2件の技術テーマで「第58回 自動車技術会賞」受賞

<ご参考>
 社団法人自動車技術会から「第58回 自動車技術会賞」が発表され、Hondaの技術者が「浅原賞学術奨励賞」「論文賞」を受賞しましたのでお知らせします。授賞式は、5月22日12時20分よりパシフィコ横浜で行われます。

 「浅原賞学術奨励賞」は、自動車技術に関する優秀な論文等を発表した将来性のある若手の個人会員に、また、「論文賞」は、自動車技術に関係ある優れた論文を発表した個人会員及びその共同研究者に贈られる賞です。

「浅原賞学術奨励賞」受賞内容

テーマ

「EPS*1の慣性モーメント制御における安定性について」

受賞者

大庭 吉裕(おおにわ よしひろ) (株)本田技術研究所 研究員

 モーターと減速歯車の慣性モーメントと粘性が、ダイレクトな操舵感を損なうというEPSの弱点を克服し、良好な操舵感を実現する画期的なモーター制御技術を確立した。この技術は、2005年発売のレジェンドから導入され、以後適用モデルが拡大している。

  • *1EPS(Electric Power Steering/電動式パワーステアリング)
    モーターなどを用いて操舵を補助する機構。エンジン出力を利用しポンプを作動、発生した油圧で操舵を補助する油圧式パワーステアリングに比べ、エンジン出力のロスが無く、CO2排出量を低減できるといった長所がある。

「論文賞」受賞内容

テーマ

「ランキンサイクル*2を用いた車載用廃熱回生システムの研究」

受賞者

茨木 茂(いばらき しげる) (株)本田技術研究所 研究員
川尻 正吾(かわじり しょうご) 同上 主任研究員
高橋 和也(たかはし かずや) 同上 主任研究員
馬場 剛志(ばば つよし) 同上 研究員
遠藤 恒雄(えんどう つねお) 同上 主任研究員

 排気ガスの熱を再利用し発電する廃熱再利用システムを、小型・高効率化し、初めて車載可能とした。当システムはエネルギー利用効率を一段と高めており、自動車の更なる燃費向上、CO2削減につながる点が高く評価された。

  • *2ランキンサイクル
    蒸気タービンの理論サイクル。(1)水を加圧→(2)加圧水を加熱、蒸気化→(3)蒸気を更に膨張させ、膨張機一体型発電機を回す→(4)復水機で放熱し蒸気を水に戻す、という過程を繰り返す。

以上