2004年10月20日 ニュースリリース
家庭用小型コージェネレーションユニット(熱電併給)が ドイツ 省エネルギー・環境保全ガス工業会(ASUE) 「2004年ガス産業革新賞 (企画・研究開発部門)」を受賞
<ご参考>
Hondaの家庭用小型コージェネレーション(熱電併給)ユニットが10月19日にドイツ 省エネルギー・環境保全ガス工業会(ASUE)※1の「2004年ガス産業革新賞(企画・研究開発部門)」を受賞、授賞式がベルリンで行われた。家庭用小型コージェネレーション(熱電併給)ユニットが海外で受賞したのは初めてである。

家庭用小型コージェネレーションユニット
この賞は、ガスに関する独創性、発展性に富む画期的な技術を開発し、ガス事業の発展に特に顕著な功績のあったものに贈られるものである。また、資源・エネルギーの有効利用、および地球温暖化問題への対応の重要性に鑑み、CO2などの地球温暖化ガスの排出量削減への貢献に優れたものが受賞対象となっている。
Hondaの家庭用小型コージェネレーションユニットは、世界最小※2のガスエンジン「GE160V」と、Honda独創の正弦波インバーター技術を採用した小型軽量の発電システムを効率的にレイアウトし、家庭用での設置に適した小型化を実現し、約3kWの熱出力、1kWの発電を行う。総合エネルギー効率は85%を実現している。今回は、世界で初めて一般家庭向けに実用化されたことも評価された。
日本では、ガス会社を通じて2003年3月より販売されている。日本の一般的な一戸建て住宅において1日10時間程度の稼動を想定し、1kWhの電気と約3kWhのお湯を火力発電※3と給湯器※4で供給した場合と較べると約30%のCO2排出量の削減が期待できる。
- ※1ASUE:Arbeitsgemeinschaft fr Sparsamen und umweltfreundlichen Energieverbrauch e. V.
- ※2レシプロガスエンジン
- ※3火力需要予測値CO2排出量換算値:中央環境審査会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会中間まとめ(H13年3月)
- ※4ガスCO2境排出量換算地:ガス会社データ
家庭用コージェネレーションユニットの各受賞内容
受賞名称 | 主催 |
平成16年度技術大賞 | (社)日本ガス協会 |
2003年度 機会学会関西支部賞 技術賞 | (社)日本機会学会 |
第14回 省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞 | (財)省エネルギーセンター |
2003年度 中日産業技術賞 中日新聞社賞 | 中日新聞社 |
2003年度 Gマーク 新領域デザイン部門 | (財)日本産業デザイン振興会 |
家庭用小型コージェネレーションユニットの主な特長
エネルギー総合利用効率85%
一般家庭でのエネルギー使用状況を詳細に検討し、熱出力を約3kWに設定(熱回収率65%)。電気エネルギーは一般家庭に適した約1kW(発電効率約20%)とし、エネルギー総合利用効率85%と、家庭での1次エネルギー消費量を押さえるシステムを実現。同時にCO2排出量も約30%低減効果が期待できる。
世界最小のレシプロガスエンジン「GE160V」
家庭用コージェネレーションユニット専用に新開発。三元触媒とO2フィードバック制御により、NOxの排出を低減。従来の家庭用ガス給湯より、クリーンな排出ガスレベルを実現。
低振動・低騒音
発電モーターでエンジンを始動することで、スタート時の騒音、振動を大幅に低減。多段室式吸気サイレンサーや大容量エアクリーナーの使用とあわせ、家庭用エアコン室外機レベルの低騒音を実現。
軽量コンパクト
Hondaのインバーター発電機に採用している多極オルタネーターと、エンジンのシリンダーを水平方向に配置するバーチカルレイアウトの採用により家庭での設置に適した小型化を実現。
高品質な電力
このクラスでは初の「系統連系機能付きマイコン制御式多極正弦波インバーター」を搭載し、商用電源並みの高品質な電力を供給。周波数や電圧の変動に敏感な精密機器も安心して使用可能。
触媒一体型高効率熱交換機
高効率な熱回収実現のために、ユニットの換気を最小にし、2分割構造で放熱を抑制。熱交換機と触媒を一体構造とし、触媒温度を高温に保ち熱を回収。細部に渡る熱回収を行なうことで家庭用小型コージェネレーションユニットとしては熱回収率65%を達成。
主要諸元
使用燃料
都市ガス(天然ガス)
エンジン形式
4ストローク水冷単気筒OHV
排気量
163cm3
発電形式
多極式正弦波インバーター発電
発電出力
1kW(AC100/200V)
熱出力
3.25kW
サイズ
全幅640mm×奥行380mm×全高940mm