Hondaは、シンガポール共和国において新地域交通システムICVS(インテリジェント・コミュニティ・ビークル・システム)の運用を3月1日より開始する。
ビジネスの中心地であるCBD(Central Business District)地区内にICVSポート(専用駐車場)を3ヵ所(Wisma Atria、Millenia Walk、Market Street)設置し、地区内外の移動のために15台のシビック・ハイブリッドを約50名の会員が共同で利用する。
このシンガポールでのICVSでは、3種類のサービスを会員に提供する。
- 1)昼間利用サービス:CBD地区内外の移動に利用
- 2)夜間利用サービス:自宅とCBD地区内オフィスとの通勤に利用
- 3)週末利用サービス:自宅に持ち帰り、マイカー代わりに利用
尚、スタート時より3ヵ月間は昼間利用サービスのみの運用とし、期間中は30分以内の利用を無料とする。4ヵ月目からはサービスを上記3種類に拡充して運用を行なう。
システムの特徴は以下の通り。
- 1)会員専用のICカードでクルマの貸し出し、返却を行なう。
- 2)どのポートでもクルマの貸し出しや返却ができる。
- 3)予約せずに、使いたい時にポートに行ってその場でクルマを利用することができる。
- 4)ポートから離れた場所からでも、携帯電話やインターネットでクルマの利用状況を確認し、利用手続きが行なえる。
- 5)需要にあわせて車両を配車コントロールし、利用者の待ち時間を最小化する。
このICVSシンガポールプロジェクトには地元のパートナーが参画している。システム開発はNational Computer Systems社、運営はCityCab社、車両メンテナンスはKah Motor社が担当し、HondaとともにICVSの運用を行なう。
シンガポールでのICVS展開は、限定された国土スペースと自家用車保有コストの高さが車両の共同利用に相応しい国情であることや、高い制御技術を要する本システムに対し先進技術立国を目指す同国政府の理解、協力により実現したものである。
今後は車両・ポート・会員の規模を順次拡大しながら、事業性の見極めを行なっていく予定である。
現地法人 Honda ICVS Singapore Pte. Ltd.の概要
会社名
Honda ICVS Singapore Pte. Ltd.
(ホンダ アイシーブイエス シンガポール プライベート リミテッド)
代表者
中内 敏夫
所在地
シンガポール市
設立日
2001年2月6日
資本金
400万シンガポールドル(約2.92億円) (2月26日現在 約73円/ドル)
資本構成
本田技研工業株式会社 100%
事業内容
ICVSの研究開発、運営実験
HondaのICVSに対する取り組み
1994年10月
ICVS構想を発表。
1996年4月
『メトロポリス'96東京』で、ICVSのコンセプトモデルを公開。
1998年3月~2000年6月
ツインリンクもてぎ(栃木県茂木町)において、ICVSのデモンストレーションを実施。
1999年2月~11月
米国カリフォルニア州サンフランシスコ近郊、ダブリンプレザントン駅で12台のCivic天然ガス車を使い、ステーションカーシステム「Carlink」の実験運用をカリフォルニア大学デービス校と共同で行う。
1999年3月~
米国カリフォルニア州カリフォルニア大学リバーサイド校の構内においてEV-Plus 15台を使い、3ポートどこでも貸出し返却ができるマルチポートシステム「UCR IntelliShare」の実験運用を同校と共同で行う。(継続中)
1999年10月
第35回東京モーターショーで、ツインリンクもてぎデモに使用する4種類の車両を展示。
2001年3月
シンガポールにてICVSの実用化に向けた研究・開発を開始。
2001年7月
シンガポールにおけるICVSの運用概要を発表。
2001年8月~
米国カリフォルニア州シリコンバレー、カリフォルニア・アベニュー駅で27台のCivic ULEV車を使い、ステーションカーシステム「CarLinkII」の運用をカリフォルニア州交通局と共同で行う。(継続中)
2001年10月
第35回東京モーターショーで、「UCR IntelliShare」システムと「Honda Cycle Partner」(電動アシストサイクル共同利用シスム)を展示、公開。
2001年11月
2001年東京国際自転車展で、「Honda Cycle Partner」を展示。
2001年12月
「Honda Cycle Partner」の事業化を発表。
2002年 3月
シンガポールにおけるICVSの運用を開始。