本田技研工業(株)は、高性能な水冷・2サイクルエンジンを搭載したモトクロス競技専用車「ホンダ CRシリーズ(250R/125R/80R/80R2)」の各部の熟成を図るとともに、総合性能を向上させた'99年型モデルを発売する。
CR250R、CR80R、CR80R2は7月17日より、CR125Rは8月17日よりそれぞれ発売する。
このCRシリーズは、日本はもとより世界各地の不整地で行われているモトクロス競技に使用する競技専用車で、過酷なレースで鍛え、磨かれたレーシングテクノロジーを注ぎ込んで開発したものである。
今回の'99年型モデルのカラーリングは、アメリカのスーパークロスシリーズや全日本モトクロス選手権で活躍するワークスマシンのカラーリングを取り入れることで、より躍動感あふれるイメージとしている。

ホンダ CR250R

ホンダ CR125R

ホンダ CR80R

ホンダ CR80R2
販売計画台数(国内・年間)
シリーズ合計
1,400台
メーカー希望小売価格
CR250R
589,000円
CR125R
505,000円
CR80R
298,000円
CR80R2
314,000円
(地域希望小売価格の一例:北海道は<CR250R>15,000円高、<CR125R>12,000円高、<CR80R/80R2>8,000円高、沖縄は<CR250R>9,000円高、<CR125R>8,000円高、<CR80R/80R2>5,000円高、その他一部地域を除く。)
(参考価格。消費税を含まず。)
CRシリーズ'99年型モデルの主な変更点
CR250R
エンジン
- ・低・中速域から高速域まで全域で力強い出力特性を目指し、'99年型モデルでは吸・排気系を熟成。 吸気系では、リードバルブを4葉から6葉に変更。また、シリンダーは吸排気ともにポートタイミングを変更する事などで、低速域でより扱いやすくまたレスポンスに優れたものとしている。
最高出力は、'98年型モデルに比べ2.7PS高い58.2PSを実現している。
フレーム、足回り
- ・サスペンションは、前・後ともより高い限界性能を維持しながらもソフトな乗り心地を達成するために各部に熟成を施している。
リアサスペンションは、リンクレシオとダンピングフォースを変更。 フロントサスペンションは、ピストン、ロッドエンド部のオイル通路の形状を最適化し、ダンピングフォースも変更する事で、より滑らかな作動性を実現している。
CR125R
エンジン
- ・定評の中・高速域でのレスポンスはそのままに、低速域での扱いやすさを重点に熟成を図っている。リードバルブの材質を従来の樹脂製からカーボン製に変更。さらにデジタル点火制御システムの点火時期特性とキャブレターのセッティングを変更する事で、よりレスポンス性の向上を図っている。
フレーム、足回り
- ・過酷なレースで定評のアルミツインチューブフレームとエンジンを結合するボルト径を8mmから10mmに変更する事で、フレームとエンジンの結合剛性をさらにアップさせ熟成を図っている。
サスペンションは、CR250Rと同様に高い限界性能と滑らかな作動性を両立させるための熟成を図っている。 リアサスペンションはリンクレシオに変更を施している フロントサスペンションは、ピストンブッシュとスライドブッシュの表面処理に低フリクションの新材質を採用することなどで、作動性を向上させている。
CR80R/80R2
フレーム、足回り
- ・フレームパイプを従来モデルに比べ大幅にサイズアップを図り、フレーム剛性を20%向上させることで、操縦安定性をさらに高めている。
- ・フロントサスペンションのアウターチューブの加工を、オイルの保持性に優れた液体ホーニング加工とすることで、低フリクション化を実現している。
- *'99年型CRシリーズの車体色は、ニュークリアレッド1色のみです。
主要諸元
通 称 名 | CR250R | CR125R | |
型 式 | ME03 | JE01 | |
全長×全幅×全高 | (m) | 2.183×0.827×1.259 | 2.157×0.828×1.269 |
軸 距 | (m) | 1.482 | 1.465 |
最低地上高 | (m) | 0.336 | 0.338 |
シート高 | (m) | 0.944 | 0.943 |
乾燥重量 | (kg) | 97.0 | 87.5 |
エンジン型式・冷却方式 | 水冷2サイクル単気筒 | 水冷2サイクル単気筒 | |
総排気量 | (cm3) | 249.3 | 124.8 |
内径×行程 | (mm) | 66.4×72.0 | 54.0×54.5 |
圧縮比 | 8.7 | 8.8 | |
最高出力 | (PS/rpm) | 58.2/8,000 | 41.0/11,500 |
最大トルク | (kg-m/rpm) | 5.20/8,000 | 2.76/11,000 |
キャブレター型式 | PWK00A( メインボア38mm) | PJ15N(メインボア36mm) | |
燃料タンク容量 | (L) | 7.5 | ← |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | ← | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | ← | |
変 速 比 | 1速 | 1.800 | 2.357 |
2速 | 1.470 | 1.867 | |
3速 | 1.210 | 1.579 | |
4速 | 1.000 | 1.333 | |
5速 | 0.869 | 1.130 | |
6速 | - | - | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M | ← |
後 | 110/90-19 62M | 100/90-19 57M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク | ← |
後 | 油圧式ディスク | ← | |
懸架方式 | 前 | 倒立テレスコピック式 ( ストローク 315mm) |
← ( ストローク 308mm) |
後 | スイングアーム式 ( アクスルトラベル 327mm) |
← ( アクスルトラベル 319mm) |
|
フレーム形式 | アルミツインチューブ | ← |
主要諸元
通 称 名 | CR80R | CR80R2 | |
型 式 | HE04 | ← | |
全長×全幅×全高 | (m) | 1.787×0.772 ×1.120 | 1.905×0.772×1.177 |
軸 距 | (m) | 1.246 | 1.289 |
最低地上高 | (m) | 0.320 | 0.366 |
シート高 | (m) | 0.833 | 0.877 |
乾燥重量 | (kg) | 65.0 | 67.0 |
エンジン型式・冷却方式 | 水冷2サイクル単気筒 | 水冷2サイクル単気筒 | |
総排気量 | (cm3) | 79.4 | ← |
内径×行程 | (mm) | 46.0×47.8 | ← |
圧縮比 | 8.4 | ← | |
最高出力 | (PS/rpm) | 25.7/12,500 | ← |
最大トルク | (kg-m/rpm) | 1.50/11,000 | ← |
キャブレター型式 | PE68D( メインボア28mm) | ← | |
燃料タンク容量 | (L) | 5.8 | ← |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | ← | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ← | |
変 速 比 | 1速 | 2.333 | ← |
2速 | 1.722 | ← | |
3速 | 1.400 | ← | |
4速 | 1.174 | ← | |
5速 | 1.000 | ← | |
6速 | 0.855 | ← | |
タイヤサイズ | 前 | 70/100-17 40M | 70/100-19 42M |
後 | 90/100-14 49M | 90/100-16 52M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク | ← |
後 | 油圧式ディスク | ← | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 ( ストローク 275mm) |
← ( ストローク 275mm) |
後 | スイングアーム式 ( アクスルトラベル 280mm) |
← ( アクスルトラベル 292mm) |
|
フレーム形式 | セミダブルクレードル | ← |