本田技研工業(株)では、このほど125ccモトクロッサーを大巾に改良し、《ホンダ・エルシノアCR125M II》として発売することになりました。このCR125M IIは、エンジンの出力アップとアクスル・ストロークを増すことによって、悪路走破性と耐久性が向上した市販モトクロッサーです。
発売日
昭和51年1月17日
価格
260,000円
(標準現金価格)
MFJ公認
昭和51年2月3日
(予定)
主な特徴
エンジン関係
- ○半球型燃焼室の採用により安定した高速回転が可能です。
- ○吸、掃、排気の各ポート・タイミングを改良し、よりよいマッチングを得て高い出力とトルクを実現しました。
- ○さらに、冷却フィンの面積を拡大することで冷却性能も高まり(15%アップ)、安定した高速走行と耐久性の向上にも寄与しています。
- ○大口径30φキャブレターを装備した新エンジンは、24馬力の高出力を実現(192馬力/Lに相当)。しかもこれだけのハイチューン・エンジンでありながら、キャブレターのセッティングに余裕があり、あらゆるコース、気象条件などにも充分な適応性をもっています。これは新設計のエキスパンション・チャンバー(排気系)と、その先のテール・パイプの径を太くすることによって(テール・パイプ径:18.5φ→23φ)得られたものです。
- ○これらの総合効果として低速トルクを犠牲にせず最大出力が得られました。巾広いパワー・バンドです。
- ○泥水、ほこりの侵入を効果的に防ぐ大容量エアクリナー・ケースの新設と、グラスウールを内蔵したエキスパンション・チャンバーとがあいまって、'76MFJモトクロス騒音規定(120dB)を充分クリアーしています。
モトクロス騒音規定
75…88dB:マシン後方15mで測定。排気量によってエンジン回転数を指定
76…120dB:マシン後方45°50cmで測定。ピストン・スピード13m/Sec
フレーム関係
- 1.フロントまわり
- ○ダンバーに押し側(ショック吸収時)の減衰力バルブを新設し、全屈(最大圧縮)時から伸びる時にオイル室が負圧になることを防いだほか、ラップ代も拡大(110→146m/m)してダンバー特性、作動性ともに向上させました。
- ○クッション・ストロークを増やし(180→200m/m)ショックの吸収量を増大させてギャップの走破性を高めました。
- ○フォーク・パイプ径を増して(31→35φ)剛性を上げ、オフセットも拡大(52→60m/m)することによってトレールを最適値に選定でき、操安性が向上しました。
- ○タイアをサイズアップ(2.75→3.00)し、リム巾も広げる(1.40→1.60)ことにより、コーナリング・フォース(車両旋回時求心力)が増大しました。
- ○CR250Mと同じ広く長いフェンダーを装備して、泥よけ効果を高めました。
- 2.リアまわり
- ○CR250Mと同様に、減衰力を安定化させる窒素ガス封入加圧ダンパーと、駆動性の良いバリアブルピッチ・タイアを採用しました。
- ○サスペンションを上部で125m/m、下部で113m/m前方へ移動し、アクスル・ストロークを増やしました。(124→180m/m)
- ○ダンバー・ストッパー・ラバーの材質をゴムから発泡ウレタンに変更し、ボトミング時の強いショックをやわらげました。
- 3.その他
- ○シート・クッションを厚く、ハンドル高さを上げることなどによってライディング・ポジションを選定し直し、ライダーの疲労軽減をはかりました。
- ○迫力ある大型エンジンとRC同様のカラーリングをほどこしたことにより、一層力強さを増しました。
オプショナル・パーツ
- ・メイン・ジェット
- ・オーバーサイズ・ピストン、ピストン・リング(+0.25m/m)
- ・ドライブ・スプロケット(15T)
- ・ドライブ・チェーン
- ・ドリブン・スプロケット(アルミ 49T、51T、53T、55T)
- ・エンジン・マッドガード
- ・フロント・タイア
- ・リア・タイア
- ・ナンバー・プレート(緑、黄、白)
- ・センター・スタンド
ホンダ エルシノア CR125MII主要諸元
( )内はMI型数値
全長(m) | 2.065(2.040) | |
全幅(m) | 0.890 | |
全高(m) | 1.160(1.090) | |
軸距(m) | 1.385(1.365) | |
最低地上高(m) | 0.225(0.195) | |
シート高(m) | 0.890(0.820) | |
車両重量(kg) | 88.5(乾燥)94(整備)(82:乾燥) | |
キャスター角(度)/トレール(m/m) | 59/137(59°30′/140) | |
アクスルストローク:前/後(m/m) | 200/180 | |
最小回転半径(m) | 2.2(2.1) | |
燃料タンク容量(L) | 6.8(6.0) | |
エンジン形式 | 空冷 2ストローク 単気筒 | |
エンジン重量(kg) | 22.3(乾燥)22.9(整備) | |
総排気量(cc) | 123 | |
内径×行程(m/m) | 56×50 | |
圧縮比 | 7.5 | |
最高出力(PS/rpm) | 24/10,000(23/10,000) | |
最大トルク(kg-m/rpm) | 1.72/10,000(1.7/9,500) | |
弁機構 | ピストン | |
始動方式 | ブライマリー | |
潤滑方式 | 混合 20:1 | |
キャブレター | PW 30φ(PW28φ) | |
点火方式 | C.D.I | |
プラグ | NGK B-9EV | |
潤滑油容量(L) | 1.0 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速機操作方式 | 左足動式 | |
1次減速比 | 4,000 | |
変速比 | 1速 | 2.133 |
2速 | 1.611 | |
3速 | 1.300 | |
4速 | 1.091 | |
5速 | 0.958 | |
6速 | 0.880 | |
最終減速比 | 3.786(3.643) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル | |
懸架方式 | 前:テレスコピック式 後:スイングアーム式 | |
タイアサイズ | 前:3.00-21 後:4.10-18 (前:2.75-21 後:3.50-18) |
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