アダプティブ・ダンパー・システム

アダプティブ・ダンパー・システム

電子制御でダンパー減衰力を変化させ、操縦安定性と乗り心地を両立

タイヤからの入力を受け止め、車体への振動伝達を抑制することで、操縦安定性や乗り心地を支えるダンパー。4輪のダンパー減衰力を走行状況や路面状態に応じてリアルタイムかつ連続的に独立制御し、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立するのがアダプティブ・ダンパー・システムです。

従来の機械式ダンパーは、車両重量やクルマの性格によって減衰力の特性を決定します。例えば、高級セダンなどでは上質な乗り心地を実現するために、細かなショックも吸収するソフトなセッティングとする一方、スポーツモデルでは加減速時やコーナリング時でも姿勢変化を抑えて高い操縦安定性を得るために、ハードなセッティングとします。これに対し、アダプティブ・ダンパー・システムは、状況に応じてダンパー減衰力を広範囲かつ瞬時に可変させることが可能。これにより、ワインディングにおけるスポーティーな走行などでの安心感の高いハンドリングとともに、日常走行での上質な乗り心地をもたらします。

ダンパー減衰力可変イメージ

ダンパー減衰力可変イメージ

1/500秒で車両状態を検出し、ダンパー減衰力をリアルタイムにコントロール

走行中、刻々と変化する車の挙動に対応するために、アダプティブ・ダンパー・システムはダンパーストロークをはじめ、車輪速や車体に加わる加速度、ステアリングホイールの舵角など、車両の状態やドライバーの操作を500分の1秒単位で高精度に検知。リアルタイムかつ連続的に4輪のダンパー減衰力を独立に制御し、余分なサスストロークの低減、路面のアンジュレーション通過後の車体収束性を向上させ、優れたロードホールディング性を発揮します。

減衰力のコントロールは、ダンパーに設けたソレノイドバルブに流す電流量を制御してバルブを通過するオイルの圧力を調整することによって行われます。

システム構成図

アダプティブ・ダンパー・システム構成図

可変ダンパー構造イメージ

可変ダンパー構造イメージ

さまざまなシーンで安心と快適に満ちた走りを提供

フラットな車両姿勢をコントロール

起伏のある路面での走行では、タイヤ接地性を高く保つよう車体挙動に応じたダンパー減衰力を、また、荒れた路面では不快な振動を抑えるようにダンパー減衰力をコントロールします。これにより、フラットな車両姿勢で上質な乗り心地を実現します。

ワインディングにおける一体感のある車両の応答

ワインディングなどにおけるコーナリングでは、旋回時に生じるロールとピッチの姿勢変化を検知し、4輪のダンパー減衰力を独立に制御します。これにより、ドライバーの操舵入力に対して車両が遅れなく追従し、各輪の接地荷重を調整しながら、一体感のあるコーナリングを実現します。また、加速時は効率よく駆動力を伝達させ、減速時には不安定な挙動を抑制し、安定した車両挙動を実現します。

アダプティブ・ダンパー・システムのダンパー減衰力制御イメージ

アダプティブ・ダンパー・システムのダンパー減衰力制御イメージ


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