TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017年概要
“音楽”を軸に「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017」で日米文化交流
震災支援の感謝と、福島の安全を伝えたい
■若い世代の夢や希望の実現を支援
Hondaは、在日米国大使館と公益財団法人米日カウンシルが主導する「TOMODACHI イニシアチブ」に賛同。2015年からの3年間、東日本大震災復興支援の一環として、次世代の若者を育成する「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム」を実施しています。
日本のHondaとアメリカン・ホンダモーターが協力しながら、世界共通言語の“音楽”を通して日米友好の発展と将来を担う若い世代の夢や希望の実現を支援すると同時に、東北の高校生が震災時にサポートしてくださったアメリカの皆さんに感謝を伝える機会を提供しています。
最後の開催となる3度目の今回は、福島県の多数の応募の中から選ばれた高校生20名が参加し、感謝の想いと福島の安全について伝えました。
年末年始の約2週間(2016年12月27日〜2017年1月8日)、アメリカ・ロサンゼルスで開催された「TOMODACHI Honda 文化交流プログラム 2017」についてレポートします。
2016/12/27(火)〜2017/1/8(日)
プログラム スケジュール
■2016
11/12・13 | 12/26 | 12/27 | 12/28 | 12/29 | 12/30 | 12/31 |
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■2017
1/1 | 1/2 | 1/3 | 1/4 | 1/5・6 | 1/7 | 1/8 |
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■赤=文化交流■青=音楽活動
出発前オリエンテーション[2016/11/12(土)・13(日)] 壮行会[2016/12/27(火)]
■福島への想いを胸に。参加者20名が集結
年末年始の渡米を前に、参加者20名が福島県郡山市に集結しました。アメリカン・ホンダモーターの社員との顔合わせや、メインイベントである「ローズパレード」で演奏する楽器を決定し、毎年講師として参加しているダニエル・ホーさんとの音楽練習を行いました。最後には、「このメンバーで一つのものを創り上げるんだ」という渡米に向けての意識が高まり、20名が1つのチームになりました。
出発直前に行われた壮行会では、渡米後の個々の目標を共有。「原発問題や風評被害がある中、福島の安全性や良さを伝えたい」、「積極的に英語でコミュニケーションをとりたい」、「日米の文化の違いを学び、日本の良さを伝えたい」など、お互いの意識を高め合いました。
また、復興のために自分達にできることを議論し、一人ひとりが福島県の現状を伝えたいという想いを、自分のことばで堂々たる姿で話しました。
- ダニエル・ホー さん
ダニエル・ホーさんの紹介サイトはコチラ 自らプロデュースしたスラックキー・ギターのコンピレーションアルバムで、アメリカ音楽界の最高峰のグラミー賞で「最優秀ハワイアン・ミュージック・アルバム賞」を6回受賞。東日本大震災の際には、復興支援として、チャリティーソング『見上げてごらん夜の星を feat.Daniel Ho』を制作。ホーさんがアコースティック楽器を弾き、日本のシンガーソングライター、スガシカオさんが歌い、レコーディングを行いました。
※利益はすべて音制連を通じて復興支援の寄付にあてられています。
本番に向けた楽器、コーラス練習[2016/12/28(水)〜30(金)、2017/1/3(火)]
■どうしたらかっこよく演奏できるか
アメリカに着いてからも、ダニエル・ホーさんの指導のもと、楽器の演奏・合唱の練習を行いました。はじめは、短いフレーズごとに楽曲を区切り、まずは曲を完璧に覚えることから始まり、徐々に楽譜を見ないようにと、練習を進めました。アメリカではじめて合わせる演奏も、日本での自主練習の成果が見られるほどの上達ぶり。
「どうしたらパレード・コンサートでかっこよく演奏できるか」という表現について意見を出し合い、演奏に動きをつけるなどの演出の創り込みを行いました。自分達の想いやパフォーマンスを自ら考え、チームみんなでカタチにしていくという経験を全員で楽しみました。
トーランス高校との日米学生交流[2016/12/29(木)、2017/1/3(火)]
■国を越えて一生の友だちに出会う
最初はアメリカの高校の自由な風土に驚いた様子でしたが、共同で行った巨大太巻き作りや折り鶴作成、ダンスなどを通して言葉の壁をなくし、親睦を深めていきました。震災の状況と復興の課題についても伝え、お互いに理解を深めながら本当のクラスメイトのような絆が出来た日米の学生たち。最後には別れが名残惜しく、泣いてしまう生徒も。
帰国後もFacebookなどのSNSで繋がり、国を越えて一生の友達と出会いました。
ローズパレード本番[2017/1/2(月)]
■世界的な大イベントに感激。震災支援の感謝の意をこめて演奏
いよいよ、メインイベント本番当日。
自分たちでアイディアを出し飾り付けしたフロートの上で、精いっぱい音を奏で、最高の笑顔で手をふります。
連日の音楽練習や前日リハーサルの成果を発揮し、充実感と達成感に満ち溢れながら、自分たちの福島への想いや提案がカタチとなりこんなにも多くの人たちに注目されることに感激。パレードの規模の大きさに圧巻されつつ、終始興奮気味に楽しみました。沿道の人々も大きな声で「HAPPY NEW YEAR」と手をふり、大盛り上がりで、パレード後は初めてのアメリカンフットボール観戦も楽しみました。
- ローズパレードとは
- お正月にアメリカのカリフォルニア州パサデナ市で実施され、今年で128回を迎える伝統的な新年祝賀行事。
アメリカン・ホンダモーターがメインスポンサーを務めています。カレッジフットボール「ローズボウル」の試合の前に行われ、ホンダのフロート車を先頭に、毎年テーマに沿った数々のフロート車がコロラド通りを約9kmにわたり練り歩きます。パレードの様子は全米を始め200カ国以上のテレビで放映されるなど、世界的に知られる一大イベントです。
- フロート制作 エピソード
- 今年のHondaフロートのテーマは、『永遠と平和をイメージしたフェニックス(不死鳥)と鶴』。デザイナーが考えたフロートデザインに、生徒達が考えた福島を象徴するデザインをあしらい、日米の融合を図りました。
自分達の福島への想いや提案がカタチとなり、さらには自分たちで花びらに色を塗ったり、折り鶴を折ってつるしたりと飾り付け作業も行い、多くの方とみんなで作り上げているパレードなんだと実感しました。 生徒達が提案し採用されたのは、
中央の「三春の滝桜」「花見山」。
中央右の「福島名産の果物」「菊人形」
老人介護施設でのボランティア[2016/12/31(土)]
■自分たちには何ができるのか
Kei-Ai South Bay Healthcareに伺い、クリスマスイベントのお手伝いを行うなどボランティア活動を実施しました。また、福島の現状や課題についての発表も行い、震災後の心のケアの重要性を伝えました。物資だけではなく、目に見えない心のケアの大切さ、復興とは何かという声に、入居者の方々は涙を浮かべ、胸を熱くしていました。そして、ダニエル・ホーさんと共に、『見上げてごらん夜の星を』を合唱。ボランティア活動が盛んなアメリカで、誰かのために何かをする喜びを体験し、「自分たちには何ができるのか」という役割を改めて考える機会となりました。
米軍との交流会[2017/1/3(火)]
■日米の強い絆
アメリカン・ホンダモーターにて、ミリタリーセレモニーを行い、震災当時に実際に支援していただいた米軍の方と対面しました。
TOMODACHI作戦(復興支援)のお礼と感謝の想いを伝え、今の福島の現状、復興の状況と今後の課題についても報告。米軍の方からも当時の状況を伺いました。
自主的に震災時の体験を述べる生徒、そしてうなずきながら親身に話を聞いてくださった米軍の方たちの姿に、日米の強い絆を感じました。
FUKUSHIMA HONDA TOMODACHI CONCERT[2017/1/4(水)]
■「福島への想い」をカタチにしたチャリティーコンサート
昨年度の参加者からの「もっと震災について伝えたい」という声から企画されたチャリティーコンサート。演出家のAlison De La Cruzさんの指導の元、みんなで演出を創り上げました。
一人ひとりが英語で「わたしは将来、日米の懸け橋となる国際機関の仕事がしたいです」「福島は風評被害などもあるけれど、安全でとても素晴らしいところです」と、呼びかけを行ったり、ソロパートでの楽器の演奏、全員での『見上げてごらん夜の星を』の合唱と、どうやったら福島のことが伝わるか細部まで考えられた演出は多くの方の心に響き渡りました。震災を乗り越え前を向く生徒達の真剣なまなざしと、福島を知ってほしいという熱い想いにスタンディングオベーションが起こり、会場全体が感動の渦で包まれました。
2017年3月27日 参加した高校生が福島県に寄付金を贈呈 →
ホームステイ[2017/1/4(水)〜7(土)]
■2人1組でアメリカでの生活を体験
生徒達は、2人1組になり、アメリカン・ホンダモーターの従業員家族や関係者家族のお宅にホームステイし異文化生活を体験。アメリカの食事の量の多さに驚きつつ、どの家族にも温かく迎え入れていただき「アメリカにも家族ができた!」と喜びました。ホストファミリーとディズニーランドへ行ったり、おでかけしたり、各々の家族と共に楽しみました。
この達成感を、未来へ、福島の復興へつなげたい
パレードでの音楽体験や日米間交流などの多くのプログラムの体験が自信となり、
帰国後は、出発前より達成感にみちあふれた表情に変わっていました。
多くの方に対する感謝の気持ち、福島のことを伝えたいという復興への意志がさらに強まり、次の目標に向けて想いを新たにしました。
Hondaは今後も、コーポレートスローガンである「The Power of Dreams」に基づき、
夢を求めて実現していこうとする人々を応援します。