全日本大会の結果を受けて。悔しさをバネに、次へのチャレンジ! 「第13回 全日本学生フォーミュラ大会」の結果と横浜国大チームへのインタビュー 公益社団法人 自動車技術会が主催する「第13回 全日本学生フォーミュラ大会」が、9月1日(火)〜5日(土)に静岡県の小笠山総合運動公園(通称「エコパ」)で開催されました。このレポートでは「全日本学生フォーミュラ大会」の直前にHondaのモータースポーツ関連施設「ツインリンクもてぎ」で行われた試走会でインタビューした横浜国立大学(以下、横浜国大)チームの結果と、今後の展望などをお伝えします。

総合優勝はオーストリアからの参加チーム

「全日本学生フォーミュラ大会」(以下、全日本大会)は、学生がチームを組み、フォーミュラカーの製作を通じてモノづくりの総合力を競うものです。Hondaは協賛企業の一員として、この大会を積極的に支援しています。

全日本大会では、車両の走行性能、製品としてのコンセプトやコスト、さらにデザイン性など、車両づくりに関わるあらゆる要素が総合的に評価されます。2015年の大会は、海外からの出場を含め86チームが参加。栄光の総合優勝を目指し、熱い戦いが繰り広げられました。

そして、総合優勝に輝いたのは、オーストリアから参加したGraz University of Technology。Hondaエンジン搭載チームの中では、日本自動車大学校の6位が最高となりました。

改善への手応えを得た横浜国大チームは、次なる挑戦へ

横浜国大チームのマシン。8の字コースでコーナリング性能が評価されるスキッドパッドを走行中。

全日本大会の前に栃木県のツインリンクもてぎで開催された試走会で、大会に向けた意気込みなどをお聞きした横浜国大チームは、総合成績16位でした。この結果について、テクニカルディレクターを担当した秋山直輝さんに伺いました。

今回レベルアップを狙っていた静的審査※1では、5年ぶりにデザイン賞でファイナル進出を果たし、4位という結果を獲得。「念入りな準備を重ねてきたプレゼンテーション審査は、昨年より高得点を得ました。しかし、コスト審査では、事前に提出したデータに不備があったために当日審査が受けられず、実質200点のマイナスとなってしまいました。これは、データ作成に際し、直前になって焦ってしまった結果です」とのこと。

また動的審査※2では、試走会で満足のいくタイムを出していたものの、本番では100%の実力を発揮できなかったといいます。チームはこの原因を、全日本大会直前にアップデートした部品が多かったことなどにあると分析していました。

1年生が泊まり込みで塗装を仕上げたというカウルは、美しいカーブと輝きを見せていました。

今まで一度も成し遂げていない総合優勝を目標に掲げていた横浜国大チームにとって、16位という結果は、決して満足できるものではありません。しかし、トラブルや、スケジュールの遅れなどがあったものの「メンバーが諦めずに対処し続けてくれたからこそ、この結果を得られたとも言えます。“チームの力”を再認識できました」と話します。

「デザイン審査では、車両運動力学に対する理解不足を指摘されるなど、車両設計の基礎となる部分が弱いということを改めて認識させられました。逆に言えば、再度、基礎に立ち返って、設計を進めていけばさらに良いマシンができるということ。弱かった部分を補って、来年は、美しく速いマシンを目指していきます!」と次へのチャレンジを表明してくれました。

※1 静的審査:「コスト」「プレゼンテーション」「デザイン(設計)」といった、マシンの設計・製作に関わる面の審査。
※2 動的審査:「アクセラレーション」「スキッドパッド」「オートクロス」「エンデュランス」「効率」といった、マシンの動的側面に関する審査。

全日本学生フォーミュラ大会支援ツインリンクもてぎでの「全日本学生フォーミュラ大会 関東支部 試走会」レポート全日本大会目前!奮闘する学生と彼らを支えるHondaのスタッフ

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詳細については「全日本学生フォーミュラ大会」公式サイトをご参照ください。