<FIM X-Trial世界選手権>
トニー・ボウ選手がX-Trial世界選手権で19連覇を達成

 2025 FIM X-Trial世界選手権(以下、X-Trial:エックス・トライアル) 第7戦フランス カオール大会が、3月22日に開催され、Repsol Honda HRC(レプソル・ホンダ・エイチアールシー)のトニー・ボウ選手(スペイン38歳)が、自身の記録を更新する19年連続19回目のシリーズチャンピオンを獲得しました。

FIMとは、Fédération Internationale de Motocyclisme(国際モーターサイクリズム連盟)の略称

トニー・ボウ選手
トニー・ボウ選手
トニー・ボウ選手とMontesa COTA 4RT
トニー・ボウ選手とMontesa COTA 4RT

 X-Trialは人工セクションを走破する屋内競技で、2025年シーズンは全8戦で競われ、Repsol Honda HRCのボウ選手はHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で19連覇に挑みました。
 スペインのマドリードで開催された開幕戦では2位となったものの、フランスのシャンベリでの第2戦で今シーズンの初優勝を飾ると、フランス、クレルモン=フェランでの第3戦、スペイン、バルセロナのパラウ・サン・ジョルディでの第4戦でも優勝して3連勝としました。そして、初開催となるノルウェーのスタヴァンゲルでの第5戦でも優勝し4連勝とし、さらには、チームメートのガブリエル・マルセリ選手(スペイン25歳)が2位になり、チームとしては、今シーズン初のワンツーフィニッシュを達成しました。続くオーストリアのウィーナー・ノイシュタットでの第6戦でもボウ選手が5連勝としたことで、チャンピオンに王手をかけました。
 3月22日にフランスのカオールで開催された第7戦では、ボウ選手が2位になりました。この結果、ライバルとのポイント差により、最終戦を前にボウ選手の19連覇が決定しました。

 ボウ選手はX-Trialのみならず、屋外で開催されるFIMトライアル世界選手権(TrialGP)でも18連覇を達成しており、これによりトライアルの世界選手権で合わせて37連覇となりました。

Repsol Honda HRC トニー・ボウ選手

「とても幸せです。始めからタイトル獲得が目標でした。マドリードでのシーズン開幕戦では思い通りにスタートを切れませんでしたが、何とか逆転することができました。私たちは結束力の強いチームで、ミスはなく、すべての決勝に進出してきました。多くの勝利を獲得でき、自分自身もとてもいいパフォーマンスができたので、シーズンここまでの戦いとタイトル獲得には本当に満足しています。いつ最後のシーズンになるか分からないので、とても特別な勝利です。想像以上に多くのタイトルに恵まれ、とても幸せです」

Repsol Honda HRC監督 藤波貴久

「ボウ選手がまたしても新たな歴史を作ってくれ、それを一緒に経験できたことをとても誇りに思います。今日のレースでは終始リードしていましたが、アドバンテージがあったにもかかわらず、タイトル獲得へのプレッシャーがありました。最終的には2位でフィニッシュし、37回目のタイトル獲得できたことに、とても満足しています」

株式会社ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長 渡辺康治

「トニー・ボウ選手のX-Trialでの19連覇の偉業に、心より敬意を表したいと思います。ボウ選手が目標に掲げているX-TrialとTrialGP合わせて40連覇にまた一歩近づいており、確実に勝ち星を積み重ねていく姿を目の当たりにすると、今後のさらなる記録更新が期待できそうです。ボウ選手の偉業を支えてくれた藤波貴久監督、チームスタッフ全員をはじめ、レース活動をサポートいただいている多くのスポンサー様に感謝の気持ちを伝えたいと思います。そして最後になりましたが、いつも熱い声援をいただいている、世界中のトライアルファンの皆様に改めてお礼申し上げます」

トニー・ボウ(Toni Bou)選手のプロフィール

生年月日:1986年10月17日(38歳)

出身地:スペイン

主な戦績:
2003年
トライアル世界選手権にデビュー

2007年
REPSOL MONTESA HRCに移籍し、初めて世界チャンピオンを獲得同年に、X-Trialのシリーズチャンピオンも初獲得

2008年~2024年
トライアル世界選手権およびX-Trialの両シリーズで各18連覇(合計36連覇)を達成

2025年
X-Trialで19連覇

Montesa COTA 4RTの概要

エンジン形式:水冷・4ストローク・OHC・単気筒
フレーム形式:アルミニウム製ツインチューブ
タイヤ:前:21インチ 後:18インチ