Hondaは、ガスエンジンで発電し、同時にエンジンの排熱を利用して給湯する高効率家庭向け熱電併給システムのコアユニットとして好評の家庭用小型コージェネレーションユニットをモデルチェンジし、10月より都市ガス各社へ販売する。

家庭用小型コージェネレーションユニット Honda MCHP 1.0
新型ユニットは、発電効率を従来の20%から22.5%にまで向上。これにより給湯暖房ユニットと組み合わせて利用する際の光熱費節約額を年間で約3,000円拡大(節約額合計:約43,000円)※1。CO2排出量は従来モデルの低減率30%から33%にまで向上※2。また、燃料流量を最適に自動調整する電子制御可変ジェットを採用することにより、低温下での始動性を向上している。
Hondaは、世界最小のガスエンジンと独創の正弦波インバーターを組み合わせた小型発電システムによる「家庭用小型コージェネレーション(熱電併給)ユニット」を2003年より販売開始。このユニットと排熱利用の給湯暖房ユニットで構成されるシステムは、「ECOWILL(エコウィル)」のブランドで各ガス会社から販売されている。現在約3万4千戸に設置されており、一次エネルギー(都市ガス)の利用効率を85.5%という高いレベルで実現している。
- ※1Honda試算 従来体系ガス料金、電気料金とコージェネ用ガス料金で光熱費を比較、算出
- ※2Honda試算 火力発電による電力と都市ガス(13A)による給湯暖房機を使用した場合との比較
主要諸元
使用燃料
都市ガス(13A、12A)、LPガス
エンジン形式
4ストローク水冷単気筒OHV
排気量
163cm3
発電形式
多極式正弦波インバーター発電
発電出力
1.0kW(AC100/200V)
熱出力
2.8kW
質量
82kg(運転時冷却水含み 83kg)
サイズ
奥行380mm×全幅580mm×全高880mm(突起部分除く)
システム概念図

「新型家庭用小型コージェネレーションユニット」の主な特長
高い発電効率&省エネシステム
- ・一般家庭に適した1kWの発電出力と2.8kWの熱出力で85.5%という高い総合エネルギー効率を達成。発電効率は従来モデル値の20%から22.5%にまで向上。
- ・電磁弁の最適制御や各種スリープ機能など、電装デバイスの省電力化を徹底。
- ・コージェネレーションユニットの発電出力が家庭内の電力負荷を上回った際、電力ヒーターを用いて余剰電力を熱エネルギーとして回収する負荷追従運転機構を採用。
- ・発電効率の向上により1時間当たりのガス消費量は従来モデル比で約11%低減し、さらなる低燃費を実現。
軽量・コンパクト設計
- ・家庭での設置を考慮した省スペース設計に加え、各種配線の下方取り出しや化粧配管の取り付けを可能にするなど美観にも配慮したシンプルデザインを追求。
信頼性
- ・可動式ニードルによりガス流量を最適に自動調整する電子制御可変ジェットを採用し、低温下における始動性を向上。
- ・商用電源連系点までの電装機能をコージェネレーションユニットに集約。さらに電装基板をECU(エレクトロニックコントロールユニット)とインバーターユニットの2枚にするなど、電装系のシンプル化と最適設計により信頼性を高めている。
設置性、メンテナンス性
- ・本体脚部の形状変更により家屋壁面(後背部)と本体との隙間を50mm短縮することで、本体の設置性を高めるとともにメンテナンススペースを確保し易くしている。
- ・ECUに操作パネルを装備し、系統連系協議時の各種整定値の設定をメンテナンスツールなしで可能とし、設置の際の作業性を大幅に向上。メンテナンス経過時間やエラーコードの表示も可能。