<ご参考>
社団法人自動車技術会から「第54回 自動車技術会賞」が発表され、本日、同賞の技術開発賞 2件にて、Hondaのエンジニア10名が受賞しましたのでお知らせします。
追突軽減ブレーキの開発
小高 賢二(こだか けんじ) (株)本田技術研究所 研究員
浦井 芳洋(うらい よしひろ) 同上 研究員
小田部 誠(おたべ まこと) 同上 研究員
石山 眞人(いしやま まひと) 同上 研究員
望月 和彦(もちづき かずひこ) 同上 研究員
ミリ波レーダを用いて衝突を事前に予測し、警報と車自身がブレーキをかけることで運転者の事故回避支援ならびに事故被害低減を行う装置の実用化は世界初であり、本装置では運転者の特性を十分加味した警報タイミングを設定し、安全に十分配慮した設計としている。
これまで「警報」といった場合、音や表示によるものが大部分を占めていたが、「弱いブレーキ」を用いた「体感警報」は、運転者に対しより警報効果の高いものにするとともに、追突回避が困難な状況時には強いブレーキ制御を行ない、操作遅れや踏力不足を補い被害の軽減を図る。
これら思想は、実際の事故解析を通して得た運転者の行動に沿ったもので、追突事故の低減効果は高いものと考える。このような衝突を事前に予測するという考えは、今後の事故回避支援装置にも応用できるものであり、その第一歩を開発したことは非常に有効なものであると考える。
気筒休止エンジン対応ハイブリッドNV制御技術の開発
井上 敏郎(いのうえ としお) (株)本田技術研究所 研究員
松岡 英樹(まつおか ひでき) 同上 主任研究員
根本 浩臣(ねもと ひろとみ) 同上 研究員
箕輪 聡(みのわ さとる) 同上
高橋 彰(たかはし あきら) 同上
燃費効率を高める可変シリンダー採用のV6エンジンにおいて、片バンク3気筒走行時での振動騒音に対し、エンジン振動の伝達を大幅に低減する「アクティブコントロールエンジンマウント」とこもり音を低減する「アクティブノイズコントロール」技術を組合せることにより大幅に低減し、燃費性能と商品性能の高次元な両立を実現した。
「アクティブコントロールエンジンマウント」は、クランク回転パルス信号からエンジン振動を予測して、専用開発した高効率のアクチュエータと液封マウントを最適コントロールすることで振動を吸収するシステム。また、「アクティブノイズコントロール」については、エンジン回転数をもとに制御周波数を検出し、車載オーディオのスピーカーから打ち消し音とオーディオ出力を重ね合わせることで、効果的に騒音を打ち消すシステムである。
これらシステムは既存の信号と装備を活用することで大幅に簡素化し、アクティブ制御を可能とし、優れた振動騒音商品性に寄与している。