Hondaは、高性能な水冷・4ストローク・V型4気筒800ccエンジンを搭載した大型ロードスポーツバイク「VFR」を4年ぶりにフルモデルチェンジし、1月22日(火)より発売する。
このVFRは、1986年に初代モデルが登場し、1998年に発売したモデルからPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)を採用したハイ・テクノロジー・マシンへと進化、世界中のファンから好評を頂いているモデルである。
スタイリングは、スピード感を象徴する滑らかな曲線とシャープなエッジを組み合わせた、アグレッシブなデザインとなっている。また、デュアルセンターアップマフラーを採用することで、精悍なリアビューを演出している。
VFRは、Hondaの先進技術を結集し開発したモデルで、V型4気筒エンジンでは初のバルブ制御システム「V4 VTEC※1」エンジンを搭載し、最新のPGM-FIとイリジウムプラグの採用などで、あらゆる回転域においてスムーズで力強い出力特性を実現している。
環境対応として、国内排出ガス規制値に対し排出ガス中の有害物質のCO、HCをそれぞれ1/10、NOxを1/4レベルに低減する、先進の三元触媒システム「HECS3」※2を採用、世界最高水準の環境性能を達成している。
車体色は、見る人に鮮烈な印象と情熱的な走りを予感させるイタリアンレッドを採用。
- ※1VTEC=Variable Timing & Lift Electronic Control System
- ※2HECS3=Honda Evolutional Catalyzing System
販売計画台数(国内・年間)
400台
メーカー希望小売価格
1,050,000円
(地域希望小売価格の一例:北海道は30,000円高、沖縄は10,000円高、その他一部地域を除く。 )
(参考価格。消費税を含まず。)
VFRの主な特徴
V型4気筒エンジン初の『V4 VTEC』を搭載
「V4 VTEC」エンジンは、低速回転域では4バルブの内2バルブ(吸気1、排気1)が作動し、6,400回転を境に高速回転域では4バルブを作動するバルブ制御システム。2バルブと4バルブそれぞれの利点を両立させ、どの回転域からもスロットルに瞬時に反応するリニアな加速を実現している。
高次元での静粛性を実現
低回転域では2つのバルブが開閉することで、燃焼室内の音圧レベルが低下することにより、静粛性を向上。また、カムギア駆動からサイレントカムチェーン駆動に変更。カムチェーンテンショナーはオイル循環式を採用し、あらゆる条件下で安定した作動が可能。これにより、メカニカルノイズを大幅に軽減させながらエンジン重量も約3kgを軽減したことで、市街地で静粛性に優れた走りを実現するとともに、ロングツーリングでも快適な走行を楽しむことができる。更に、ドライブチェーンの鉄ローラー部分にウレタン樹脂ローラーを組み合わせ、スプロケットとの噛み合い時に発生する騒音を低減するサイレントクロスチェーンを採用。また、ドライブスプロケットのモーリスダンパーもチェーンプレートに合わせた形状とし、トータルで約1.0dBの騒音の低減を実現している。
最新のPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)採用で俊敏なレスポンスを実現
このシステムは、ECU(電子制御ユニット)とデジタル電子点火機構をコンパクトに一体化したPGM-FIを採用。従来モデルの1ホールインジェクターから燃焼効率に優れた12ホールインジェクターに変更。同時に、着火性能に優れたイリジウムプラグを新たに採用したことにより、高効率な燃焼とレスポンスの良い性能を実現している。
高剛性フレームと最新のDual CBS※3
フレームは基本骨格を踏襲しながらも、ヘッドパイプとメインパイプの接合部の強化や、ステアリングヘッドの捩り剛性強化など、細部にわたり剛性を向上している。
デュアル・コンバインド・ブレーキ・システムは、フロントブレーキでも、リアブレーキでも、どちらか一方を操作すれば、前・後輪のブレーキが適切な制動配分で作動するシステム。New VFRはフロントまたはリア、それぞれ使用したブレーキ側の効きを高めるように改良され、よりスポーティーな走りを可能としている。
世界最高水準の環境性能を実現
排気システムは、HECS3に採用している3元触媒を、現行型の100セル仕様から300セル仕様とし、触媒面積を大幅に増加。優れたクリーン性能を実現している。その結果、国内排出ガス規制値に対し、CO値が1/10、HC値が1/10、NOx値が1/4レベルとなり、世界最高水準の環境性能を達成している。
盗難抑止に効果的な装備
盗難抑止システムとして、H・I・S・S(Honda イグニション セキュリティ システム)を採用。純正キー以外でのエンジン始動を不可能にするとともに、ボタン操作により24時間インジケーターランプを点滅させることで、盗難抑止効果を向上している。
- ※3Dual CBS=Dual Combined Brake System
主要諸元
通称名 | VFR | |
車名・型式 | ホンダ・BC-RC46 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.120×0.735×1.195 | |
軸距(m) | 1.460 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.805 | |
車両重量(kg) | 243 | |
乾燥重量(kg) | 215 | |
乗車定員(人) | 2 | |
最小回転半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | RC46E(水冷・4ストローク・DOHC・V型4気筒) | |
総排気量(cm3) | 781 | |
内径×行程(mm) | 72.0×48.0 | |
圧縮比 | 11.6 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 59[80]/9,500 | |
最大トルク(N・m[kg・m]/rpm) | 69[7.0]/7,500 | |
燃料消費率(km/L) | 26.5(60km/h定地走行テスト値) | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | 3.8 | |
燃料タンク容量(L) | 22 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.846 |
2速 | 2.062 | |
3速 | 1.578 | |
4速 | 1.291 | |
5速 | 1.111 | |
6速 | 0.965 | |
減速比(1次/2次) | 1.939/2.687 | |
キャスター(度)/トレール(mm) | 25°30′/95 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70 ZR17 M/C(58W) |
後 | 180/55 ZR17 M/C(73W) | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク (デュアル・コンバインド・ブレーキ・システム) |
後 | 油圧式ディスク (デュアル・コンバインド・ブレーキ・システム) |
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懸架方式 | 前 | テレスコピック |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン(アルミツインチューブ) |