Hondaのスマートホームシステム「HSHS」は、家庭のエネルギーを効率的にコントロールすることで、暮らしの中でのCO2排出量を低減したり、停電や災害時には家庭単位でエネルギーの自立を可能にする、総合的なエネルギーマネジメントシステムです。
現在、実証実験棟に導入されているHSHSは、ガスエンジンコージェネレーションユニット、ならびに給湯ユニット、太陽電池モジュール、ホームバッテリーユニット(蓄電池)、そしてシステムの核となりそれらを最適に制御するSmart e Mix Manager(SeMM)、電動モビリティ、インターナビ・リンクで構成されています。
Hondaスマートホームシステムといっても、Hondaが家そのものをつくるわけではありません。「HSHS」ではHondaの電動モビリティと創エネ機器を通じて、暮らす人が環境のために我慢せず、安心で快適な生活を実現できるシステムづくりを目指しています。そのためこの実証棟ではモビリティを含めた暮らし全体のエネルギーを、いかに効率的にマネジメントできるかといった実験を行っています。
Hondaのスマートホームシステムでは、家庭で創ったエネルギーを家庭で消費する「エネルギーの家産家消」を目指しています。現実的な家のサイズで、産み出したエネルギーを、なにがどの程度消費するのか、どうしたら効率よく消費できるのかなどを検証しています。
家庭でエネルギーを効率よく利用できれば、家庭からのCO2排出削減も可能で、さらに停電や災害時などでの電力供給に関しても、家庭単位でエネルギーや移動手段を確保できるようになります。
家庭で創るエネルギー量、消費するエネルギー量は、暮らしかたはもちろん、季節や周りの環境によっても大きく変化します。よりリアルな環境下で、そうした変化も踏まえながら、モビリティに加え、Hondaのエネルギー創出技術を組み合わせた実証実験を、2012年4月から行っています。
具体的には、電気自動車(EV)などの電動化モビリティやインターナビと連動させたこのスマートホームシステムの実証実験を通じて、2000年と比べてCO2を50%削減を目指すと共に、将来のパーソナルモビリティのあり方や、お客様に安心と快適を提供する家庭用エネルギーのバックアップ機能の検証を行っています。
そのため、現在の実験も第一段階にすぎません。
実際の暮らしの中で集めたデータに基づき、システムを構成する機器類の改良を重ねて、Hondaは「HSHS」をよりお客様の暮らしに沿ったシステム、「HSHS+」へと進化させていくことを目指しています。例えば、Hondaのインターナビシステムを通じて、天気や交通情報など多彩なデータ情報にリンク。さらに、個人の家だけのエネルギーマネジメントにとどまらず、将来的には街へ、社会へとシステムを広げていくことも夢ではありません。