生物多様性の保全活動
生物多様性の保全活動
Honda は、2022年4月、日本において環境省が主導する「生物多様性のための30by30アライアンス」に参画し、生物多様性の保全が図られている区域となる「自然共生サイト」※の認定取得に向けてさまざまな取り組みを推進しています。
1997年の開業以来、人と自然とモビリティの共生をテーマに環境と調和した企業活動を行ってきたモビリティリゾートもてぎは、2023年10月に自然共生サイトとして認定されています。
また、工場敷地内にビオトープを設置し、生物多様性を考慮した自然環境の維持や絶滅危惧種の保全を行ってきた埼玉製作所 完成車工場(寄居工場)も、2024 年9月に自然共生サイトとして認定されました。
上記の2拠点以外にも生物多様性評価に基づいて、優先度の高い国内拠点で自然共生サイト認定取得をめざし、生物多様性の復元・再生活動を推進していきます。
将来的には自然共生サイトと同等の自社基準を設定し、海外工場でも取り組みを展開していきます。
自然共生サイト:「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域。
-
30by30アライアンスロゴマーク -
埼玉製作所 完成車工場(寄居工場)自然共生サイト認定証 -
ビオトープを活用した地域住民と従業員による田植え活動(寄居工場)
〈米国〉Honda Power of Dreams Forest
オハイオ州ユニオン郡にある生産拠点(ホンダ・ディベロップメント・アンド・マニュファクチュアリング・オブ・アメリカ・エル・エル・シー)の敷地内では、2024 年4月に8 万5,000 本の樹木を植え、「Honda Power of Dreams Forest」を造成しました。Honda のメアリズビル工場とイーストリバティ工場近くのフラット・ブランチ・クリーク沿いに広がるこの約40.5haの広大なプロジェクトは、多様な動物、鳥、昆虫、植物に生息地を提供することで、河岸緩衝地帯を改善し、生物多様性を高めることを目的としています。
〈ベルギー〉物流拠点の生物多様性の保全
アールストにある物流拠点(ホンダモーターヨーロッパロジスティックス・エヌブイ)では、生息地の劣化と遺伝的多様性の欠如によって絶滅の危機に瀕しているブラックポプラを植えて、緑地帯を拡大しました。また、池やインセクトホテル(昆虫のホテル)、給餌所を設置するなど、生息環境を整備することで、生物多様性の維持に貢献しています。
〈ブラジル〉テストコースの自然保全
リオ・プレト・ダ・エバにある二輪車のテストコース(モトホンダ・ダ・アマゾニア・リミターダ)は、アマゾンの熱帯雨林にあります。環境と調和するために、敷地内の約80%(802ha)を法定保護区として維持しています。ここでは農業プロジェクトとして果物や野菜の植え付けのほか、マホガニー、ローズウッド、ブラジルナッツなど、絶滅の危機に瀕している種の再生も行っています。
〈インドネシア〉生物多様性に重点を置いた動植物の保全
四輪車製造工場である、ピー・ティ・ホンダプロスペクトモーターでは、地域コミュニティと連携して、敷地内で生物多様性を保全しています。
ジャワ黒鶏などの在来種やさまざまな絶滅危惧種を含む65 種の動物を確認しています。また、植物保全への取り組みとして、敷地内に苗床を設けて地元の植物種を栽培および保全し、地域の豊かな生物多様性を保全する取り組みをさらに強化しています。
水資源の保全
Hondaは自社の企業活動により生物多様性や水資源に影響を及ぼす可能性を認識し、「水資源の保全」にも注力しています。
Hondaは周囲の水資源と調和のとれる地域を工場の候補地として選定し、各国の環境アセスメント法規に則って工場を設置しているため、取水によって著しく影響を受ける水源はありません。
また、各国の法規や地域固有の規則などに従って排水処理や処理水の放流を行っているため、排水によって影響を受ける水源はありません。
取水量を管理するとともに、排水については品質管理を徹底し、水質調査結果を開示するなど、管理と情報提供に努めています。
また、社会貢献活動として1999 年から継続している「水源の森」保全活動では、恩恵を受けている水源の森を各生産拠点が保全・管理しており、各地域に合わせた最適な取り組みを実施しています。
水は事業を支える必要不可欠な資源の一つであることを認識しているため、引き続きこの活動に取り組んでいきます。
製品では、全世界に展開している船外機による水質汚染を低減することを目的に、Honda は船外機におけるエンジンを4ストロークエンジンのみのラインアップとしています。また、電動推進機の実証実験も行い、製品使用時の環境負荷低減に取り組んでいます。