第一部

講演

  • テーマ①男性育休は社会を変えるボウリングの一番ピン
  • テーマ②女性の健康課題とD&I
第一部は、男性育児参画における第一人者 NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤哲也氏と、多くの大学で教鞭を振るわれ、ダイバーシティに関するインフルエンサーとしても活躍中の(株)Cradle 代表取締役社長 スプツニ子!氏による講演を実施しました。
  • テーマ①男性育休は社会を変える
    ボウリングの一番ピン
  • テーマ②女性の健康課題とD&I

登壇者紹介

NPO法人ファザーリング・ジャパン 代表理事 安藤 哲也 氏

出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年に父親支援のNPO法人ファザーリング・ジャパンを設立。
「笑っている父親を増やしたい」と講演や企業向けセミナー、絵本読み聞かせなどで全国を歩く。
男性育休推進や管理職養成事業の「イクボス」で企業・自治体での研修も多い。 厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問、にっぽん子育て応援団 共同代表等も務める。

男性育休は社会を変えるボウリングの一番ピン

ファザーリング・ジャパン発足以来「男は仕事、女性が家事・育児」という昭和の時代の意識や価値観の変革に取り組まれてきた安藤氏。男性育児参画におけるポイントをお話しいただきました。

講演のポイント
  • 父親が育休を取るメリットは、パートナーのストレス軽減や産後鬱の予防、家計収入増、夫婦間のパートナーシップ強化、定年後や老後への好影響が考えられています
  • 父親が子育てに関わるお父さん効果は、育児するほど子どもの自尊感情が上がり、学力・IQ(知能指数)・社会性 EQ(感情指数)も向上、子どもの人生が幸せになりやすいと言われています
  • 「育児休業」は「休み」ではなく、ハードなOJT研修(仕事を介した訓練)で、コミュニケーション力、マネジメント能力を養います
  • 働きやすさや働きがいなど、複合的なポイントで企業を選択する時代に。こういった取り組みが当たり前の会社になることが重要です
  • 男性の育休は、意識変革という「ボウリングの一番ピン」です。男性の育休により、まず家庭が安定する。それにより、仕事へのモチベーションが高まり、職場の改善、課題解決につながります
マネジメントの意識を変え、
トップからメッセージを発信し続けていくことで、
男性が育休を取りやすい、
取ることが当たり前な職場にしていくことが大事です

登壇者紹介

(株)Cradle 代表取締役社長 スプツニ子! 氏

MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ助教授、東京大学大学院特任准教授を経て、現在、
東京藝術大学美術学部デザイン科准教授。
2019年よりTEDフェロー、2017年より世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダー」選出。第11回「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本特別賞」、「Vogue Woman of the Year」、日本版ニューズウィーク「世界が尊敬する日本人100」 選出等受賞。
2019年、株式会社Cradleを設立、代表取締役社長就任。

女性の健康課題とD&I推進

ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(多様な価値観を認め合う)〈*以下「D&I」〉の重要性、そして女性活躍拡大の一環にある「女性の健康課題」について、実状を踏まえ、力強く語っていただきました。

講演のポイント
  • 多様性がある組織ほど、課題発見のアンテナが多くなり、イノベーションが促進される(マサチューセッツ工科大学)
  • グループシンクを廃し、多様性を組織の中で促進しよう、という流れはグローバルで起きています
    ※同じ属性の人が集まることで、組織内に起こる弊害
  • D&I推進を阻害するものとして、日本には「アンコンシャス・バイアス」(無自覚な偏見)が根強く残っています
  • アンコンシャス・バイアスとともに考えてほしい概念に「EQUITY(エクイティ)」(公平性)があります。現状の社会や企業の構造の偏りを無視した「平等」は「公平性」ではありません
  • 性別に関係なく働きやすい組織を目指すために、福利厚生や育休の施策に偏りがないかをチェックするために、多様な視点を入れることが重要です
▼EQUALITYとEQUITYは異なります
(出典:Interaction Institute for Social Change | Artist: Angus Maguire)
  • 決裁層に男性が多いと無自覚に男性の健康課題は「社会全体の課題」と思われ、女性の健康課題は社会のジェンダーギャップにより「ニッチな課題」と誤解されています
  • たとえば、生理において、労働損失は年間4911億円、女性の約2人に1人の生産性が半減しているとされています
  • 生理だけでなく、女性の多くが、更年期障害はキャリアに影響を与えると感じています
  • 男性も女性同様に更年期障害がありますが、タブー視され、相談しづらい状況です
  • 更年期障害は、日本では保険適用で治療する方法があり、海外と比べ、日本の方が保険適用で安く治療できます
多様性には相互理解や知識が重要です。
ぜひ、ヘルスケアの知識をつけて人生の選択肢を
増やしていきましょう!
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    ボウリングの一番ピン
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