2022 Season with Red Bull/AlphaTauri

新時代到来、フェルスタッペン最多勝で連覇

2022年4月24日
第4戦エミリア・ロマーニャGP

フェラーリ優勢の流れを変えた
盤石の1-2フィニッシュ

© Red Bull Content Pool

2021年シーズン限りでF1活動を終了したHondaは、2022年シーズンに際しレッドブル・パワートレインズと技術提携を結びパワーユニットの供給サポートを行った。この年から環境に配慮したE10燃料(10%の再生エネルギー燃料を含んだガソリン)の使用が義務付けられ、Hondaはそれに対応した仕様のパワーユニット開発を支援し、レッドブルとアルファタウリへのパワーユニット供給をサポートした。

コロナ禍により1年先送りされた車体のレギュレーション変更もこの年から実施された。最も特徴的なのは、マシンフロアの空力効果によってダウンフォースをより多く発生させるグランドエフェクトカーを採用したことで、これにより後方乱気流を制御することでオーバーテイクを増やし、レースでのバトル機会を促進させることが狙いだった。

そして、このパワーユニットも含めたマシンの大変更は、新たな勢力図を生み出すことになる。

フェラーリと一進一退の序盤戦

シーズン開幕と同時に圧倒的な速さを見せたのはフェラーリだった。新レギュレーションに対応したマシン開発に早くから着手したフェラーリは、その成果を発揮し開幕戦で1-2フィニッシュを成し遂げ、2022年シーズンをリードするものと思われた。しかし、その壁を打ち破ったのはレッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。

第2戦サウジアラビアGPでシーズン1勝目を挙げたフェルスタッペンは、第3戦オーストラリアGPでは2番手走行中にトラブルでリタイアを喫し、フェラーリのシャルル・ルクレールがシーズン2勝目。マシンの速さはフェラーリがリードしていたが、レースではレッドブルが拮抗した戦いに持ち込んでいた序盤戦だった。

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スプリント&決勝とも完璧な勝利

第4戦エミリア・ロマーニャGPはイタリア・イモラで行われた。前年から新たに導入されたスプリントがこの年も継続され、このシーズンはこの大会で初開催された。レース距離約100㎞、イモラでは21周で行われたスプリントを制したのはフェルスタッペン。トップを行くルクレールが終盤タイヤに苦しみ、20周目にオーバーテイクを決めての勝利だった。チームメイトのセルジオ・ペレスは7番手から3位まで進出。この年までスプリントの順位が決勝レースのスターティンググリッドに反映されていたためこの結果は重要で、フェルスタッペンはポールポジションから、ペレスは3番グリッドからとレッドブルは好位置からの決勝スタートを得ている。

63周の決勝は、雨上がりのコンディションで始まった。全車インターミディエイトタイヤでのスタートで、ドライタイヤ交換のタイミングが序盤戦の見どころとなった。好スタートを切ったレッドブルの2台に対して、ルクレールは出遅れ、もう1台のフェラーリであるカルロス・サインツはスタート直後のアクシデントでリタイア。レッドブルは盤石な1-2態勢を作り上げた。タイヤ交換でもその優位は揺るがなかったが、レース後半にルクレールが2番手ペレスを猛追する。しかし、そのルクレールは53周目にスピン後退し、レッドブルの1-2を脅かすには至らなかった。フェルスタッペンは危なげなくシーズン2勝目を飾り、ペレスが続くかたちでレッドブルが1-2フィニッシュを果たした。

速さに勝るフェラーリに対して、総合力で勝つレッドブルを印象付けたレースとなり、シーズンはこのレースを期に一気に流れを変え、レッドブルが連勝街道を突き進んでいく。

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2022年8月28日
第14戦ベルギーGP

14番手スタートから敵なしの圧勝
フェルスタッペン快心の一戦

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2022年シーズンは前半戦を終え、マックス・フェルスタッペンが13戦8勝とシリーズを圧倒していた。予選ではフェラーリが速さを見せて拮抗したポールポジション争いが展開されたが、レースではフェルスタッペンの異次元のドライビングテクニックとレッドブルの総合力が勝り、優勝回数でもチャンピオンシップポイントでも大きくリード。シーズンが進むごとに重ねられたレッドブルRB19のアップデートも奏功し、総合パフォーマンスが大きく向上したことも、フェルスタッペンの圧倒的な強さの一因となった。

サマーブレイク明け、後半戦の始まりとなる第14戦ベルギーGPでは、年間使用規定基数を超えてパワーユニット交換を行うチームが多く見られた。後半戦に向けての戦闘力アップを意図した戦略で、オーバーテイクが容易なスパ・フランコルシャンであれば、グリッド降格ペナルティのダメージを新品パワーユニットのパワーでリカバーしやすい。レッドブルのフェルスタッペンもそのひとりで、ここで4基目のパワーユニットを投入した。

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異次元の速さでシーズン9勝目

戦略通り、予選でフェルスタッペンは2位に0.636秒もの差をつける圧倒的なタイムを叩き出した。グリッド降格により決勝レースは14番グリッドからのスタートとなったが、レースがスタートすると異次元の速さでポジションを上げていく。1周目に8番手にまで上がったフェルスタッペンは、周回を追うごとに順位を上げて8周目には3番手、11周目に2番手、そしてわずか12周でついにトップに立ってみせた。15周目にピットインし、一旦2番手に下がるが18周目には再びトップを奪い、その後は独壇場と言えるレース運びで圧勝。予選で見せつけた異次元の速さはレースでも変わることなく、シーズン9勝目を挙げた。後にフェルスタッペン自身が、このレースをシーズンのベストレースとコメントしており、マシンの状態も自らのドライビングも完璧だったと語っている。また前戦ハンガリーGPでもフェルスタッペンは10番グリッドから逆転優勝を遂げており、この10番以下のグリッドからの2連勝は、1959年最終戦で10番グリッドから、1960年開幕戦では13番グリッドからレースを制したブルース・マクラーレンが成し遂げて以来の快挙だった。

そして2位には2番グリッドからスタートしたチームメイトのセルジオ・ペレスが入り、レッドブルはシーズン4度目の1-2フィニッシュ。表彰台には、HRCのチーフメカニックである吉野誠が登壇した。この圧勝劇は、シーズン後半戦もフェルスタッペンとレッドブルがチャンピオンシップをリードしていくことを十分に確信させるものとなった。

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2022年10月9日
第18戦日本GP

3年ぶりの日本GP開催
フェルスタッペンが連覇を確定

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第14戦ベルギーGPから第15戦オランダGP、第16戦イタリアGPと3連勝したマックス・フェルスタッペンは、チャンピオン確定がかかった第17戦シンガポールGPは7位に終わり、連覇決定は第18戦日本GP以降に持ち越されていた。

コロナ禍の影響で日本GPはこれまで2年間開催が中止されていたが、2022年に3年ぶりにF1が鈴鹿サーキットに戻ってきた。HondaにとってはF1活動終了後のことながら、レッドブルとの提携関係によるチーム支援の立場から地元レースと言ってよく、またアルファタウリの角田裕毅にとっては初の母国グランプリでもあった。

雨中の王座決定戦

予選ではフェルスタッペンが、フェラーリのシャルル・ルクレールとの激しいポールポジション争いを100分の1秒差で制し、チャンピオン決定に期待がかかる。決勝日は降雨に見舞われ、予定通り午後2時にスタートが切られたもののコンディションは悪く、オープニングラップから混乱が生じ、セーフティカー導入から2周目には赤旗中断になる。

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天候の回復を待つものの状況はなかなか改善せず、約2時間のインターバルを経てセーフティカー先導でレースが再開された。この時点でトップ3のオーダーはフェルスタッペン、ルクレール、セルジオ・ペレスとなっており、3周の先導走行の後、ローリングスタートで戦いが始まった。フェルスタッペンは2番手以下を引き離し、独走状態を築きあげる。当初53周で行われる予定だったレースは、中断時間を含む3時間ルールが適用され、28周に短縮されることになった。3番手を走行していたペレスは2番手のルクレールと激しいバトルを展開し、最終ラップでルクレールがシケインでオーバーランしながらも2番手を死守しフィニッシュ。しかし、このコース外走行が違反と裁定され、5秒加算のペナルティを科されてペレスが2位に繰り上がることになった。

フェルスタッペンは後続に25秒以上の差をつける圧勝でシーズン12勝目。変わらぬパートナーシップを象徴するように、表彰台にはHRCのF1パワーユニット開発総責任者である浅木泰昭が登壇した。そしてフェルスタッペンは今回の優勝とルクレールとペレスの順位入れ替わりによりランキング2位以下のポイント差を逆転不可能とし、鈴鹿でタイトル獲得を確定させた。レッドブルはシーズン5度目の1-2フィニッシュで、コンストラクターズチャンピオンシップに王手をかけた。

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シーズンを圧倒しダブルタイトルを獲得

続く第19戦アメリカGPでもフェルスタッペンが連勝を果たし、レッドブルのコンストラクターズ選手権獲得が確定した。チームにとって、そしてチームをサポートするHondaにとっても念願のダブルタイトル獲得となった。また第20戦メキシコGPでもフェルスタッペンが勝利し3連勝。シーズン14勝目となり、年間最多勝利数の記録を更新したのである。

最終戦となる第22戦アブダビGPでは、2022年シーズンを象徴するようにフェルスタッペンが完璧な勝利でシーズンを締め括った。これにより、フェルスタッペンは年間最多勝記録を15勝に更新し、圧倒的な速さと強さで連覇を達成し、フェルスタッペン時代の到来を宣言するかのようなシーズンとなった。ドライバーズ・ランキング2位争いはルクレールとペレスが同点で最終戦を迎え、ファイナルレースにレッドブルの完全制覇がかかっていた。3番手を走行していたルクレールは、逆転を狙って1ストップ作戦を敢行。2ストップから猛追したペレスだが1.3秒及ばず3位でフィニッシュし、ランキング3位に終わっている。

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前年の躍進からさらなる飛躍が期待されたアルファタウリだったが、マシンの不安定な挙動にシーズンを通して悩まされ、ピエール・ガスリーがランキング14位、角田裕毅は17位とともに苦しいシーズンを送った。コンストラクターズ・ランキングは9位に終わり、前年から3ポジションダウンという厳しい結果となった。