2019 Season with Red Bull/Toro Rosso

待望のF1復帰後初優勝を達成

2019年3月17日
第1戦オーストラリアGP

レッドブルホンダ誕生
開幕戦で第4期F1初の表彰台を獲得

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2019年シーズン、レッドブルホンダが誕生した。Hondaはトップチームであるレッドブルとのジョイントに、前年のスペック3をベースに信頼性を高めたRA619Hを用意した。Hondaにとって2チーム4台への供給は第4期F1活動で初めてのことだった。
レッドブルはマックス・フェルスタッペンをエースドライバーに、チームメイトは前年までトロロッソで参戦していたピエール・ガスリーを昇格させ起用。ガスリーはバルセロナでのプレシーズンテストで大きなクラッシュを喫し、不安を抱えてのシーズン開幕を迎えることになった。

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フェルスタッペン予選4位、決勝3位

Hondaパワーを搭載したレッドブルが、どのようなレースをするのか。パドック、ファンの注目が集まるなか迎えた2019年シーズンの開幕戦。フリープラクティス(FP)1でフェルスタッペンは4位、ガスリーは8位。FP2ではフェルスタッペン3位、ガスリー4位と2台が上位に名を連ねる。マシンに大きなトラブルはなく、チームもHondaもまずはひと安心という初日だった。しかし、予選では思わぬ事態が発生した。ガスリーが予選Q1で17位敗退を喫してしまったのだ。セッション後半の急激な路面コンディションの好転に乗じた他車が次々と好タイムを更新し、序盤のタイムでセーフティマージンありと判断したガスリーは次々と順位を落とし、終盤挽回を目指すもタイムアップすることなく脱落。フェルスタッペンもQ1突破は果たしたものの、終盤10位までポジションを下げている。Q3まで進んだフェルスタッペンは、メルセデス勢に次ぎフェラーリ勢に割って入る4位で予選を終える。もちろん、Hondaにとって第4期F1活動での予選最高位ポジションだった。

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決勝では、スタートから4番手をキープしていたフェルスタッペンがピットインを延ばしたことで、後半有利な状況を作った。前をいくフェラーリのセバスチャン・ベッテルを31周目にオーバーテイクして3番手に浮上。2番手メルセデスのルイス・ハミルトンとの差を詰めて、さらにポジションアップを狙う。残念ながら2番手を奪うことはできなかったが、堂々の3位フィニッシュは、チームもHondaも安堵とともに今後への期待が膨らむ内容だった。ガスリーは入賞目前の11位まで挽回。トロロッソのダニール・クビアトが10位入賞を果たし、Honda勢として2台目の入賞を果たした。ガスリーの昇格によりトロロッソに起用されたルーキーのアレクサンダー・アルボンは、デビューレースを14位で走り切り、Honda勢4台がすべて完走。これもHondaにとっては嬉しい結果となった。

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2019年6月30日
第9戦オーストリアGP

レース終盤の大逆転劇
待ち望んだF1復帰後初優勝

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開幕戦で3位となったフェルスタッペンは、その後も上位で戦いを続け、第5戦スペインGPで3位となり今季2度目の表彰台を獲得。第8戦を終えた時点ですべて3〜5位でフィニッシュし、安定したパフォーマンスを示していた。シーズン序盤は大方の予想どおり、王者メルセデスの圧倒的な強さが際立ち開幕から負けなしの快進撃、しかも1-2フィニッシュを6度決めて他の追随を許さない戦いを続けていた。

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新型ターボでパフォーマンスアップ

Hondaは第8戦フランスGPに、パフォーマンス向上を図ったRA619Hスペック3を投入。燃焼効率を向上させるとともに、ターボチャージャーのコンプレッサーをアップデートしMGU-Hが発電する回生エネルギーアップを図った仕様である。しかし、ヨーロッパを襲った熱波の影響で気温が想定以上に上昇。それがパワーユニットに影響して、期待されたパフォーマンスを示すことはできなかった。翌週に迫るレッドブルの地元大会に向けて、時間のないなかHondaは熱対策を急ピッチで行った。

続く第9戦オーストリアGPの予選でレッドブルホンダのマックス・フェルスタッペンはシーズン2度目の3位を獲得した。2位のルイス・ハミルトンがグリッド降格のペナルティを科されたため、フェルスタッペンは2番手フロントロウからのスタートとなった。期待の高まるスタートだったが、フェルスタッペンは大きく出遅れ7番手まで後退。サーキットを埋め尽くした応援団から悲鳴が上がった。猛追するフェルスタッペンは、9周目にはメルセデスとフェラーリの4台に次ぐ5番手に挽回し、タイヤ交換のピットインを終えた時点で4番手となっていた。首位はフェラーリのシャルル・ルクレール、2番手にメルセデスのバルテリ・ボッタス、3番手にフェラーリのセバスチャン・ベッテル、そして4番手にフェルスタッペンという序列でレースは後半戦を迎えた。メルセデスの連勝を止めるのはフェラーリか? レースの焦点はそこに集まっていたが、猛烈なペースで追い上げるフェルスタッペンが新たなドラマを作り出すことになる。

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ドラマティックな終盤の追い上げ

50周目にベッテル、56周目にボッタスをオーバーテイクしたフェルスタッペンは2番手になると、終盤にはトップを走るもペースが落ちてきたルクレールの背後に迫った。果敢なアタックを試みるフェルスタッペンをルクレールは抑え続けたが、69周目ついにフェルスタッペンはターン3でオーバーテイクに成功しトップに立った。残り2周、その座を守り切ったフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、レッドブルホンダは劇的な展開で初優勝を飾ったのである。

ハイペースで追い上げるフェルスタッペンにHondaは限界ギリギリまでパワーを絞り出すモードに切り替え勝負をかけた。パワーユニットが壊れるリスクは高まったが、勝利を狙う執念が勝り、待望の第4期における初優勝を達成。Hondaの努力を讃えるべく、レッドブルは表彰台登壇にHondaのテクニカルディレクター田辺豊治を指名している。

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2019年11月17日
第20戦ブラジルGP

フェルスタッペンがシーズン3勝目
Honda勢、28年ぶり1-2フィニッシュ

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シーズン前半戦オーストリアGPで初優勝、雨の第11戦ドイツGPで2勝目を挙げたマックス・フェルスタッペンは、第12戦ハンガリーGPで待望のポールポジションを獲得するなど上位争いを続けたが、サマーブレイクが明けると勢力図が一変する。急速に速さを身につけたフェラーリが3連勝し、シーズンはメルセデスとフェラーリの一騎打ちの様相となり、レッドブルホンダは3番手に落ち着いた感があった。第13戦ベルギーGPから第19戦アメリカGPまで、フェルスタッペンの表彰台登壇は2回、ともに3位というリザルトだった。

しかし終盤戦、シーズン残り2戦となった第20戦ブラジルGPでフェルスタッペンは速さを取り戻した。予選Q1からQ3まですべてトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得したのだ。続いてシーズン後半からピエール・ガスリーに替わってレッドブルに起用されたアレクサンダー・アルボンが6位、入れ替わりにトロロッソをドライブすることになったガスリーが7位とHonda勢は好調さを見せた。

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最終コーナーで見せたHondaパワー

決勝レースは、上位車のグリッド降格によりアルボンは5番、ガスリーは6番グリッドからのスタートとなった。ポールポジションスタートのフェルスタッペンが序盤から優位を築くが、ルイス・ハミルトンが迫りこのふたりの優勝争いと見られた。しかし、2度のセーフティカー導入という波乱の展開となり、上位を守っていたアルボンとガスリーにも大きなチャンスが巡ってくる。レース最終盤のフェラーリ勢の同士討ちによる2回目のセーフティカー導入時に2番手ハミルトンがピットインしたため、残り2周での順位はフェルスタッペン、アルボン、ガスリー、ハミルトン。Honda勢が1-2-3番手を占めたのである。

レースが再開されるとハミルトンがすぐさまガスリーをパスして、アルボンにも襲いかかった。アルボンとハミルトンは激しいバトルの末、接触してアルボンは後退。この隙をついてガスリーが2番手に上がると、レースはファイナルラップを迎えていた。

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最終ラップ、ゴール目前の登り坂でガスリーに迫り、並んだハミルトンだが、ガスリーは王者の攻撃に屈せず2番手を死守してフィニッシュを果たした。それは同時にパワー勝負でHondaがメルセデスに屈しなかったことを現していたのである。

フェルスタッペンはシーズン3勝目を挙げ、2位はガスリー。Honda勢が1-2フィニッシュを成し遂げたのは1991年以来28年ぶりのことだった。

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フェルスタッペンは最終戦アブダビGPでも2位となり、第19戦アメリカGPの3位から3戦連続表彰台を獲得し、ドライバーズランキング3位で2019年シーズンを締め括った。レッドブルホンダはシーズン3勝でコンストラクターズ・ランキング3位。トロロッソは前年より3つ順位を上げて6位となった。

レッドブルホンダは初年度を終えて、はっきりとした手応えを掴んでいた。それは、最終目標であるチャンピオンシップ獲得が現実的に見えてきた好感触だった。