2018 Season with Toro Rosso

起始回生のシーズン

2018年4月8日
第2戦バーレーンGP

第4期Honda 最高位の4位入賞
新生トロロッソホンダに、期待と自信をもたらす

© Rec Bull Content Pool

トロロッソと新たなスタートを切ったHondaは、順調にプレシーズンテストを消化した。手応えを感じて臨んだ開幕戦だったが、予選ではピエール・ガスリー、ブレンドン・ハートレーともにQ1突破を果たせず、決勝でも1周遅れの15位とパワーユニットトラブルによるリタイアと惨憺たる結果に終わっていた。

迎えた第2戦バーレーンGP。前戦でのトラブルによりパワーユニット交換を行なったガスリーが、見違えるような好調さを示す。3回のフリープラクティスすべてでトップ10入りを果たしたガスリーは予選でもその勢いを維持し、Q3進出を果たし6位を獲得した。

2台が入賞に値するペースに自信

決勝は上位車の降格によりガスリーは5番グリッドからスタート。好スタートで4番手にポジションを上げすぐさま抜き返されるが、そのライバルにトラブルが発生し再び4番手に復帰し、その後は安定したペースで上位走行を続ける。トップチームの脱落という幸運に恵まれた面もあったが、終始ミスのない走りとポテンシャルを見せつけるペースで周回を重ね4番手を守り切ってチェッカーフラッグを受けた。一方のハートレーは惜しくも予選Q3進出を逃し11番グリッドからスタート。スタート直後のアクシデントにより10秒ペナルティを科され13番手でフィニッシュし、さらにその後フォーメーションラップ中の順位を守らなかったことで30秒のペナルティを加算され17位という結果に終わる。しかし、入賞圏内に値するペースでレースを走り切ったことは、チームとHondaにとっても満足できるものだった。

トロロッソSTR13には大幅なアップデートが投入され、Hondaは開幕戦トラブルの対処を急ピッチで進めて臨んだ戦いでの成果は、両者にとって大きな期待と自信をもたらすことになった。「今日はトロロッソホンダの新しい歴史が幕を開けた記念日だ」レース後、トロロッソ代表フランツ・トストはこうコメントしている。

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2018年5月27日
第6戦モナコGP

ドライバー、チーム、マシンが噛み合ったレースで、
着実な成長を示す7位入賞

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第2戦の好結果はチームに希望をもたらしたものの、それがすぐにトップチームの仲間入りとなるほどF1は甘くはなかった。しかし、第4戦アゼルバイジャンGPで、ブレンドン・ハートレーが10位と自身初入賞を果たすなど、着実なステップを踏んでいる実感を持ちながら2018年シーズンは進んでいた。

そして第6戦モナコGPでは、初日からマシンに好感触を得ていたピエール・ガスリーが奮闘を見せる。予選でQ3進出を果たし、10番グリッドを確保。スターティンググリッドが最も重要なモナコで、レースに期待が持てる状況となった。

接戦を生き残り7位フィニッシュ

レース序盤、ガスリーはタイヤを労わりながらも10番手を守り、安定した走行を続ける。ハイパーソフトを装着していたガスリーは、ライバル勢に対し10周以上タイヤ交換を先延ばしし、オーバーカットに成功。6番手でピットインし、10番手でコースに復帰したガスリーはこの時点でまだタイヤ交換ピットインを残している上位陣を尻目に実質8番手にポジションを上げていた。マシンバランスの良さとタイヤマネージメントがうまくいった成果だった。

レース後半、8番手のガスリーは前車に迫るが、モナコはそう簡単に追い越しができるコースではない。しかし、52周を終え前車がトラブルでスローダウン。ガスリーは7番手にポジションを上げて、レースは最終盤を迎えた。6番手から9番手まで4台が連なる接近戦となったが、やはり順位変動は起こらず、ガスリーは7番手でフィニッシュ。シーズン2度目のポイント獲得を果たした。絶妙なピット戦略とガスリーの粘り強く安定した走行がもたらした7位入賞は、シーズン序盤戦に努力を重ねたチームとHondaへのご褒美のような結果となった。

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2018年10月7日
第17戦日本GP

鈴鹿開催30回記念大会「Honda 日本GP」
予選6、7位を獲得し、大躍進を見せる

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トロロッソホンダはモナコGPの後しばらく入賞に手が届かず、噛み合わないレースが続いていた。第11戦ドイツGPでブレンドン・ハートレーが10位になり、チームとして5戦ぶりの入賞を果たすと続く第12戦ハンガリーGP、第13戦ベルギーG Pでピエール・ガスリーが連続入賞し、チームとして3戦連続でポイントを獲得。チーム全体が上昇気運と見られたが、その後は入賞から見放されていた。Hondaは第16戦ロシアGPに新たな燃焼システムを導入したRA618Hスペック3を投入しパフォーマンス向上を図ったが、想定外だった共振が発生し、搭載は初日のみにとどまっていた。Hondaにとって起死回生を担ったスペック3の本番は、次戦日本GPに持ち込まれた。

鈴鹿サーキットで30回目となる記念の日本GPに、HondaはファンとF1への感謝を込めて初めてタイトルスポンサーとなり、大会正式名は「2018 Honda Japanese Grand Prix」と銘打たれた。

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RA618Hスペック3の本領発揮

フリープラクティスでは、アップデートされたSTR13の空力パーツとRA618H スペック3の調整を進めながら走行。迎えた予選でトロロッソホンダはそのポテンシャルを解放し、2台揃ってQ3に進出するとハートレーが6位、ガスリーが7位という好結果を得たのである。鈴鹿に押し寄せた多くのファンが沸いた瞬間だった。

多くの期待が寄せられた決勝レース。だがスタート前にハプニングが発生した。グリッドに着いたガスリー車をFIAの技術委員が取り囲み、緊迫したムードが漂う。一旦は許可されたパワーユニットのマッピング変更が、承認できないと通告してきたのだ。予選でガスリーはスペック3の共振症状が気になり改善を要望してFIAにマッピングの変更を申請。基本、予選後はマシンの変更は許されないため却下されたが、再度内容修正して申請し許可を得たという経緯があった。それが、レース直前に再度承認せずという結論となり、急遽マッピングを元に戻すことを指示されたのだった。

このドタバタが、レースに悪影響を与えたかは定かでないが、好位置からスタートした2台のトロロッソホンダは、噛み合わない戦略と難コース鈴鹿の洗礼によって、精彩のないレースに終始した。スタートで出遅れたハートレーは1周目に11番手に後退し、その後はリヤタイヤのオーバーヒートに苦しみペースを上げられない。その症状はタイヤを交換しても収まらず、13位完走がやっというレースになった。ガスリーは序盤6番手ポジションを守っていたが、ペースが落ちてからのタイヤ交換時期を誤り、ポジションを大きく落とした。終盤の挽回も叶わず11位でフィニッシュ。トロロッソホンダは2台ともに入賞という結果を残すことはできなかったのである。

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その後もトロロッソホンダは噛み合わないレースが続き、第19戦メキシコGPでガスリーが10位入賞を果たしたのみに終わった。熟成途中のパワーユニットにトラブルが発生したことや、マシンのセッティングやレース戦略がマッチしないことも多かった。トロロッソはコンストラクターズランキング9位でシーズンを終えた。しかし、チームもHondaも着実に成長を果たし、結果には現れなかったその成果が実を結ぶのは翌シーズンのことになる。

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