第12戦 オランダGP プレビュー

アップグレードされたRA626Hを投入
サマーブレイク明けの後半戦初戦、HondaはAston Martin Aramco Formula One™ Team(AMAF1)とともにパフォーマンスアップを図るため、アップデートしたパワーユニットを投入します。アップグレードされたRA626Hは、ICE(内燃エンジン)の改良によるパワーアップを実現し、バッテリーその他にも細かな改良を加えたものです。ADUO(Additional Development Upgrade Opportunities/追加開発アップグレードの機会)により緩和された開発予算やベンチテスト時間を最大限に活用し、パフォーマンスアップ向上を図っています。
AMAF1は、サマーブレイク直前のハンガリーGPにAMR26に大幅なアップデートを施し、正しい方向性とその効果を確認しています。オランダGPではさらにアップデートを行うことを明らかにしており、その成果に注目が集まっています。

競争力を高めたAMR26にスペック2のHondaパワーユニットが搭載されることで、相乗効果を生み出し、中団勢での戦いに加わり入賞を争えるパフォーマンスを発揮することが期待されます。
バンクが特徴的なザントフォールト
オランダGPの舞台であるザントフォールトは、全長が4.259kmと短く、コース幅やランオフエリアが狭い、全体に高速でリズミカルな走行が要求される、数少ないオールドサーキットのひとつです。特徴的なバンク形状のコーナーが配されていることで知られています。
ホームストレートエンドのターン1はターザンボクトと呼ばれるヘアピン状のタイトコーナーで、この進入が最大のオーバーテイクポイントになります。緩やかな右コーナーを抜けると、特徴あるバンクコーナーのフーゲンホルツ(ターン3)を迎えます。19度の傾斜があり、イン側の最短ラインと外側の高速ラインの2本のラインの選択はレースの見どころです。

フーゲンホルツを抜けると、ターン7まではリズミカルな高速コーナーが続きます。ターン7はシェイブラクと呼ばれるバンク状の高速右コーナーで、ザントフォールトの名物コーナーです。ターン8からターン10までは中低速コーナーが続くテクニカルセクションとなります。ターン11からターン12はシケイン状のタイトコーナーで、ターン12はタイトに回り込むコーナーとなっています。最終コーナーとなるターン14はアリー・ルイエンダイクと呼ばれ、18度の傾斜がついたバンクで、ホームストレートでのスピード勝負のカギとなるコーナーです。
後半戦の行方を占う重要な一戦
シーズン後半戦となり、各チーム新レギュレーションに則ったニューマシンの熟成が進んでいます。オランダGPもエネルギーマネジメントが厳しいコースで、電力の回生量と使用の制御が見どころのひとつです。シーズン当初は新レギュレーションの副産物として発生した回生のための変則走行や、エネルギー不足によるアタック不発などの課題が取り沙汰されましたが、FIAはセッションやコース毎に細かな電力の回生使用量の制限変更を行ってきました。これによりスピードやラップタイムに与える影響を抑え、F1らしい迫力ある走行状態が保たれています。

熟成とアップデートによって、後半戦の勢力図に変化が起こる可能性もあり、オランダGPはその幕開けとして注目されます。特に車体のアップデートに成功し、パワーユニットのアップデート投入が明らかになっているAMAF1に注目が集まっており、シーズン後半から来シーズンに向けての動向を示す戦いになりそうです。
なお、ザントフォールトでのオランダGP開催は、惜しまれながらも2026年でいったん幕を閉じることになります。マックス・フェルスタッペの活躍によって推進され、1985年以来、36年ぶりとなる2021年に復活したオランダGPですが、6年連続で開催した後、F1グランプリのカレンダーにその名を残すことはできませんでした。
