第2戦 中国GPレースプレビュー

コース紹介

中国GPの舞台となる上海インターナショナル・サーキット(Shanghai International Circuit)は、中華人民共和国上海市の西北部に位置する嘉定区にあります。コースをデザインしたのは、今世紀初頭に新設F1コースを数多く手掛けたヘルマン・ティルケ氏でした。
コースを上空から見ると全体が「上」の字を描いているのが分かります。1km以上の長いストレートが2本あり、メインストレート後の第1~3ターンは右にきつく回り込んでいて、バックストレート手前の第12~13ターンも同様なタイトコーナーで、ドライビングは難しく、左フロントタイヤに掛かる負荷が通常コースより大きいとされています。コース路面は2025年大会の直前に再舗装され、これにより「グリップが低いので、タイヤ摩耗(グレイニング)が早いコース」という、それまでのイメージは変わりました。

コースが存在している場所は自動車産業が盛んな工業地域で、もともとは平坦な湿地帯で高低差がないことも特徴のひとつです。2005年のF1開催時にはコース脇の排水溝の蓋が外れたり、2010年代初頭にはコースの一部に地盤沈下の症状が見られたりするなど、初期には思わぬトラブルもありましたが、近年は改善したと言われています。
1周の距離は5.451kmで、初開催時の2004年以降まったく変わらず、スタートラインはコントロールラインより190mほど1コーナー寄りにオフセットされています。MotoGPやフォーミュラEレースの開催時は、コースを一部ショートカットした短距離コースが用いられることもあります。
メインストレートには特徴的なブリッジが設けられ、レース管理施設やメディアルーム、特別観覧室などがあり、ストレートを真下に見下ろせるものとなっています。また、全体ではグランドスタンドだけで3万席、観客数20万人を収容する大きさを誇っています。

歴史

F1中国GP初開催は2004年でした。FIAによって開催が承認され、カレンダーに登録された開催予定日の数カ月前にサーキットが完成。中国としては念願のF1グランプリ開催でした。
2004年以降、2020~23年の新型コロナウイルス感染症の影響による中止を除き、これまで18回開催され、2026年が第19回大会となります。
中国本土では長い間サーキット・レースは行われていませんでした。有名なマカオGPは公道レースであり、ポルトガル領だった1954年以降毎年開催されていますが、F1が走るにはコース幅が狭すぎました。1996年に中国初の常設サーキットとしてオープンした珠海(チューハイ)は、コース規格の面や興行的な面でF1グランプリを開催することはできませんでした。

中国GPの名場面としては、メルセデスが1954~1955年に9勝してF1撤退、2010年の復帰後初の優勝を飾った2012年のレースがあります。これはニコ・ロズベルグにとってもF1キャリア初の優勝でした。また、2019年開催の中国GPは、世界選手権F1グランプリ通算1000戦目にあたるメモリアルレースとなりました。
中国GP最多勝ドライバーはルイス・ハミルトンの6勝です。2008年と2011年はマクラーレンで、2014年と2015年、および2017年と2019年はメルセデス、さらに2025年の「スプリント」ではフェラーリで勝利を挙げています。

見どころ

開幕戦オーストラリアGPからわずか1週間後の2連戦開催となった2026年シーズンは、新規定施行直後とあって、各チームとも対応策がとりにくいなかでの臨戦となるでしょう。今季初開催となる土曜日の「スプリント」は見どころのひとつですが、チームにとっては難しい対応を迫られるかもしれません。
スプリントが行われる週末はフリー走行が金曜日の1回だけなので、この時間帯をいかにうまく効率的に使うかが各チームにとって重要です。新規定導入2戦目という状況では、厳しいものとなることが予想されます。

上海での中国GPは、日本から最も近い海外F1戦で、気候も日本とほぼ同じ初春のレースとなり、多くの日本人ファンも現地観戦に訪れるグランプリです。
地元中国出身の唯一のF1ドライバーである周冠宇は、2022~2024年とフル参戦した後(F1での最高位8位)、2026年はキャデラックのリザーブ・ドライバーとなっています。
コースレコードとしては、開催初年度の2004年にミハエル・シューマッハーが記録した1分32秒238というタイムが今もなお残っています。コースレコードの対象とはならないポールポジションタイムで見れば、2025年のオスカー・ピアストリが記録した1分30秒641が最速タイムです。2026年新規定の下で、どのようなタイムが記録されるかも見どころのひとつです。

コースデータ

【中国GP 上海(上海インターナショナル・サーキット)】

1周5.451kmコース

【最新のコースレコード】

1’32”238 — 212.750km/h
M.シューマッハー(フェラーリ) 2004年

【Hondaエンジン/PUでのコースレコード】

1’32”935 — 211.154km/h
J.バトン(BAR・ホンダ)) 2004年

【予選最速ポールシッター】

1’30”641 — 216.498km/h
O.ピアストリ(マクラーレン) 2025年
(コースレコード対象とはならない)