第5戦 カナダGP プレビュー波乱の展開が多いことで知られるカナダGP
今年はどんなドラマが起こるか?

北米ラウンド2戦目はカナダGP
2026年シーズンは北米での2連戦が設定され、カナダGPは従来よりも少し早いタイミングで開催されます。
カナダ・モントリオールの人工島で行われるカナダGPは、波乱の展開となるレースが多いことで知られています。雨に見舞われることも多く、一瞬のミスも許さないコンクリートウォールが迫り、長いストレートによってマシンが根を上げることもあり、上位陣が予想外の脱落を喫するなど、さまざまなドラマを生み出してきました。

なかでも最終シケイン立ち上がりアウト側のウォールバリアは、「ウォール・オブ・チャンピオンズ」と呼ばれ、このコース最大の難所となっています。1999年にデイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハー、ジャック・ヴィルヌーヴのワールドチャンピオン経験者3人が相次いでこのウォールバリアに接触してリタイアしたことから、この名がつけられました。

唯一の現役カナダ人ドライバー、ランス・ストロール
カナダ人F1ドライバーと言えば、伝説のドライバーであるジル・ヴィルヌーヴ、その息子で1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴ、そして11年ぶりのカナダ人ドライバーとして2017年にF1参戦を果たしたアストンマーティン・アラムコ・F1(AMAF1)をドライブするランス・ストロールです。ストロールは参戦初年度の第7戦カナダGPでは9位入賞を果たし、21年ぶりにカナダ人ドライバーがカナダGPでポイントを獲得する快挙を達成しています。これまでも雨や波乱のレースで上位に食い込んできた実績のあるストロールの、母国グランプリでの活躍に期待がかかります。また、AMAF1のフェルナンド・アロンソは2006年のカナダGPで勝利を飾ったことがあり、前戦マイアミGPでシーズン初の2台完走を果たしたAMAF1のふたりのドライバーにとっては、ステップアップを示すレースとなりそうです。

Hondaにとって思い出深いカナダGP
Honda F1のエンジニアとって、カナダGPは思い出深いグランプリのひとつです。2018年、当時のトロロッソと新たなパートナーシップを組んだHondaは、トロロッソと緊密な関係を持つレッドブルへのパワーユニット(PU)供給を目指していました。レッドブルが最終判断をする大きな要素が、カナダGPでのHonda PUのパフォーマンスでした。Hondaは当時パフォーマンスにとって重要だったMGU-H(Motor Generator Unit – Heat)を改良したニューモデルを投入するなど、全力で戦闘力の高さをアピール。この先、目指すタイトル獲得への道がつながるか閉ざされるかの瀬戸際で、Honda F1のエンジニアの緊張は極限に近いものでした。レースの結果は予選・決勝ともに上位には及びませんでしたが、細かいデータを分析したレッドブルはHondaのポテンシャルを確認し、Honda PUを翌年から搭載することを決断したのです。その後のタイトル獲得や記録的勝利の積み重ねは、このカナダGPから始まったと言えるでしょう。

新レギュレーションとスプリントが及ぼす影響は?
2026年から施行された大幅なマシン変更は、シーズン4戦を終えてさまざまな影響を見せています。オーバーテイクモードとエネルギーマネージメントによってオーバーテイクシーンが増え、見応えのあるレースが行われています。カナダGPでも長いストレートでのオーバーテイクは増えることが予想され、激しいポジション争いが繰り広げられそうです。
一方で進みすぎた電動化に対する課題も浮き彫りになってきました。FIAはマイアミGPまでの間に予選での回生容量を下げるなど、ドライバーやチーム、PUマニュファクチャーとの協議によって、レギュレーションの調整を行いました。
カナダGPでは、ラップ終盤の長いストレートが、それぞれのエネルギーマネージメントを発揮する場として、最大の見どころになるでしょう。電気エネルギーをいかにストレートまでもたせ、発揮できるかが勝負のカギになりそうです。
今シーズンはカナダGPでスプリントフォーマットが採用されます。スプリントで大きなクラッシュを喫すると、その後に行われる予選に大きな影響が出るため、各ドライバーがスプリントをどのような戦略で戦うのかも、見どころのひとつです。

開催スケジュール(日本時間)
- スプリント予選
- 5月23日(土)AM5:30〜
- スプリント
- 5月24日(日)AM1:00~
- 予選
- 5月24日(日)AM5:00~
- 決勝
- 5月25日(月)AM5:00~