第7戦 バルセロナ・カタルーニャGP プレビューヨーロッパの本格的サーキットでの戦いが始まる

今シーズンからスペインGPは9月開催のマドリード・マドリンクでの大会となり、これまでスペインGPの舞台だったカタルーニャ・サーキットでのF1™は「バルセロナ・カタルーニャGP」となりました。過去、ヨーロッパでの初戦となることが恒例だったカタルーニャでのレースは、シーズン第2の開幕戦と位置付けられ、アップデートされたマシンのポテンシャルを図り、シーズン前半の勢力図を占う節目の大会でした。今シーズン、ヨーロッパでの初戦は前戦モナコGPでしたが、9月まで続く欧州戦の本格的サーキットでの初戦は、この第7戦バルセロナ・カタルーニャGPです。カタルーニャ・サーキットは、バランス良くさまざまなコーナーが配置されたレイアウトで、マシンの総合力を評価できることで知られています。1kmを超える下りのメインストレート、長い高速コーナーとして空力性能を測りやすいターン3、その先は180度まわり込むレプソルコーナーからヘアピンのセアトコーナーを経て、中速主体のテクニカル区間と続きます。多様な走行区間では、空力性能とマシン挙動のバランスやパワーユニットのパフォーマンスがラップタイムに表れ、ライバルチームのデータ分析の上でも重要な大会となるでしょう。

新マシンのパフォーマンスに注目
今シーズン、大きく変わったF1™マシンがどのようにカタルーニャ・サーキットを攻略するかは大きな注目点です。電動モーターの占める割合が増加し、エネルギーマネージメントが課題となる現在の状況下で、電気を作り出す回生と電気を使うパワーアシストのバランスは各チーム、各パワーユニット・マニュファクチャーの知恵の勝負です。コーナーレイアウトのバランスの良さが選択肢を広げ、勝負どころでの速さをどう生み出すか。なるべくドライバーに忍耐を強いることなく、レースを戦わせるにはどうマネージメントするのか。新規定下の初期段階にある今は、その答えにそれぞれの考え方やドライバーの個性が表れる可能性があります。また、これから続くヨーロッパのサーキットでのエネルギーマネージメントの基本データにもなるので、各チームの走行の意図が金曜日のフリー走行から表れるでしょう。
カタルーニャ・サーキットはタイヤに厳しいコースとしても知られ、タイヤマネージメントもレースでは重要です。フロントタイヤの消耗が激しく、特に左フロントは長い右コーナーが多いことからダメージが大きくなります。これらを確認するため、フリープ走行ではロングランや1ラップアタックのシミュレーションなどを行い、タイヤ性能を見極めることが、レース戦略上で重要な要素になります。

母国グランプリとなるアロンソの活躍に期待
カタルーニャでのレースは、母国の英雄フェルナンド・アロンソに、地元ファンからは熱狂的な声援が送られ、観客席が大いに盛り上がることでも有名です。アロンソは2003年にスペイン人ドライバーとして初めてF1™で優勝を飾り、2005年にはスペイン人初のワールドチャンピオンに輝いたヒーローです。それまでサッカーや2輪レースに集まっていたスペインでの人々の関心を、一気にF1™に惹きつけたのがアロンソでした。その人気は未だ衰えることなく、スペインでのアロンソは観客席からもっとも注目を浴びる存在です。今シーズン序盤からマシンのトラブルとパフォーマンス不足に苦しむAston Martin Aramco Formula One™ Team(AMAF1)ですが、安定した環境の本格的サーキットでマシン本来のパフォーマンスが発揮できるかが注目ポイントです。Hondaのパワーユニットは、一時の振動問題を解決し、ドライバビリティとエネルギーマネージメントの積極的な改善に取り組んでいます。マシン全体のステップアップ実現に努力を続けるAMAF1と、前戦モナコでシーズン初入賞を果たし、母国グランプリでさらにモチベーションの上がるアロンソに期待がかかります。


Honda F1 トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア 折原 伸太郎のコメント
バルセロナ・カタルーニャGPはフェルナンド・アロンソ選手の母国レースであり、我々にとっても非常に特別なイベントです。もちろん、現状のパフォーマンスは目指しているレベルには達していませんが、ドライバーたちに最大限のパフォーマンスを提供できるよう全力を尽くします。
カタルーニャ・サーキットは、F1カレンダーの他のサーキットと共通する特徴を多く備えているため、テスト開催地として使用されています。高速・中速コーナーに加え、いくつかの低速セクションが存在し、特に中速から低速コーナーにかけては、総合力の高いPUパッケージが不可欠となります。
中速および高速コーナーにおける各ドライバーのスロットル操作も重要なポイントです。リフトするか、全開にするのかドライバーやマシンごとに操作が異なると想定していますが、開度によってエネルギーマネジメントに大きく差が出ます。シミュレーションでは様々な状況を検証してきましたが、それが実際のトラックでどう再現されるかを見極めることが重要になります。
